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4日目朝の議論

今生き残っているのは、史朗、明、一真、幸喜、拓海、隆、浩人、圭斗、礼二、美鶴、桔平、二千翔の12人だ。

この内明単独のグレーは幸喜、隆、圭斗、礼二、桔平、二千翔の6人だが、その内の二人の幸喜と二千翔は役職なのを拓海は知っている。

優斗が噛まれた事で、結果的に史朗のグレーも狭まって単独のグレーは幸喜、浩人、圭斗、桔平、二千翔の5人。

つまり、もう史朗のグレーは拓海目線では3人まで狭まっているのだ。

村目線では、今日で宏夢と理央の一人に狐一人、霊能者で狼と狂信者が一人処理できる事になっていて、明目線では史朗の他に一真真なら残り1人狼1狐、一真偽なら2人狼1狐居る事になる。

つまり、拓海から見たら4人のうち半分以上が人外だった。

史朗目線では、一真真なら明、美鶴以外に狐しかいない。

一真偽なら1人狼1狐で、こちらもかなり追い詰めていた。

後5縄、一真に1縄使って4縄で、案外に縄に余裕はありそうな気配だった。

間違えなければの話ではあるが。

拓海は、それをホワイトボードに書いて確認しながら皆に説明し、そして振り返った。

「…ということで、明さんのグレーは6人、史朗さんのグレーは5人。その人達に話してもらおうと思う。」

史朗が、言った。

「共有と狩人は出ないのか?もしグレーの中に居たらかなり狭まると思うけどな。」

拓海は、首を振った。

「それは本人達に任せているから。出たかったら出るだろうし、オレからは見えてるから心配しないでもらって良いです。」

明が言う。

「出ても所詮噛まれ位置になるだけだからな。狩人には頑張って縄を増やしてもらいたいし、私はまだ出ないで欲しいがね。共有も、史朗が間違えて黒でも打ってくれたら私が呪殺を出すまでもないしな。」

史朗は、明を睨んだ。

「私は真結果しか落とさない。君こそ大丈夫なのか?これまで白ばかりだが、そろそろ黒を打たないと破綻するぞ。」

明は、肩をすくめた。

「私は一真が真で千晶さんが黒だと思っているから。後1人狼がどこなのか知りたいだけだ。私からは君、朝陽さん、千晶さん、そしてどこかに居る一人で終わり。狐がどこだかわからないので困っているがね。君もそうだろ?」

史朗は、黙って明を睨む。

拓海は、続けた。

「じゃあ、浩人。史朗さんのグレーだから君から話して欲しい。」

浩人は、頷いて言った。

「…オレは、昨日も言ったように明さんが真だと思ってる。なぜなら昨日、霊能者噛みしたらオレに黒を打って来ないとおかしいと思うからだ。グレーでは二千翔がまるで色が見えてるみたいに史朗さんに肩入れしてたから、だから黒く見えてるよ。できたら明さんには二千翔を占って欲しいな。残りの1黒が出そう。」

拓海は、頷いた。

「じゃあ、そう言われた二千翔は?」

二千翔は、不機嫌に言った。

「史朗さんが真だと思ってる。明さんの思い通りになってるような気がして怖いんだ。みんなは思わないの?圭斗だって、今朝いきなり黒なのかって聞かれて驚いたでしょ?黒塗りしたいから、適当に理由をつけてるのかなって思ったけどね。優斗噛みだって、二択だったのにそんなに簡単に当たる?自分で噛んだんだと思うけどな。だから、浩人は怪しいと思うよ。」

話を振られた圭斗が、困惑した顔で言った。

「オレは…別にどっちがどっちかわからないんだよ。だからみんなの考えについて行けなくて黙って聞いてたけど、今朝ので二千翔が言ってた意味が分かったかなって。明日黒を打たれるんじゃないかって怖くなった。だとしたら美鶴さんとか黙ってたし初日に囲われて潜伏してる狼だったのかなって思えて来て。だとしたら、あれだけ吊り推してた千晶さんは白だったと思うし、そしたら一真は偽だし後一人は誰だってさっきから見てるんだけど。」

