3ヶ月後のチャレンジバトル
午前8時45分:朝礼開始(所属部隊発表)
午前8時55分:川原修斗による呼び出し
午前9時00分:清水葵との対面
~~~~~~~~~移動~~~~~~~~~
午前9時10分:20分間走開始
午前9時20分:20分間走終了
午前9時23分:清水葵の考察&柳川翔の睡眠
午前9時40分:柳川翔の精神世界突入
午前10時20分:柳川翔が目を覚ます
午前10時30分:柳川翔の寮への移動
午前10時35分:柳川翔の寮に到着←今ここ
「清水さん、ここが俺の部屋です」
と言ってドアを開ける。
「そっか、じゃ、おじゃましまーす」
すると、軽快なステップで俺の部屋に入るなりこう言った。
「意外と片付いてるんだねー、偉い偉い」
と微笑みながら言った。
「ただ物がないだけですよ」
「確かに見たところ家具は、テーブルとベッド以外はテレビとクローゼットだけだもんね」
「別に必要無いですからね」
俺は昔からゲームをやることがなく、外で遊んでいるタイプだったので、室内で遊ぶものは置いていない。
「じゃあ、早速やりましょうか」
そう言うと僕に教科書を出すことを催促し、数学から始めた。
2時間後
少し勉強していると、清水さんがなにやら険しい顔をしていた。
「中学の時の数学の点数……わかる?」
「はい、わかりますよ。えっと、確か...…25点くらいですかね」
「だからこの出来なのね……」
確かに、ここ2時間清水さんの言っている意味が全くわからなかった。
「は、はい。すいません……」
「とりあえず昼食にしましょう」
「けど、この時間じゃここの食堂やってませんよ?」
「じゃあ今日は外で食べよっか。お金は私が出すし」
「お、お金もですか!?どうしてそこまでしてくれるんですか?」
「戦場行きほぼ確定の教え子なんて、年が離れた部下と大差ないわ。そんなに罪悪感があるならお金を稼ぐようになったらお礼に何かして貰おうかな?貸1ってことでいいでしょ?」
「そ、そういうことなら……」
「じゃ、決まりね。早速行きましょう」
「はい」
会話が終わると、早速清水さんの車に乗って出発した。
「そういえば、どこに行くんですか?」
「私行きつけの定食屋さんがあるんだけど、そこでいいかしら?」
「そうなんですか。分かりました、全然大丈夫です。ところで、さっきお金を稼ぐようになったらって言いましたけど、戦場へ行くようになったら何処でお金を稼ぐんですか?」
「私達隠密機動は特殊部隊と言って、政府の指示の元に動いているの。ただ、特殊部隊と言うだけあってとても危険な任務もやらされることもあるの。だから、上の人が任務の難易度で報酬金を決めてその任務をこなせたらそれを貰えるって訳よ」
「そうなんですか。その任務、俺に出来ますかね?」
「だからこなせるように特訓しているんじゃない」
「そうですね」
と言い、俺は笑った。
でも、正直自信はあまりない。
「あ、着いたわよ」
清水さんはそう言うと、駐車場に車を止めて、2人で定食屋に入った。
1時間後
「「ごちそうさまでした」」
「さて、食事も済んだことだし戻りましょうか」
「はい、ありがとうございました」
「いえいえ、どういたしまして」
清水さんは笑いながらそう言うと車に乗った。俺もそれに続いた。
それから俺は自分の部屋に戻り、清水さんに夜までみっちりと勉強を教えてもらった。
「今日はありがとうございました」
「どういたしまして。あ、そうそう、これから朝は8時45分までに体育館に来てね」
「分かりました」
「じゃあ、また明日」
「はい、さよなら」
軽い挨拶を交わすと清水さんは帰っていった。
俺はその後すぐにベッドに横になった。
「とても危険な任務、か……」
俺はずっとそのことについて考えていた。
清水さんはあんなに明るい顔で言ってるけど本当に大丈夫なのだろうか?と言う不安でいっぱいだった。
そんなことを考えていると、いつの間にか眠っていた。
