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7話:一転:不良と喧嘩は学園物の華

……前話との落差がひどい事になってます、うーむこの、何というか…… (語彙力皆無) かと言ってギャグ回でも無い、頭おかしな回です、深夜のテンション怖い。

 ……やっちまぁったぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ‼︎


 癇癪起こして出て行くとか俺は子供かッ⁉︎ 一体どの面下げて戻れば良いんだよぉぉぉぉぉ⁉︎




「……ーい‼︎ おーい‼︎ 」




 ……って誰かが、俺を呼んでる……? まさか……氷室さ……




「おぉ、見つけたぞ、悪代官‼︎ 」


 何で君なの? そこで君来る? 普通?


「どうして……ここに? 」


 本当にどうして? 1人になった所襲いに来たの?


「いや、其方が退席したおかげで余ったミルフィーユを食べれたから、その礼に来たのだ」


 …………ふむ、随分と義理堅い事だ。方向性がおかしい気がするが。



 ────────────



 夕暮れの街並みをバックに、公園、ベンチで男女2人、あまりにもお誂えな光景だ。


「それでな、このパイ生地のサクサク感ととろりとしたクリームが合わさってだな……」


「ごめんそのくだり10回は聞いてる」


「そうか、すまんな、それでな、このパイ生地の……」


 このマスターのミルフィーユの話さえ無ければ……の話だが。

 後、リピート再生やめて、聞かなくても次の台詞分かるようになってきたから、洗脳される、頭がミルフィーユになっちゃう‼︎


 しかし俺はこの状況から逃げる術はない、このミルフィーユ少女の機嫌を下手に損ねれば風の刀で真っ二つにされかねない、たすけて。


 俺は哀れにもミルフィーユ星人にキャトられてしまい、この公園に連行されたのだ、今はミルフィーユ星人の洗脳工程だろう。


 おかげでこっちも冷静になって来た。

 はぁ、もっと落ち着いて行動出来てりゃなぁ。


 ……氷室さんにも、メグミ君にも、失礼な事をしてしまった、ミルフィーユを作ってくれたマスターさんにも……




「キャー‼︎ 」




 絹を裂くような声とはまさにこの事か、どこからか女の子の悲鳴が聞こえた。


「むっ、行かねば‼︎ 」


「私も‼︎ ……私も一緒に行きます 」


「よし、悪代官、其方はミルフィーユ仮面二号に昇格だ‼︎ 着いてこい‼︎ 」


 は? 何それ、ミルフィーユ仮面一号って誰なのだよ。


「それは勿論私だ‼︎ 」


 ……この学園こんな人だらけなの……?


「これを使え‼︎ 」


「おふっ……ってこれは……黒い……マフラー? 」


「ふっ……学園の外で異能を暴力に使うのは生徒会の取締対象になるからな、普段は顔を隠すのだ」


 それ生徒会長に言って良いんですかね……? もしかして……この子、馬鹿なんじゃ……


「ふが、ふがふが‼︎ (よし、行くぞ‼︎ )」


 ミルフィーユ星人は白いマフラーを顔に巻いているが……やたら長いポニーテールがモロに出ている、本当に生徒会にバレてないの? 嘘でしょ?


 しかし、行くと言った手前あれなのでしっかり黒いマフラーをギチギチと巻いた、目立つ白い毛は隠せたと思う、白いマフラーの方が隠蔽に適してはいるが、女の子が顔ぐるぐる巻きにした後のマフラーを要求するのはアレなので辞めておく。


「ふがっふが‼︎ (ひとっ飛びだ‼︎ )」


 って何でシャツの襟元掴んでるんですかね、なに風集めてるんですかね?


「ふがが‼︎ (行くぞ‼︎ )」


 ちょ、待っ、あがががががっっ‼︎




 ────────────




「ヒヒッ、嬢ちゃん、良い事しようぜ? 」


「嫌……誰か助けて……」


 おぉう、ステレオタイプな絡みだ……路地の行き止まり、壁に背を預ける女の子1人に、それを取り囲む男2人か……制服は着ていないが、この人工島には生徒から学園の職員しか居ない事を考えれば外出中の生徒なのだろう。

 と言うかさっき飛ぶ時に襟が首を絞めた所為で息が……トラウマが……


「ふががががが‼︎ (そこまでだ‼︎ )」


 ふがふが何言ってるんだろう、このミルフィーユ星人。


「あ、アイツは‼︎ 一年前から島の不良生徒を片っ端から締め上げていると評判の‼︎ 」


 説明ありがとう、よく分かったよ。


「ふがががっ‼︎ ふががーがががむッ‼︎ ががッ‼︎ (私はッ‼︎ ミルフィーユ仮面ッ‼︎ 一号ッ‼︎ )


 それ息苦しくないの? 大丈夫?