幸喜が、言った。

「怪しまれたから怪しいと決めるのはおかしいぞ。まあ、君が黒なら分かるけどね。」

圭斗は、幸喜を見て眉を寄せた。

「なんだよ、君も?もしかしたら君と明さん、美鶴さん、一真、将生で狼陣営なんじゃないか?」

幸喜は、ため息をついた。

「オレはまだ分かってない。そもそもまだ黒を打たれたわけでもないのにもう怪しんでるのがおかしいのと、朝、立ち話で明さんが圭斗さんを怪しんだ時、史朗さんが圭斗さんの事をどうしても村人を怪しみたいようだな、って言ったんだよね。どうして史朗さん目線、圭斗さんが村人だって知ってるんだろう、ってその時思った。だってまだ占ってないからさ。そう言い切れるのは何でだろう、色が透けてるのかなって思ったんだ。だから、朝のそれで明さんかもしれないって思い始めたんだ。」

史朗が、それに反論した。

「圭斗は明さんが黒かって聞いたぐらいだから白だろうと思ったから言ったんだ。他意はない。」

「それでも狼だったら見えてるからついポロッと出たりするよな。」隆が言った。「幸喜に言われて思ったよ。昨日二千翔と史朗がなんか喚いてた時から、明さんが陥れられてる方なのか?って思ってたけど、そうかもしれない。オレに白を打ってくれてるけど、どうも史朗の方が偽ような気がぽろぽろするんだよな。」

史朗は、言った。

「なんだよ、お前は白なのに!お前がオレを疑うなら、意味がないじゃないか。」

隆は、顔をしかめた。

「史郎にとっての白がオレで、そのオレが怪しむぐらい昨日のお前は怪しかったってことだ。明さんが潔く参加しなかったのに、それを良いことにやり過ぎたんだと思うぞ。真ならもっと慎重に発言するべきだ。」

史朗は、ぐ、と黙った。

礼二が、ため息をついた。

「分からない。どっちも怪しい所があって。確かに昨日は史朗さんと二千翔がやり過ぎたと思うんだ。でも、その前は確かに霊能噛みが入って明さんが怪しまれていただろう。どっちもどっちで、オレは決められないな。史朗さんには白をもらってるし、オレは確かに白だから分からない。どっちが黒でも打ってくれたら偽が分かっていいのに。」

桔平が、言った。

「礼二に同意だ。みんないろいろ言ってるけど、どっちもどっちなんだよね。拓海は確定村人だから文句つけても仕方がないけどさ、明さんに肩入れし過ぎてるとは思うよ。もう一人の共有も出て来てくれたら、二人でしっかり話してこんなに偏らないと思うんだけどな。狩人は出る必要はないと思う。もちろん、オレだって噛まれたら嫌だから、守ってくれる人材は重要だし。でも、ここまで詰まって来たら、そろそろ共有者は出てもいいと思うんだけどな。」

それには、礼二が顔をしかめた。

「共有の場所を聞いてどうするんだ?怪しいよな、噛みたいだけな気がするんだよ。それとも、占いに出てる狼に、黒を安全に打つ場所を教えるためなのか?そんな風に見えるけどな。」と、顔をしかめた。「そう思うと史朗さんの方が怪しいのか?共有者と狩人位置を聞いてたよな。噛まれるかもしれないのに、狩人に至っては噛まれるのに出て来ると思うか?どっちにしろ拓海目線では見えてるんだろうが。」

拓海は、頷く。

「見えてるよ。上手い事自分が共有でも狩人でもないって感じのふりをしてるから、みんなには分からないだろうけど。オレは等しく怪しんでるからね、相方でも。バレちゃいけないし。」

礼二は、笑った。

「お前が演技派だとは思わなかったよ。確かに全く分からない。」

狩人なんか、絶対に分からないと思うよ。

拓海は、思った。

何しろ投票はしなかったが吊り位置に指定までしたのだ。

「…共有と狩人に言及した奴は皆怪しいと言いたいが、どうやら拓海は上手い事その人に演じさせているようだな。」明が、言った。「私は真結果しか出さないから別に誰でもいいのだがね。」

まあ、あなたは推理して最初から知ってるからね。

拓海は、思った。

そう考えると、明は二人を噛むこともなく、昨日も二死体出るはずもなく呪殺が確定しないのを分かっていてそれを装って来るだろうか。

幸喜か、二千翔を噛んでおいたら良かったのではないか。

二千翔は分かっているのに、どこまでも明偽を追っているんだな。

拓海は、ため息をついた。

しかし、数少ない確定村人の二千翔に、あまり強く言うのもできない。

何しろ、拓海が間違っていないという確証もないのだ。

そのまま、一同は占い師の真贋について、皆で議論をしているのを、拓海はじっと聞いていたのだった。

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