少年を拾った
前書きです、ここから始まります。
僕は、黄金鯛焼きと言う店の抹茶が好きです。
僕は藤波飛鳥
とても運動音痴だ、身体が思うように動かない
親の影響と自分の性格から警察を目指しているが、不安しかない
現在は大学に行く為にバイトと勉学に励んでいる
「おい、大丈夫か!?」
そんな僕は今日、死にかけの少年を拾った
――雪が緩徐に降る夜
樋口は食材を探す為に山に向かう道中の静まった住宅街で、向かいくる黒い触手を視認し、大きく後ろに飛ぶ
触手は勢いそのまま地面にぶつかり、大きな音を立てた
すぐに刀に手をかけ、構えて言い放つ
「姿を見せろ」
農民にバレてしまったかもしれないと焦燥していた。このまま逃せば、上層部に報告される可能性がある
考えうる中で最悪が起きた
暫くの沈黙の後、逃げる様に気配が移動し始めたのだ
「…待て‼︎」(クソッ…奴が本拠点に着くまでに討つ)
追いかけると、黒い影を捉えたため構えを取る。
「―三鳥砲…‼︎」
技の発動前に、狭い路地裏に逃げ込み姿が見えなくなってしまった
暫く追ったが、立地が分からず逃してしまう
(どうする、闇雲に探したところで体力も…)
「キャーーーー!」
(!?)
鋭い悲鳴が上がる。
急いで向かう樋口は、奇怪な服を着た農民の女性が、黒い布を被った何かに襲われていた
(さっきの影が人を襲っている?もう一人…)
もう一つ気配を感じ、屋根上から様子を伺う
男の農民が間に入っていく
「止まれ、それ以上進むな!…お姉さん、早く逃げてください」
女性は腰を抜かして動けていなかった
男の手には奇怪な布で覆われた棒が握られていた
(あれは傘か?あんなものでどう対処するんだ…)
事態はすぐに動いた。
「お前、邪魔」
黒衣が、そう言うと布の裾から黒い触手が少し顔を出した。
次の瞬間には、甲高い音を立て目の前の刀が半分に折れ
「!?」
男は尻餅をつき、今起きたことが理解できないでいた。
「下がっていろ」
瞳から赤い光が漏れる
(ま…魔族!?)
目の前に急に現れた人間にそう言われ、男は腰を抜かしていた女性を担ぎ、去っていった
(ここで折れるか、急な判断で飛び出してしまったせいで、真を捉えきれなかった!弾ける柔らかさで良かった…)
「やるしかない」
一通りの整理し、構える
「邪魔を、するな!」
黒布は前傾になり、後ろの布が捲れ上がったかと思えば、指折りの触手が現れ、樋口に向かう
触手は何度切ろうが、また伸びて襲い来る
ラッシュを流すが、かなり傷を受け血を流してしまう
黒布は振り返り、道路を逃げるように移動し始めた
「逃さぬ!」
屋根に乗り、伝いに黒布を追う
開けた道に入った時を見計らい、飛びかかる
黒布は振り返り、後ろ向きに移動しながら触手を伸ばし、樋口に向かわせる
向かい来る触手を空中で迎撃、回避しながら距離を詰める
刀は触手と接触するたびに削れ、短くなっていく
本体に振るった袈裟斬りは、一歩飛んで避けられた
着地した足に力を込める
「紅化一式」
地面が凹み、ヒビが入る
―紅閃―
素早く目の前を薙ぐ
触手を弾き飛ばすが、大きく距離を空けられた
敵も逃げられないと感じたのか、棒立ちのまま静止した
(触手の数が三本に減った今なら…)
短い刀身に力を込め、全力で振り下ろす
熱を孕んだ斬撃は、積もった雪を溶かしながら敵に向かう
敵の触手が増えて、自身を包むような形をした防御を弾き飛ばした
(まだ有るのか…、魔力はもう…)
勝算が薄れたが、黒衣は夜の黒に溶けていった
(折れた刀身だとかなり溢れる…体力が…)
接敵の場所からかなり移動していたらしく、全く知らない場所に来てしまっていた
周りの民家の明かりがついた
人の流動を感じる
(身を…隠さないと…)
力無く、ただあてもなく、降雪を掻き分けて進んだ
膝から崩れ落ち、何処かわからない場所で倒れた
雪が降り積もる
「大丈夫か!…」
(息はある、良かった…まだ病院へ行けば助か…いや、見間違いじゃなければこの子は魔族…助かったとしてもこの先魔族は…)
「おね…がい…」
掠れた小さな声を出す
少し目を開け、目の前の青年を見た
(政府に殺されるのか?こんな子供が…)
さっきの戦闘を思い浮かべる
(どどど、どうしよ!このままじゃ!…)
「!」
雪を払い特に出血の多い箇所にハンカチを巻きつけ、上着を巻いて、担ぎ上げる
(優しさで身が滅びるなら本望だ!)
――
幸い自宅は近くだった
(運んじった…とりあえず応急処置しないと…)
暖房をつけ、マットの上に寝かせ、上着を脱がせる
(この包帯はきつすぎて取りにくい…。この下に傷は無さそうだし後回しでいっか)
体を拭き、傷口を消毒、被覆材を貼り、大きい傷は包帯を巻いた
(青痣は無いな、失礼します…)
上半身に布団を被せ、今度は袴を脱がせる
(ふんどし…)
褌は割と綺麗だったのでそのままにして、他を同じく処置をして、入院着を着せ、用意した敷布団に寝かせ布団を被せる
(思ったよりも軽症で良かった…、それと、男の子で良かった…褌って…)
それから二日が経った
(傷の治りが早い…熱が39度もあってぶっ通しで寝続けてるって事以外は、問題はない…のか?)
ベッドで寝ている少年と、腰に携えていた物、机に立て掛けられた物を手に取り、思考を巡らせていた
(魔族…集中や緊張すると目が光るのが特徴の一つだって聞いたことあんなぁ…気のせいか?)
「それにこれって刀だよな?うわ本物やんけ、ゆうに30センチは超えてるな…」
触れうる法律と世論が頭をよぎる
(普通に考えて魔族は抹殺の対象なんだよなぁ…でも…)
安らかに眠る少年の顔を見る
「この子が起きてから考えよ」
とりあえず布を被せておく
2話読んでいただきありがとうございました!
主人公の小噺
藤波 飛鳥.ふじなみ あすか(男)
年齢は19になる
身長は前に測った時は170あったらしい。
体重は健康のドンピシャ
少し生真面目で声でかめの童貞
休日は流行りの漫画読んで過ごす
怖い話が嫌い、特に意味がわかると系の物
ぜひ次回も楽しみに!