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「さて、そろそろ帰らせてもらうわね」
「さっき電話してた人は?入れ違いにならない?」
「あー、そうね……。やっぱりここで待つわ」
円ちゃんは上げかけた腰を再び下ろし、手に持ったペンダントを見つめた。
「……なんの因果か、これちょうど私が研究していたことの集大成みたいなものなのよね。……だからこそ、許せない。燃料が底をついときに誤作動を起こす可能性があるなんてことは明白。なのになんでそれを対処しなかったのか不思議でならないわ。これを作れる程の技術があるのなら、それくらいできるはずよ」
愚痴をこぼすような言い方だった。