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翌日の放課後、僕は倉地からメールで助っ人が来るから放課後は教室で待機するようにと言われ、僕はそわそわと自席で待っていた。教室に他の人の姿はもうない。倉地は帰りのホームルームが終わるとすぐに帰ってしまったし、新井さんはしばらく教室にいたけど、いつのまにか帰っていた。
「佐伯洸太君でいいかな?」
扉の方から、ジャージを着た筋骨隆々の大男が僕を呼んでいた。初めて見る人だ。歳は四十代に見えるけど、それにしてはボディビルダーのように体格が良すぎる。普段から鍛えているのだろうか。
何の用だ?教師に呼び出されるなんて心当たりは全くないが。僕は件の助っ人を待たなければならないのに。
……もしかすると、助っ人とはこの人のことなのかもしれない。
「はい、僕です」
「おう、お前が佐伯か。体育の渡辺稜だ。よろしく」
恐る恐る近づく僕に、大男は快活に笑いかけた。
かと思うと、急に真剣な顔になり、僕に顔を近づけて囁いた。
「倉地から話は聞いている。行くぞ」
この人が倉地の言っていた助っ人とやらで間違いないようだ。




