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第1場面 初対面

何とか2部目も打ち終えました。

コメディっぽくするはずが、先に行くにつれてどんどんシリアスな展開になっていくような……。


ゴーグルをかけると、部屋の向かい側、奥の方に紅白の円が並んだようなよく見る的が3つ横並びになっていた。手には打つための銃らしきもの。


"これ使ってやるんだよね。"


……あれ?いつもなら何かしらの返事がくるのだけど……。


「こっちこっち。」


「一応お前でも人のイメージはしてたんだな。」


「えっ……と。ライさんにコウさん?」


両サイドから声がして驚いた。

セリフ的に、左にはやんちゃなお猿さん顔をしたライ。本人にお猿さん顔って言ったら怒られそうだけど。

声はそのまま高めで通る男声って感じ。そんでもって茶色の短髪で男の子にしては小柄。例えるとスポーツの主人公を体現したように見える。


「意外って顔してるけどアンタのイメージだからね?それと今更『さん付け』は違和感ありすぎて困るわ。」


そっか。私のライに対するイメージがこんな感じ、と。


……ん?ちょっとまって。


「ライさ……じゃなくてライは私が考えてることが分かるの?」


それともエスパーの子孫!?


「聞こえてはいないけど、アンタの顔に書いてあるよ。」


「そんなに分かりやすい顔してた?」


表情がコロコロ変わると色んな人に言われたことはあるけど、詳細に読み取られるなんてことはなかったような。


「うーん。分かりやすいかは知らないけど、理解できるに決まってるでしょ。もう何年も一緒にいるんだし。」


どことなく自信有り気なのは気のせいだろうか。


「そうだよね、うん。」


確かに、何年も見てれば考えていることも分かるかもしれない。


「てかお前、早くこれ片付けるんじゃなかったのかよ。」


ライと話していれば右から声が降ってきて。


「あ。そうだった。」


と、表面上は言いつつコウの方を見る。


「本当集中力の欠片もない……。」


「集中って言われても、誰だって突然知らない人が現れたら気になるもんでしょ。」


コウとライが何やら話しているが、そんなことより。


コウは仏頂面で黒髪の同じく短髪。声は内にいた時と同じく低め。例えると主人公のライバルみたいな感じ。

2人とも予想通りの方向性で。どういう訳かイケメンな方だと思う。


「結局今度はこっち見てるし。別にそこまで面白い顔でもないだろ。」


「面白いというか、2人とも想像以上にイケメンでなんか困る。」


コウの発言に対してサラッと思うさま答えたら、辺りが静まりかえった。

え。そんなに変なこと言った?


「それはアンタ……。」


しかもライが言い淀んでいる。何故。


「はあ……。役員の話を聞いてなかったのかお前は。」


「お姉さんの話?聞いてたよ?ちゃんと。」


2人と話してる時間もあったけれど。


「お前のイメージなんだから、不快感を憶えない程度には美化するだろ普通。」


「なるほどそういうことか。」


確かに2人が不細工だったらあまりいい気はしない。

私自身かっこいい人好きだし。


理由は何となく分かったけども。


「そんなため息つかなくてもよくない!?」


もう。普通に教えてくれればいいのに。


「まあまあ。アンタ、また的のこと忘れてるよ。」


「は!そうだった。」


ずっと放ったらかしてた。なんかごめん的。

再び標的に視線をやってから自身の持つ銃を見れば、緑の光の玉が5つ点灯していた。

これきっと5発以内で3つの的に当てればいいってことだよね?