「やっぱり、ミルフィーユ仮面一号だ‼︎ 一年経っても二号が出てこないアイツだ‼︎ 」


 えっ今ので分かるの? 名乗りだったの? てか一年間これしてたの?


「って事は、こっちの黒い覆面の奴は……‼︎ 」


「えっと……ミルフィーユ仮面、二号‼︎ 」


「おいマジかよ、ミルフィーユが2人⁈ 」


 ……菓子店の注文みたいだな。


「がががッ‼︎ (成敗‼︎ ) 」


 横薙ぎの風がチンピラ2人を吹き飛ばす、風の異能……シンプルな故に強い、か……風の異能の触媒は、確か空気だったか、地球上であればほぼその効力をフルに活かせるのも利点だろう。


 ミルフィーユ仮面一号がチンピラを締め上げている内に、脇から女の子を助け出しておこう、巻き込む事は無いとは思うが。


「お怪我は……? 」


「だ、大丈夫、です‼︎ その……ありがとうございました‼︎ 」


「さぁ、早く逃げて‼︎ 」


 そう畏らなくても良いのだが……これでミルフィーユ仮面一号が十分に力を振るえる……


「あ、あそこにミルフィーユが‼︎ 」


 幾らなんでも古典的過ぎる……そんなのに引っかかる筈が……


「ふがッ⁈ (何ッ⁈ ) 」


 えぇ……? この子本当に大丈夫?


 ミルフィーユ仮面一号が目線を外した瞬間、チンピラの1人が彼女へ殴りかかる。


「ってか、危ないっ‼︎ 」


 何とか彼女の身体を掴んで回避したのだが、路地の壁面を見るとクレーターの様なヒビが入っていた。


「あれは……鉄……? 」


 よく見るとチンピラの腕の肘から先が鉄になっている、恐らくは異能なのだろう。

 まさかこんな形で対能力者戦を経験する事になるとは……いや、予想外に過ぎる。


 もう1人の異能は……まだ分からないか。


「ふががががががが‼︎ (彼方は任せろ‼︎ )」


 えっ、ミルフィーユ仮面一号どこ行くの? チンピラ1人掴んで飛んでったんだけど、マジ? 1人で戦わなきゃならないの?


「ち、畜生、こうなったら……」


 異能か……? それとも他に何か……


「くたばれぇぇぇぇぇ‼︎ 」


 何故ナイフ⁉︎ 異能を頼れよそこは⁈

 って、今日の内にこれ以上ガム君の身体を傷つける訳にもいかないし……何とか抑えないと。


 チンピラが真っ直ぐ飛び込んで来る、身体を右に逸らしながら相手の勢いを逆手に取った膝蹴りを腹に打ち込む。


「ゴハッ‼︎ 」


 チンピラがナイフを手放し、蹲ったのを見計らい、拘束しようとその身体に触れたのだが、


「……何だお前⁈ 何なんだお前はぁぁぁぁぁ⁈ 」


 と断末魔染みた叫びを上げて気絶した。その台詞はこっちが言いたいよ。


「……どうしよう、これから」


「何をしているのですか‼︎ 」


 ……聞き覚えと言うか、今日の朝からずっと聞いてた声、何でこんな時に‼︎


「学園の制服、マフラーの覆面……まさか、あの黒豚の仲間ですか……? 」


 ねぇバレてるよミルフィーユ仮面一号さん、もうちょっとコスチューム考えた方が良いと思うんだけど。


「学園の市街部で、許可の無い異能による暴力行為は我々生徒会の取締対象となります、大人しく投降しなければ、生徒会の権限により異能を行使し鎮圧します」


「…………」


 喋ったらバレるし……投降したらミルフィーユ仮面二号と名乗る生徒会長とか言う不名誉極まりないイメージを氷室さんに植え付けてしまう……どうすれば……?


