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Judgment Mythologies  作者: 篠山 翔
佐伯洸太
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20

すぐに携帯にメールが来た。

倉地から『アドレス合ってるか?』と送られてきていた。

合ってる、とだけ返し、念のためまた待ち伏せられないように倉地が下りて行った階段とは別の階段を使って下駄箱まで移動する。

自覚できていないだけなのかもしれないけど、脳に何かされたような気配はない。やはりメール越しに脳を操作することはできないのかもしれない。

下駄箱に倉地の姿はなかった。

「洸太君」

声のした方を見ると、芽依さんが小さく手を振っていた。

「ごめん。遅くなった?」

「ううん、全然」

そんな会話をしながら靴を履き替えると、僕の携帯から着信音が鳴った。

「優君から?」

「いや、違う……」

倉地からだ。けど、これはどういうことだ?

『お前は中嶋優さんの知り合いで合っているか?』

それが倉地から送られてきたメールの文面だった。

中嶋先輩を知っているのか?接点はなさそうだけど。それより、僕達の事情を知っているのか?どこまで話してもいいのだろうか。

「どうしたの?」

芽依さんにはなんと説明しよう。第一、この状況を僕自身が把握しきれていない以上、正確な説明ができるとは思えない。

それでも、できるだけ説明しよう。

「ちょっと待って、歩きながら説明するから」

そう言いながら、倉地に肯定の文を送る──直前で手を止める。

……倉地は中嶋先輩から事情を聞いたのでもなんでもなく、暴力事件の犯人は倉地で、中嶋先輩が事件を追っていることを知っていて、その仲間ではないかと僕を疑って、このメールを送ってきたのだとしたら?

だとすると迂闊に答えるわけにはいかない。一旦中嶋先輩に確認を取ろう。確認を取るから待っていてほしいと倉地に送るわけにもいかないし、倉地にはまだ何も返信しないでおこう。

中嶋先輩にメールを送り、帰り道を歩きながら、芽依さんと今日の成果と出来事を共有し合った。


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