「そうなんじゃない?確かシューティングゲームって言ってたし。」


やっぱり?……って。


「ライ絶対エスパーか何かでしょ。」


「いやいや。」


「単純にお前が分かりやすいだけだろ。」


「ええ。なんか納得いかないんだけど。」


そんでもって相変わらずコウが酷い。


的との距離は10mほど。射撃能力があるわけではないけれど、ゲームは好きだし。

とにかくやってみよう。


まずは真ん中。ポインターみたいなヒントはないけど、その辺は直感に任せて。


パンッ


小気味良い音こそしたけれど、的はそのまま。

ゲームの仕様なのか、中央の的の左側を赤い点が現れた。おそらく私が撃った場所なのだろう。

もう少し右側を狙えってことかな。


「ランプ消えてるよ。」


右手を指しながらライが告げてくれる。


「ほんとだ。」


手持ちの銃を見れば、緑のランプが1つ消えて4つになっていた。


よく考えてみると、5発以内で3つの的に当てること自体、普通に難しいのでは。


「最初はチュートリアルみたいなものだから、もっと簡単だと思ってたのに。」


簡単すぎても意味ないだろうけど、最初くらい……。


「ゲームオーバーとかはないんだろ。そのぐらいの難易度の方が、常時注意散漫のお前も集中できるんじゃね?」


「あの。コウさん。ぜったい私のこと嫌ってるよね?!」


さっきまでは気にしないようにと唱えてたけど、あまりにも辛辣すぎでは?

そろそろ私が睨みをきかせても怒られないと思う。


「別に何とも。本当のこと言ってるだけだし。」


「はいはい。火に油を注ぐようなこと言ったら、アンタがいつまで経っても出られないでしょ。」


呆れたようにライが呟いたことで、沈黙が訪れる。


「ま、ずっとここにいるのも退屈だし。」


確かに私は集中力がある方ではないけど、それにしたってもっとこう、言い方があると思う。


「オイラは応援しかできないけど、頑張って。」


「はーい。」


そういえば。2人して私の名前とかお互いのことは呼ばないよな、と。

場違いなことを思いつつ銃を握った。




-それはいつのことだったか。もう随分と前のこと。

母がゲーム好きであったために、私も物心ついた時にはテレビゲームで遊んでいたし、人がゲームをプレイいているところを観ることも普通だった。


最初は名前だけ。母がよくやっていたゲームのキャラに『ライ』という猿らしいキャラクターがいた。

当時の私にとって印象的だったのか、その単語はずっと覚えていて。


きっかけなんてあったかも定かではない。

昔から眠る前や留守番中に空想をして過ごしていたのも原因の一端かもしれない。

どういう訳か、自身の空想で造り上げたキャラクターとは交わらずに、『私』と話す人がいた。


それが『ライ』だった。


(アンタ、今日は何のゲームするの?)


"そうだなあ。あ!パーティゲーム!久しぶりにやりたい!"


(アンタってミニゲーム系のゲーム得意だよね。)


ある時はただただ私のやることを聞くだけだったり。


(勉強しないの?)


"えー、やる気でないもん。"


(1ページでもいいからさ。)


"むう。そんなこと言われても。"


(終わったらパズルゲームするんでしょ?今やっちゃった方がたくさんゲームできるんじゃない?)


"しょうがないなあ。算数ぐらいならすぐ終わるよね。"


ある時は鼓舞してくれたり。


『ライ』という名前はあくまでキャラクター名だったから、当時はまだ、名前と結びつけてはいなかった。


名前を本人から聞いたことはない。

というか、本人が自分に名前はないとか言うし。

強いて言うなら私がつけろ、と。


まあつまり、何でもよかったらしいのだけど……。


きっと彼が『ライ』なのだろうと思った。

そう感じるくらい、呼んだ時にしっくりきたのだから。




-パリンッ


「お、全部割れた!」


考え事をしながらやっていたら、いつの間にか立て続けに的を射て、4発で終わらせたらしい。


「最初にしてはギリギリだったけどな。」


「ギリギリでも当てたからいいの!」


コウは大体素直に喜ばせてくれない。


「1発で決まってよかったねアンタ。あと4回かあ。」


「うん!次も頑張る。」


そうして3人で話しているうちに、早くも次のターゲットが現れていた。




ここまで読んでくださりありがとうございます!

人に見せる物書きはまだまだ初心者なので、緊張してばかりです…。

次回の下書きはあるので、近いうちにあげられればと思います。

……次回長いです。

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