「ん……」
時計を見ると深夜の3時だった。
「あぁ、あのまま寝ちゃったのか……」
すると突然腹の虫が鳴った。
「そういや、飯食ってなかったな」
そう言うと、カップ麺を棚から取り出して作った。
「今ここにあるものって言ったら、これくらいしかないな……」
と思い、麺を啜った。
あまり気分が上がらないな、なんて事も思ったが、今すぐではないにしろ死ぬかもしれないという事を知ったから当然かな、と割り切った。
食べ終わってゴミを捨てると
「ストレス発散も兼ねて外を走るか。ていうか、外に出るつもりなら最初からコンビニでなんか買えばよかったな……」
と言うと、ジャージに着替えて外に出た。
少し肌寒いが走り始めると気にしなくなるだろうと思い、早速走り始めた。
町を1周しかけたところで自分の体力があまり減っていないのにに気づいた。
「あの悪魔め、こっちは悩んでるってのにこの状況を面白がって俺の体力を増やしてやがるな」
時間を見るともう5時30になっていた。
「おっと、もうこんな時間か学校の用意しないとな」
そして俺は家に戻り学校の支度をした。
それでもまだ少し時間が残っているので朝食をとることにした。
朝食を食べ終わると、8時だったので家を出て、体育館に向かうことにした。
体育館に着くと中では清水さんが走っていた。こっちに気がつくと過ごし驚いたような顔をしたが肩にかけてあるタオルで汗を軽く拭き、目の前に来た。
「今日は早いんだね」
「はい、少し早く目が覚めたので。ところでなんで走ってたんですか?」
「私だってまだ現役の隠密機動隊だから暇な時には鍛えておかないと、突然招集がかかって任務が課せられた時に対応出来ないと大変だしね」
「そうなんですか……」
俺は……今まで何を悩んでいたんだ、清水さんだって一生懸命鍛えているから今生きているのに、俺は死ぬかもしれないって話を聞いただけで1人で悩んでバカみたいだな……。
だから
「一緒に走ってもいいですか?」
清水さんはまた、驚いた顔をしたが
「じゃあ、一緒に走ろうか」
と言ってくれた。
それからは俺は色んなものが吹っ切れた気分で45分まで走っていた。
すると、チャイムが鳴った。
「……ふぅ。お疲れ様、柳川君」
「お疲れ様です」
「そこで少し待っててね」
「はい」
何をするのかと思い清水さんの行った方向を見ながら少し待っていると、すぐに戻って来た。
「柳川君に言わないといけないことが1つあるんだけど、いいかな?」
「はい、なんですか?」
「えっとね……ここ、隠密機動隊に入った場合、3ヶ月後にチャレンジバトルって言うのを受けさせられるの」
「チャレンジバトル、ですか?」
「そう、相手はランダムで決められるんだけど、その決められた相手と模擬戦闘みたいな事をするの」
お、ちょうどやる気が出てきたから、これはいいタイミングだ。
「だから今回からはそれを意識して、特訓していこうと思うんだけど、いいよね?」
「もちろんです!」
「そう、それは良かった」
「でも、どういった形でやるんですか?」
「政府が開発したVRフルダイブ装置を使うのよ」
「そんなのがあるんですか!?」
「半分チャレンジバトルのためだけに作られたところがあるからね」
「そ、そうなんですか」
政府もすごいことするなぁ。
「じゃあ早速やっていきましょうか」
「はい」
「まずは、相手の攻撃を見極めて避けることができるようにならないとだめよ。だから、今から1時間延々と私の攻撃を避けてもらうわ」
「分かりました、避ければいいんですね」
すると、不敵な笑みをこぼして
「油断しないことね」
と言って、スタートの笛を鳴らした。
こんにちは、夕凪です。
今回柳川君がめっちゃ悩んでましたね。
次回はわかると思いますが、清水さんが柳川君を特訓させます。
2~4話のうちにはチャレンジバトルの話がかけると思います。
次回も閲覧よろしくお願いします。