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こうして少女は最強となった  作者: 松本鈴歌
第四章 護衛依頼
52/210

41 15日目

 困惑する兵士を帰し、時期に運ばれてきた料理を食べて4人は部屋に戻るとそのまま就寝した。


 翌朝、門でアレキスたちと合流すると、そのまま旅立った。


「おそらく今日も野営することになると思います」


 だから料理は頼むと、アレキスは言外に告げた。


「わかりました」



 進むこと約一時間、一行は昨日とは打って変わって見通しの良い草原の中にいた。


「これだけ見通しが良いと、奇襲の心配をしなくて済むから楽で良いな」

「確かにその通りですが、このヘザー平原には聞いた話ですと、スピードに特化した魔物が出るそうです」

「油断はできないってことか」


 アルフォードの呟きを聞いたアレキスが、4人にこの草原の情報を教えてくれた。


 途中でお昼休憩を取ることとなり、半分無理矢理マリアが料理をすることとなった。マリアは時間もあまり余裕がないと予想をつけ、比較的簡単に作れるホットサンドに決めた。

 パンをスライスし、同じく薄くスライスした野菜とチーズを間に挟んで、軽く両面を焼けば完成だ。


「できたよ~」


 昼食を食べながら、今後の予定を話し合うこととなった。


「今のところ予定よりもかなり速く進めています。この分ですと、10日後には目的地のエイセルの街に到着できそうです。これも皆さんのお陰です」


 アレキスは深々と頭を下げた。


「お礼を言われるようなことではありませんよ」

「そうですよ。僕たちは依頼を受けただけですから」


 4人は慌てていたが、それは頭を下げられたからではなかった。


(そういえば、依頼表の目的地見てなかったかも)

(期間と報酬しか見てなかったわ)

(⋯⋯目的地を今知るなんて)

(うっかりしていたな。うん? エイセル? どこか聞き覚えが⋯⋯)


 つまるところ、4人とも目的地を知らなかったのだった。


「それよりも、時間ももったいないし、予定の方に話を移しましょう」

「そうですね。今後の予定ですが、今日中に次の街には辿り着けないでしょうし、この平原で1泊します。明日の昼過ぎには鉱山の街、ホランドに着くと思います。余裕もあるのでそこで1泊ですね。明後日には第四王子の直轄領に入れると思います」


 第四王子の直轄領と言われた瞬間、一瞬だがアルフォードの顔色が変わった。そのことに気づいたのは一人を除いていなかった。


「直轄領に入った後は少し進む速度を落として、1日1つずつ街を進んでいきたいと思っています」

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