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5話:邂逅…旅に道連れ、世は情け無用

今回あまりに話が進まなくてびっくりした (恐怖)


追記:前話の後書きの内容忘れて4月2日から始める予定を入学式の日の内にした馬鹿が居るらしいっすよ(ブーメラン)

 ……うぅむ、どこだここ? 何か真っ暗な空間に来ちゃったんですけど、あの世? いや流石に足撃たれて死ぬのはちょっと……最悪でも「膝に矢を受けてしまってな」なレベルでしょう?


「お前は……何故ここに居る‼︎ 」


 あー何か幻聴聞こえてきたな、いよいよ本格的にヤバくなって来たか……?


「貴様は……何処から()の中へ入って来たんだ‼︎ 」


 ……私……成る程成る程、つまり君は……そう言う奴だったんだな……じゃなくて、


「ガム君……君がガム君なのかい? 」


「ガム君だと⁈ ふざけた呼び方をするな‼︎ 」


「なら……餓無? 」


「貴様に名前で呼ばれる筋合いは無い‼︎ 」


「あぁ、白山く」

「その名で呼ぶなぁぁぁぁぁぁぁ‼︎ 」


 じゃあ何なの⁉︎ 名前を呼んじゃいけない系の人なの⁈


「じゃあ何て呼べばいいかな? 」


「私が知るか‼︎ 」


 うーむこの反抗期ボーイをどうしたものか……


「まず、ここはどう言った世界なのかな」


「フンッ……ここは、私の精神世界だと考えられる……でなければ私の魂と貴様の魂、共に居れる道理は無い」


 以外と素直だな、氷室さんを冷や豚呼びしてたらしいが……それは氷室さんの常軌を逸した押しの強さに根負けしたからではなかろうか。 いかんキャラが強くて毎度思考が逸れてしまう、これ以上キャラの濃い連中と知り合いになれば俺の脳は完全に過負荷状態に陥るだろう。


「……精神世界って事は……君はまだ、生きているって事かな? 」


「あぁ……」


 それならば、俺にとってはこれ以上ない朗報だ、銃撃された事を詫びて身体を返すついでに少しばかりお話しでもしよう。


「そうか、なら()()()()


「ッ……良かっただと⁉︎ 貴様の所為でまだ私は()()()()()と言うのに‼︎ 」


 ……ちょっと何言ってるか分かりませんね。

 ……顔が怒りで真っ赤、髪が真っ白、めでたい色合いだが、そんな事は置いておいて。


「生きている事が……君にとって不都合なのかい? 」


「ただ()()として育てられ‼︎ 挙句、捨てられた()()の感情が貴様に分かるか⁈ 」


「いや、分かりませんけど」


「貴様ァァァァァァ‼︎ 」


 地雷踏んじまった、不味いな話し合いどころじゃないぞこれは、いや軽い気持ちで分かるって言っても軽薄過ぎるしなぁ。


「私は‼︎ 必要とされなくなった……寧ろ疎まれる様になった‼︎ それでも‼︎ それでも私は‼︎ 誰かに必要と……」


 さっきまでの爆音がどんどん遠のいていく、真っ暗な精神世界が更に黒く染め上げられる、面会終了のお時間か……次はもっと会話したいものだが……意識が薄れていくこの浮遊感……



「……必…とされ……モノ……場所…無い……」



 ………………また会いに行くぞ白山 餓無、君の闇を解消しなきゃこの身体のクーリングオフは不可みたいだし、理由は分からんが……折角拾った命を蔑ろにするのは俺にとってちょっと、ほんっっっっっのちょっっっっっと……癪に触るし。


 身体が上へ上へと引き上げられる、ポツンと残った白髪の彼の姿が暗闇の中、やたらと目立っていた。




 ────────────




「……会長‼︎ …………会長‼︎ 」


 あら見知らぬ天井、聞き覚えのある声、ここは現実……


「「「「「あ、起きた‼︎ 」」」」」


 足の無い、半透明の少年少女達……


 ……ゆ、ゆうれれれれれ、幽霊⁈ あばばばばばばっぱばば⁉︎


「ここは……あの世……だった……か……」


「か、会長⁈ 会長⁉︎ 」


「ほう、お前さんにも見えるのか……」


 視界の端に白衣のおじさんが見えたけど……天使かな、ハハハ。


 意識を取り戻した俺は瞬時に意識を手放した……




 ────────────




 暫くベッドでのたうち回っていた会長は少しすると再びスヤスヤと寝息を立て始めた……


「まさか、会長がここまで取り乱すなんて……前に来た時は私の方が取り乱していたのに……」


「……怪我をした事で死に近づいた、それによって()()()()が見えちまったってとこかねぇ、話に聞くのと実際に見るのじゃ訳が違う、嬢ちゃんは、この子達を()()()訳じゃあねぇんだろう? 」


