110/159
59
翌朝、目覚まし時計の音で目覚める。いつもと違う音色に違和感を覚えながら、まだ眠っている環ちゃんを起こさないように支度を済ませる。
環ちゃんが起きたタイミングで手早く自分を含めた全員分の朝食と弁当、そして夕食を作り、ちょうど起きた環ちゃんの超能力で保温してもらう。いつもは朝の時点で夕食まで作りはしていないが、俺の帰りが遅くなるかもしれないことと、環ちゃんの超能力で保温できることから朝にまとめて作ってしまうことにした。それなりに時間はかかったが、大した手間ではない。
外はまだ涼しく、車の走行音だけがぽつぽつと聞こえていた。皆の部屋から物音は聞こえない。皆まだ寝ているのだろう。
