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こうして少女は最強となった  作者: 松本鈴歌
第三章 魔術の授業
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幕間8 カーラの日記

皐月第一週月の日


 明日からいよいよ1年生の実技がスタートだ。今から胸がドキドキしている。



皐月第一週火の日


 今年私の担当になったクラスは、去年までの1年生のクラスと比べて和気藹々としていていた。クラス分けを本当は入学直後のテストで決めるのだが、色々あって実施できなかったことと、平民のマリアに配慮したため、家柄で分けたらしい。

 授業はマリアがすでに全属性の基礎魔術いが使えた以外は概ね例年通りだった。あえて違いを言うのならば、話をきちんと聞いてくれるため、若干説明に掛かる時間が短くなったことと、生徒同士のいざこざが無かったことだろうか。



皐月第二週水の日


今日学園長に呼ばれ学園長室に行くと、私の他にパトリオットがいた。学園長によると今日は大事な話があり、人を集めたとのことだ。すぐにアベルとオーレリーも来た。これで全員かと思いきや、まだ一人来ていない者がいると学園長は言った。

それが誰かはすぐにわかった。マリアが入って来たからだ。

 学園長が語った内容は驚くべきことばかりだった。決闘騒ぎの理由。そして決闘の前にマリアと学園長が授業内容を好きに変えて良いと約束していたこと。そしてその内容。

勿論マリアがあのフェリシーという生徒と決闘騒ぎになったことは知っていた。だが、内容がとても10歳の子供が考えたものとは思えなかった。

どこから見ても完璧な計画だった。上級貴族への対策も考えていたようで、少し話を詰めれば来週から可能だということがわかった。

 マリアは大まかな話が終わると帰ってしまったが、私たちは話し合いを続けた。



皐月第三週火の日


 今日からいよいよあの計画がスタートだ。学園長は先週中にギルドの方に話を通しておいたと言っていた。

 素直に聞いてくれるかドキドキしたが、きちんと説明すれば皆わかってくれた。

 その時マリアがアルフォードたちと話している姿を見た。なるほど、おそらくあれにはアルフォードが一枚噛んでいるのだろう。

 ギルドまで引率し、登録とランクアップ試験を受けさせた後はクラスを二班に分け、討伐系の依頼を受けるように言った。多少揉めたようだが、どちらの班も無事に依頼を受け、出て行った。

 私はギルド長に後で何かあったらすぐに連絡をお願いし、学園に帰った。

 うちのクラスの子たちは本当にいい子たちばかりだと思う。私が戻ってから2時間、お昼を回った頃にオーレリーが疲れた顔で戻って来た時に改めてそう思った。

 オーレリーの担当クラスは上級貴族の子弟ばかりが揃っている。文句を言ったり、問題行動を起こしたのだろう。



皐月第三週水の日


 甘かった。昨日の自分を殴りたい。

 あの後依頼を達成したマリアの班が受け取ったお金がとんでもない金額だったらしい。高ランク冒険者ならまだしも新人が出せる金額ではないとか。すぐにそれを見た中堅どころの冒険者に絡まれたらしい。お金を出せと言われたそうだが、それは断ったそうだ。私もそれは当然の対応だと思う。その際に身分を持ち出すようなことはしなかったらしい。そうしたら今度は殴りかかられたらしい。それをマリアがあっさり一人を蹴り飛ばし、他の者は逃げて行ったとか。

 実はこの手の事件はよくあることで、今回絡んで来た冒険者たちはその常習犯だったらしく、謝られてしまった。後で伝えておこうと思う。

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