入学初日
これから起こる最も危険で、常に死と隣り合わせの戦場に駆り出されることを、彼はまだ知らない……
今の日本は高校とは別に「特別防衛学校」というものがある。中学卒業後、事前に行った調査で素質のあるものが行くことになっている。そして俺は、今日からその「特別防衛学校」に通うことになっている。
俺は柳川翔、「特別防衛学校」通称SDSの1年だ。
「ん……もう朝か……」
時計を見ると8時40分になっていた
あれ……?
「遅刻だー!!」
俺は寮に住んでいるため、遅刻しそうでも起こしてくれる人なんているはずがない。
残り五分
幸いこの寮から学校までは結構近いため、5分でも着くといえば着くが、もし初日に遅刻でもすれば何をされるかわからない。
俺は走るとにかく走る、今までで一番早いんじゃないかってくらい走る。そして、自分の前に要塞のような馬鹿でかい建物が見える。これが俺の学校だ。
「はぁ…はぁ…」
やっと着いた。
前もってクラス分けのプリントをもらっていたので、自分の教室を間違えることは無い。
「間に……あった……!!」
時計は8時44分を指す。
教室を見渡してみると、生徒同士が雑談をしていたりする姿が多く見え、内装も今までとなんら変わらない。
すると、
「何やってんのよあんた」
と言いながら俺に近づいてきた。
こいつは百瀬奈々、俺の幼なじみで、髪型はポニーテール、身長が中の上くらいで、きりっとした顔立ちをしている
「寝坊だよ、寝坊」
奈々が俺のことをじっと見てくる。
「へぇ、何時に起きたの?」
「8時40分」
「もう呆れを通り越して尊敬するわよく遅刻しなかったわね」
「遅刻したら冗談じゃ済まないんでね」
そこでチャイムがなった。
「SHRを始める席につけ」
スラッとした体型で、ヒゲを少しはやした男性が、教室に入ってくる。
「はじめに自己紹介だ。俺は川原修斗、このクラスの担任を受け持つことになっている。教科は体育だ、覚悟しとけよ」
その発言を聞いた途端、クラス一同が不安の表情を浮かべる。
「次に今日の予定だ、お前らは今日が入学初日だから体育館で入学式がある。今から俺が言う順番に廊下で並べ」
名前が呼ばれていく。
「俺はここか…」
「よっ!お前は俺の後ろだな」
こいつは古賀大輝、俺の小学生の頃からの親友だ。
容姿は他の高校生となんら代わりのない普通のやつだ。
「並べたか、なら俺について来い」
ゾロゾロと長蛇の列が移動していく。
そして体育館に着いた。
すると、クラスの生徒全員が口をそろえて言った。
「で、でけー」
外観は、そうだな東京ドームくらいあると言っても過言ではない
「この体育館は4層に分かれている。1層目はお前らが今から行く普通の体育館だ。2層目は格闘訓練所、3層目は射撃訓練所、4層目は隠密機動隊専用特殊訓練所だ」
「まぁ詳しい話は後でする、取り敢えず入れ」
体育館に入ったその5分後くらいに、入学式が始まった。
特にこれといった話を受けるわけでもなく、入学式が終わって教室に戻ってきた。
「入学式が終わったところで、お前らに練習用の装備を支給する」
中身の入ったダンボールが配られる。
「その中にはコルト・ガバメントのエアガンとゴム製のファイティング・ナイフが入っている。防具は所属部隊によって違うから今は渡さない。明日の午後に早速訓練が入るから適当な場所に入れ替えて持って来い」
「へぇ、こんなものが支給されるのか」
サバゲーをやっていたので、銃のことはそこそこわかる。ちなみに俺はリボルバーが好きだ。
「それで所属部隊の件だが、明日のSHRで追って連絡する。今日はこれで解散だお疲れ様」
川原先生が号令をかけて礼をした後、俺は友人と一緒に帰路に就いた。
はじめまして、夕凪と申します。まず、読んで下さりありがとうございます。
今回、初めて小説を書きました。きっかけはYouTubeの茶番劇を見て自分もこんなのが作りたいなぁって思ったことです。でも、僕のパソコンで動画を作って保存し続けるのは難しいので、じゃあどうするって考えた時に思いついたのが小説です。まだまだ初心者で読みにくい点などがあるかもしれませんが、今回読んでくれた方は、今後ともよろしくお願いします。