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一応、最終話になります。
よろしくお願いします。
「確かに来いって言ったけど、早くね?」
別れたはずの姉貴とハルは、夕方には再びやって来た。
「ダァ〜ッテ、ハルが目が覚めたら泣き通しなんだもの」
「ゆ〜!」
肩をすくめる姉貴の腕の中からハルが身を乗り出すようにして手を伸ばしてくる。
その体を抱きとってやれば、ベソをかいたままぎゅーっとしがみついてきた。
「なんかちょっとジェラシー感じちゃうわ。ハル〜、そんなにユキが好きなの?」
「しゅき〜」
涙目のままにこりと笑うハルが可愛い。可愛すぎてヤバい。
皆さん、ここに天使がいますよ〜。
「てわけで、夕飯もこっちで食べてく〜。残り物で良いからさ」
あまりの可愛さに固まる俺の横をすり抜けて、姉ちゃんが家の中に入っていく。
「ちょっ、高城さんは?」
我に返って慌てて姉貴の後を追いかけると、キッと睨まれた。
なんでだ。
「急な仕事が入って出かけた。ので、コッチに泊まります。ハルもユキ君が良いそうなので、一石二鳥です」
「はいどうぞごゆっくり」
姉貴の目が据わってて怖い。
そういえば、たまに怒らせると死ぬほど怖かったっけ。
久しぶりに思い出して、速やかに退却する。
触らぬ神に祟りなし、だ。
夫婦間のイザコザは夫婦間でどうにかして貰おう。
ハルと、和室の方に逃げ込みながらクスクスと笑いがこみあげて来る。
惚れっぽい上にダメんず好きで、トラブルメーカーだった姉貴が愛に生きると家出してから3年。
我が家は平和だったけど、なんだか寂しく物足りなかった。
それが、戻ってきた途端この騒ぎだ。
色々あったし、これからも色々あるだろう。
旦那の高城さんも一癖ありそうだし、ハルの力の事を思えば、騒ぎが起こらないはずがないし。
だけど、結局俺はその日々を愛おしく思うんだろうな。
大成に知られたら、呆れられるだろう、けど、きっと笑って一緒に楽しんでくれる気もする。
腕の中で笑うハルを高く掲げ上げ、俺も大声で笑った。
そんな俺の幸せな日常。
読んでくださり、ありがとうございました。
本編はこれにて終了です。
番外編で別視点やその後をチョコチョコあげる予定です。どこかで見かけて気が向いたらまた、読んでください。、
拙いお話にお付き合いくださり、ありがとうございました。




