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翌日、僕と芽依さんは転入初日より30分程早く起床した。起きるのは辛かったけど、目が冴えてしまえば、早起きというのも悪いものではない。中嶋先輩の部屋に行くと、既に朝食のトーストを食べている芽依さんの姿があった。
「おはよう、洸太君」
居間には芽依さんの姿しか見えないし、風呂場の方に人がいる気配もない。とりあえず、芽依さんにおはようと返した。
「中嶋先輩と環さんは?」
「優くんは私と入れ違いで仕事に行っちゃった。環さんは散歩だって。優君が自分でトースト焼いて食べてって言ってたよ。あと、冷蔵庫にヨーグルトとかあるから好きに食べてだって」
「わかった」
トーストを焼き、冷蔵庫にあった牛乳をコップに注ぐ。テーブルに座り、手を合わせる。
「いただきます」