「はぁ、投降の意思はない様ですね、生徒会長に連絡をしてから……」


 いや待って‼︎ 今連絡されたらヤバい、即バレる、バレたらたちまち俺は癇癪起こして出て行った挙句ミルフィーユ仮面二号とか言う奇行に走った愚か者だよ畜生‼︎


「しまっ……‼︎ 」


 咄嗟に生徒手帳を握る彼女の右手と左手を掴み、地面に押し倒す。


「んぐっ‼︎ 」


 シー‼︎ お願い静かにして‼︎ 頼むから‼︎


 すると路地に一つの影が射してきた。


 もしかしてミルフィーユ仮面一号⁈ 良かった助かっ……


「ほぉ、お楽しみ中かい? 」


 嘘だろ敵の増援⁈ ……って違う、改造済みの制服に、中々の悪人面、髪は染めてないが、やたらとツンツンしてる……しかし目が死んでいる、でも中々のイケメン、俺が面食いな女の子だったら惚れてるかも……なんて冗談はさておき、今俺は氷室さんの身体の上に跨って拘束してる覆面の男な訳だが……絵に書いた様な不審者だな、どうするよ、この状況? 月◯仮面もどきの到着を待つか、逃げるか、ただし逃げれば氷室さんと、この男の人に追われる可能性がある、オマケに俺は異能の使い方を知らない……あれ? 詰んでね?


 取り敢えず首を振って敵意の無いアピールを……


「いや、遠慮せずにどうぞどうぞ、あっ、もしかしてそう言うプレイ? 」


 ……この人を食った様な態度、下手に関わったら不味い気がするぞ……どうする?


「あら? もしかしてガチの事件現場? やだも〜治安悪くない? 」


 いや勝手に話を進めないで⁉︎ と言うかミルフィーユ仮面一号遅すぎだろう……こうなったら……一か八か……やるか‼︎


 氷室さんの手から抜き取った生徒手帳を彼に放り投げる。

 当然の如く顔に飛んできたそれを彼は受け止めたが、狙い通り。


 僅かに彼が視界を失った内に立ち上がり、路地に並ぶ室外機を蹴り、パイプを伝い、上へ逃げた。


「うぉっ‼︎ ……って、いやアイツ逃げ足はぇえなぁ、猿なのかね? 二重の意味で」


「…………」


「いや〜怖い怖い、そんな目で見ないでくれよ、美人さんが台無しだ……いや、ちゃんと情事に耽る前には助けるつもりだったんだよ‼︎ その手の冷気しまってお願いしますから‼︎ 」


「このッ‼︎ 変態ッ‼︎ 」


「何でぇぇぇぇぇ⁉︎ 」




 路地から悲鳴が聞こえる……何が起こってるんだ……一体……?


「待たせたか? ミルフィーユ仮面二号」


 うぉっ、空から急に降って来ないで……ビビるから。

 と言うかもうマフラー外してるけど大丈夫なのだろうか。


「い、いや、何とか1人、倒したんだけど、氷室さんと遭遇してしまってね……急いで逃げてきた」


「……そうか、すまないな、彼方の不良に時間をかけ過ぎたばかりに……」


「いや、私も……気が楽になった、ありがとう」


「…………? 」


 この子が無茶苦茶な事をしてくれたおかげで考え事も少しは忘れられたから。


「まぁ、礼を言われるのも悪い気はしないな、どうだ? 今後ともミルフィーユ仮面二号として協力してくれないか? 悪代官」


「ま、まぁ、その話は今度に……それより、仕事場抜け出して大丈夫かな? 」


「………………あ」


 彼女の顔が真っ青になり、次の瞬間には暴風と共に消えていた……と言うかマフラー返し忘れたな、いや、洗ってないし、返すのは洗ってからで良いか。


 ……それにしても、もう日が暮れるのか、朝はパニックパニックだった筈なのに、もう1日が終わる、はぁ、明日からは全く知らないクラスメイトとご対面と言う訳だが……いや、考え事は家に帰ってからにするか……ってさっきから生徒手帳がブルブル震えてるんだが、これは……あぁ、氷室さんからメールが一杯来てるな……明日謝らないとな、メグミ君にも、マスターにも。


 あ、買い出ししないと、インスタントかレトルトしかねぇじゃんガム君の部屋。




 ……流星の如く現れたミルフィーユ仮面二号の存在や、買い物袋片手に家へ帰る料理嫌いの生徒会長の姿が目撃され、学園の生徒らの連絡網が若干混乱したのはまた別のお話。

俺君は立ち直りは早い方です、ただ結構脆い、ガム君はその逆をイメージしています、俺君とガム君を足して2で割ったら丁度いいみたいな感じに描きたい(願望)

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