 そう、かく言う私も初めて保健室に来た時、部屋中を浮遊する物品を見たのだが、それが霊の仕業と聞いた時、情けなく悲鳴を上げてしまったのだ、会長は平気そうだったのだが、アレは痩せ我慢だったのだろう、会長の知らない面を知れて良かった気もして来た、ありがとう幽霊。出来る事なら会長をもっと怖気させて欲しい。


 ──MはSでもあった。


「ッ全く、銃持った相手に異能無しで突っ込むなんて馬鹿な事を……」


 会長から摘出した弾丸をマジマジと眺める姿、その顔に刻まれた傷跡も合わせればヤの付く職業の方にも見えますが、この方は立派な養護教諭、この学園の保健室の先生である。


 名は霊河(よしかわ) 魂里(たまり)、強面だが名前は可愛いと評判の先生だ。

 異能は霊との会話が出来る「霊感」一般人でも僅かながらにその素養を持つ物だが、これはその遥か上位である、男の養護教諭と言う事で、時に難しい立ち回りが必要になった時、霊に協力してもらっているらしい、平時は遊んでばかりと聞くが。それよりも……


「会長の異能であれば、無傷で鎮圧も可能な筈でしたが……何故会長はあの様な事を……」


「ま、その訳はおいおい聞くとして……」


 何故なのか、考えれば考えるほど理解出来なくなる、会長の眼が何を見ているのか、何故異能を一切使わなかったのか…………会長の異能「万能」を何故……? あれがあるからこそ会長はこの学園の反乱軍らの暴発を防ぐ抑止として機能している、それが使えないなどと吹聴されれば……


「会長……貴方は何を隠しているのですか……? 」


 一年前からかかっていた霧は、未だ晴れない。




 ────────────




「おぉ、また会ったな、ガム君」


「ふざけるなよ? オイ貴様ふざけるなよ⁈ 後その名で呼ぶなァッ‼︎ 」


 まさかの俺がリアル世界からメンタル世界にクーリングオフだ、会いたかったよガム君‼︎ (30秒ぶりの再会)


「今度は俺が話す番だな、返答は聞かん」


「貴様‼︎ 話を聞けこのKY男‼︎ 」


 K(空気)Y(読めない)っていつの言葉だよ……このご時世にその言葉遣いとは……さてはガラケー使いだなテメー。


「君の異能って……なんなんだ? 」


「……私の異能を何故貴様に教えねばならん」


「いや流石にさ、氷室さんに俺の異能なんだっけって聞くのもアレだし……」


「……知るものか、何故貴様の生存確率を上げねばならん? 貴様が下手を打って私の身体が死ねば、中身の私と言う魂も死ぬ、死を望む私にとっては都合が良い事だが? 」


 チッ…… (小声) 流石に進学してるだけあるな…… (謎の基準) 異能の使い方を聞いても同じ事だろう……だが……


「いや、氷室さんに聞けば答えてくれるでしょう? 」


「確かに、あの冷や豚は言うだろうな、他ならぬ会長の貴様にならば」


 冷や豚‼︎ 生冷や豚だよ、初めて聞けた‼︎ ただまぁ、文字にすると腹壊しそうだな……


「だが、無意味なのだよ、そんな事は」


 ……無意味、つまりは意味が無い、氷室さんの出すであろう情報には……だが、本当にそうだろうか?

 ……あり得る可能性は、「本当の異能と違う異能を教えている」可能性……その理由は、生徒会長になる為には毎年9月の湊谷学園体育祭でトップチームになる必要がある。

 集団戦とかトーナメントとか言っていたから恐らく異能を使用した対人戦ではないだろうか。

 そんな中、誰かが1人、異能を一切使わずにトップチームになれるのだろうか……? いや、恐らくは会長も異能を使用した筈だ、氷室さんは会長の勇姿を見たと言っていたから……だとすれば。


「氷室さんには異能の『正体』を勘違いさせてる……つまり、使用した力については嘘はない……と言う事ですか? 」


 例えは……『爆発』を操る異能を『炎』を操る異能に勘違いさせると言った風にだ。どちらも熱くて炎が出る事に違いは無いのだから勘違いのしようもある。


「……貴様、思ったよりも頭が回る様だな、だが分かった所で貴様はどうする事も出来ん、同学年の奴等は既に異能を行使出来る。貴様はまだ今日ここに来たばかりの新入生以下、じきに異能もまともに使えぬ自身の無力さに打ちひしがれ、絶望するだけだ」


