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「で、どれにする?ご飯かお風呂か私か」
「結局三つ目の選択肢もあるんだ……」
「冗談だけどね。軽々しくそれを選ぶようなら人生の先輩として説教しなきゃならない」
「わかってるよ。ところで、そういう冗談を軽々しく言うのは大丈夫なの?」
「おっとそりゃそうだ。これは一本とられた」
「とりあえずご飯にするよ」
「うん、わかった。といっても、私が作ったわけじゃないんだけどね」
そう言って、俺の分の夕食を机に出してくれる。
「ありがとう、環……さん」
「今まで通りちゃんづけでいいよ。この世界だと恋人なんだから、ちゃんづけでも問題ないでしょ」