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短かったので、というか赤ちゃん出てこなかったのでもう一話投稿です。

だいたいこの位の文字数で行く予定です。

3年前に家出した姉貴が赤ん坊連れて帰宅→→旦那の単身赴任先に着いてく為赤ん坊置き去り→→母親世話を俺に丸投げ←←イマココ


うん、意味わからん。

てか、わかりたくねぇ。


母親にとどめを刺され崩れ落ちた俺の耳に、何かが落ちる音とともに「あぅ」という小さな声が聞こえてきた。


「あら?やっぱり落ちちゃったか」

母親ののんきな声。

………落ちた?何が?


原因に思い至り、俺は慌ててリビングのソファーに駆け寄った。

後ろから「クッション敷いてたから大丈夫よ〜」って声が追いかけてくる。


はたして俺が見たものは、ソファーの足元に積まれたクッションの上に仰向けで横たわる赤ん坊の姿だった。


てか、こんな面倒な安全策取ってるくらいなら最初から床に寝かせとくべきじゃ無いのか?


余計な心配をしてなんとなくグッタリした気分のまま赤ん坊の顔を覗き込むと、ポッカリと両目が開いていた。


「あ、……綺麗だな」


琥珀色の瞳に同じ色の髪。肌は日本人にしては白く、明らかに他の国の血が混ざっている赤ちゃんだった。


赤ちゃんにしては少々目つきが悪いものの、文句無しにかわいい。

しかし、微動だにしない。


「お〜い、大丈夫かぁ?」

クッションの上とはいえ、当たりどころでも悪かったのかとちょっと焦りつつ、ひらひらと目の前で手を振ってみる。


赤ちゃんはくるんっと華麗に寝返りを決めると、よっこいしょとお座りの姿勢になった。

ちなみに、この間無言である。


思わずこちらも無言で見つめあってしまう。

……この状況って、普通泣かないか?

赤ちゃんあんまり身近に居なかったからよく分かんないけど、泣くよな?普通。


目が覚めたら見知らぬ場所で、初対面の人間がすぐ側にいる状況で、微動だにせず、見つめ返す赤ちゃん……って、なんか変じゃないか?


「何、2人して固まってるの?仲良しねぇ」

後を追いかけてきたらしい母親がヒョイっと後ろから赤ちゃんを抱き上げながら笑った。


赤ちゃんはそれでも一言も発せず、ジッと俺を見つめたままだった。


「ハル君です。今日からお世話になります」

腹話術よろしく、母親に後ろから手をパタパタ動かされたり、お辞儀をさせられたり……。も、嫌がるでもなく、でも、笑うでもなく。強いて言うなら真顔。


「大人しいなぁ。置いてかれてるの、分かってない?こんくらいの子って、母親と離されたら泣くもんかと思ってた」

「普段から、あんまり泣かないみたいよ?楽で良いわよね〜」


初心者向けよ〜なんて言いながら手渡されて、反射的に受け取る。

初めて抱いた赤ちゃんは、ふにゃりと柔らかく、意外にずっしりと手に馴染んだ。


至近距離で見つめ合う。


「……今日からしばらくよろしくな」

なんとなく、そう言ってみる、と。


ニヤリ。と赤ちゃんが笑った。

わずかに目を細め口角があがる。

うん。まさしくニヤリって感じ……。


「かぁさん。笑顔が可愛くないんだけど」

思わず、カウンターごしに報告すると、ケタケタ笑われた。

「もう、わらってもらえたの?気に入られたんじゃない?」

「いや、笑った?のか?……なんか企んでるようにしか見えないんだけど」


再び顔をやると、赤ちゃんは真顔に戻ってた。ので、なんとなく笑いかけてみると。


ニヤリ。


笑顔?が返ってきた。

どうやら、本当にコレは笑ってるらしい。

オムツのCMの無邪気な笑顔の赤ちゃん像がガラガラと崩れていく。



どうもうちの赤ちゃんは、すこし変わってるみたい?です。

ニヤリ笑いの赤ちゃんっていますよね。作者は初めて見たとき笑っちゃいました。

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