「いや……そこまで分かれば、後はどうにかなりますよ」


「…………」


「俺は死ぬまで、どうにかするだけですから」


 過労死ラインを反復横跳びとどっこいどっこい位までならどうにかなる。


「……貴様は、どうしてそうも前を向ける? 」


「死んでも分かりませんよ、きっと」


 俺自身、前に向けてるかなんて分からないし。


「……そうか」


 いつの間にか、目の前のガム君は随分落ち着きを取り戻していた、やったぜ、喧嘩別れは嫌だからね、(沈静を喜ぶのも) 仕方ないね。


 さて、二度目ともなれば、兆候くらい分かってくる、あたりが暗くなり始めた、この後はUFOなキャッチャーで摘まれた景品の気分を味わえる。


「じゃあ、俺はこれで」


「貴様……既に慣れ始めていないか……⁈ 」


 視界がぐんぐん上がって行く……下を見ればガム君はゴマ粒サイズだ。


「また来るからなぁぁぁぁぁ‼︎ 」

「二度と来るなぁぁぁぁぁぁぁ‼︎ 」


 熱烈なラブコールを貰ってしまった、これはまた行くしかないだろう、嫌よ嫌よもなんとやらだ。


 ってオイ⁉︎ 目覚めたらまたあの幽霊に会っちまうじゃねぇか‼︎ あぁぁぁもうヤダァぁぁぁぁぁぁ‼︎




 ────────────




「お、目覚めたか」


 おぉ、見知った天井、聞いた事あるような、ないような声。


「ゆ、幽霊は⁈ 」


「クハハッ‼︎ いねぇよ、なんだ、お前さんは、幽霊が怖いのか? 」

「そうです‼︎ 」


「早いなオイ、男子としてのプライドはねぇのかい? いや、素直なのは嫌いじゃねぇぜ? 」


 辺りを見回せば先程見た幽霊の姿は影も形も……いやあちこちから頭とか手とか出てるんだけど……隠密能力低すぎへん……? まぁ全体像が見えないだけでも……いや無理だわ、視線他の所に向けるのやめよう……って、あの袋……と言うか氷室さんどこ?


「その中の物は……」


「あぁ、弾丸だ、お前さんの身体に入ってた、な」


「それじゃあ、貴方が私を……」


「あぁ、礼はここまで運んできた嬢ちゃんに言いな、俺は仕事したまでだ」


「その……嬢ちゃんはどこに? 」


「会長の約束を果たしに行くと席を外したぞ」


 すると胸元から振動、スマホな生徒手帳にはメッセージ機能もあった様だ。


『会長は負傷した身です、なので、私が先の男子との約束を果たします』


 なるほどなるほど、信じて送り出した副会長が魅了の異能にあてられて……おっと毒電波が飛んできたな、と言うか魅了された氷室さんの言動を見るに貞操の危機に陥るのはあの男の娘の方だ。


 撃たれた足は……動く、流石異能バトル世界の住人、回復力もおかしいのだろうか、それならさっさと合流するか……あの男の娘の貞操の為に。


『氷室さん、怪我はもう大丈夫、場所さえ教えてくれたら合流する』


 メッセージを送ったら10秒も立たずに返信が来た、もはや何も言うまい。


『分かりました、会長、場所は学園から出て左にまっすぐ、人工島の外周を巡るモノレールの路線の下にあるカフェ、喫茶珈琲太郎です』


(ちょっとセンスが) ズレてるかな……


 だが、場所は分かった、よし行こう、置いてあるブレザーを手に保健室の扉に手をかける。


「ありがとうございました……えっと、お名前は? 」


霊河(よしかわ) 魂里(たまり)だ、よっしー先生とでも、たまちゃん先生とでも自由に呼んでくれ」


「私は……」


「知ってるよ、生徒会長の名前位はな」


「……よっしー先生、行ってきます‼︎ 」


「おう、行ってきな」


 扉を開け、全力疾走、廊下は走るなと教わって来たが、俺は生徒会長、いざと言う時は俺がルールなのだ。


「「「「「お兄ちゃん‼︎ ばいばーい‼︎ 」」」」」


 何か背中に物凄い悪寒を感じたが振り向いてはいけない気がする……走り抜けろ‼︎ ただし手は振っておく。


「妙に律儀なこった、あの、生徒会長がねぇ……男ってのは見ない内に成長する生き物なのかね? まぁ俺も男だが」


「「「「「たまちゃんはおとこじゃなくておじさん‼︎」」」」」


「クハハッ‼︎ 今のは効いたぞ……このガキンチョ共めッ‼︎ 」


「「「「「きゃーたすけてー (棒読み) 」」」」」




 時は既に放課後、俺の学園生活はここから始まった。

所々に汚いネタが……普通のネタで構成しようとすると何故かいつの間にか入ってしまう…… (無能)

男の保健室の先生知ってる人ほぼ居ない説。と言うか居ない (確信)

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