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Judgment Mythologies  作者: 篠山 翔
佐伯洸太
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は下駄箱から外へ駆け出した。上履きのままだけど、そんなことはもうどうでもいい。左右をよく見ながら走る。駐輪場に姿は見えない。真っすぐ進むとテニスコートが見えた。中には誰一人居ない。右には正門が見える。校舎に近いこの辺じゃないとすると、佐藤はグラウンドの方にいるかもしれない。

僕は左へ舵を切った。

右には無人のテニスコートがまだ続いていて、左には体育館が見える。

グラウンドの方──右へ曲がろうとした瞬間、視界の端にしっかりと捉えた。曲がろうとした方向とは逆の左に、蹲っている人影を。

右に曲がろうとしていた体にブレーキをかける。

誰かが縄で腹部をぐるぐる巻きに縛られて倒れている。それが佐藤だと僕が気づいたのと同時に、佐藤の体は強い衝撃とともにくの字に折れ曲がり、転がる。──ひとりでに。

まるで、そう。透明な誰かに蹴られたかのように。くぐもった声が佐藤から漏れる。佐藤の口にはガムテープが貼られていた。

昨日、渡辺先生が言っていた。あいつは透明になれる能力を持っている、と。一人逃げおおせた暴力事件の犯人の一人。

「筑波──!」


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