30/159
29
そろそろ寝ようか、それとも少し本でも読んでから寝ようかと迷い、とりあえず布団を敷いた。布団の上に直立し、どっちにしようかと腕組みをしていると、ドアをノックする音が聞こえた。
「起きてるー?」
環さんが小声で言った。
どうしたんだろう?
これといった心当たりがない。
環さんは先ほど見た寝間着ではなく、白い無地のシャツとジーパンを着ていた。
「どうかしました?」
「散歩でもしない?」
「今からですか?」
「うん。もう遅いし、無理しなくてもいいけど」
机の置時計は、もうそろそろで一時を指すところだ。
「行きます」
そう時間は掛からないだろうし、たまには寝る前に散歩というのも悪くない。




