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「環ちゃんは、この世界の未来がどうなってるか知ってるんだよね」
「いいや、知らない。良い思い出は思い出させてくれたけど、悪い思い出は全部蓋されちゃったみたい。……まだ高校生で私より年下のくせに、親バカだよね。変な感じ」
と、はにかんで笑みを浮かべる環ちゃん。
「それで、それがどうかしたの?」
「……未来の世界で何があったのか気になって」
「そっか。そうだよね。私も気になるけど、あの感じだと私には教えてくれなさそうなんだよねー」
環ちゃんは物憂げに窓の外を見つめていた。