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Judgment Mythologies  作者: 篠山 翔
佐伯洸太
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五時半、中嶋先輩が到着した。

軽く打ち合わせをして、各々配置に着く。僕は渡辺先生のビデオカメラを持って、玄関からすぐ左の部屋の押し入れに一人で隠れた。

暗い押し入れの中。恐怖心は無かった。証拠を掴んで、犯行を止める。そのことで頭がいっぱいだった。

十五分。多分、隠れてからそれくらいだと思う。外から声が聞こえてきた。うめくような声も聞こえる。

声はどんどん近づいてくる。

とうとう、中に何人かが入ってきた。

押し殺した嗤い声の中に、知っている声があった。新井さんだ。

と、そこになってようやく僕は耳栓とヘッドホンを着け忘れていることに気が付いて、慌ててそれらを物音を立てないように装着した。

音楽を流し、音漏れがしない程度に、かつできるだけ大きくなるように音量を調整する。

『新井さんです。数は分かりませんでしたけど』

中嶋先輩と渡辺先生にテレパシーで伝える。

『わかった。……渡辺先生の読み通り、こっちの方に来たみたいだ』

『撮れそうですか?』

『うん。大丈夫。人数は佐藤君を抜いて四人。新井、アランフェス、安藤 筑波が全員揃ってる』

『了解しました。証拠が十分に撮れたら言ってください。後は手筈通りに。私が応戦しますので、中嶋さんと佐伯は佐藤を連れて逃げてください』

僕がこの位置から中嶋先輩の方へ向かうと、新井さん達を挟み撃ちする形になる。ただ、僕には武道の心得とかそんなものは全くない。身体能力も高くはない。積極的に渡辺先生に助力しようとしても、返り討ちに合うのが目に見えている。

それでも、追手を邪魔したりして、中嶋先輩と佐藤が逃げるのを助けることくらいはできる。玄関で中嶋先輩と佐藤を待って、合流してから一緒に逃げよう。


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