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ついに1日飛んでしまいました。残念。
遅くなりました。新キャラも登場です。
今日も元気に父母が労働に出かけた後、昼前に大成はやってきた。
「チィ〜っす、持ってきたぞ〜」
インターフォンからの第一声になんとなく毒気を抜かれつつ出ると、相変わらずの大成と……
「あれ?優成さん?」
4歳上の大成の兄ちゃんがいてビックリする。無言で頭を下げられ、慌ててコッチも頭を下げる。
昔から体が大きく基本無口で無表情。だけど5人兄弟の長男の為か実は面倒見が良くて優しい。大成と共に随分可愛がって貰ってたのだが、大学に入ってから忙しかったらしく、随分久しぶりだ。
「丁度出かけるところだったから、ついでに送ってもらったんだよ。これ、押してくるの面倒だったしさ」
言われて視線を下げれば、優成さんの手には折りたたまれたベビーカーらしき物があった。
「うわ、わざわざすみません」
「いや、敬語使わなくていいぞ」
慌ててもう一度頭を下げると、ぽんぽんとかるく頭を叩かられた。相変わらずの大きな手が優しく髪をすいてくる感触が気持ち良い。
大事にされてる感じがして、好きだったんだよな。
「ちゃんと飯食ってるか?」
久しぶりの感触になんだか和んでいると、次いで告げられた言葉に思わず吹き出した。
そういえば、見た目ごついのにオカン属性だったな。
見た目大人しそうで小さかった俺が年齢以上に幼く見えたらしく、昔から「小さい子」扱いで、遊びに行けば随分と世話を焼いてもらった。
姉貴が問題児だった為、必然放って置かれることが多かった俺は新鮮で、懐きまくったのはまくったのは良い思い出だ。
「優兄、小学生じゃ無いんだから」
横で大成が爆笑してる。
「ん、食べてるよ。大丈夫」
けど俺は、気遣ってくれる手が嬉しくてにっこり笑いながら昔みたいに答えると、優成さんも笑ってくれた。
おぉ、レアだ。
笑うと2割増しでイケメンなんだよな。
「あがってお茶でも」と勧めたけど、約束の時間があるらしく帰ってしまった。ちょっと残念に思ったのが伝わったのか「今度な」と約束してもらった。
「お前、ちゃっかり優成さん使うなよ。迷惑だろ」
遠ざかっていく車を見送りながら大成を咎めるといいんだよ、っと返される。
「最近顔出さ無いって気にしてたから。しかし、相変わらず優兄の事好きだよな〜」
「良いじゃん。男らしくて包容力あって、俺の理想なの!」
舌を出して言い返してから、改めてベビーカーを眺める。
笑いながら「ハードル上げられてるなあ〜、優兄」と訳わかん無い事言ってるけど、無視だ。無視。
「てか、全然綺麗じゃん。良いの?マジで貰っちゃって?」
カチャン、と広げてみれば別段目立った傷も汚れも無さそう。
かなり、状態よく無いか?
「おう。製造年数は古いからリサイクル持ってっても大したお金にはなん無いし、捨てるのにも金いるし、誰か使ってくれるなら…ってさ。まぁ、捨てるには思い出があるしなかなか……な」
ニコニコ笑顔に、もしかして、知り合い当たってくれたのかな?って思う。
兄弟多い分、顔が広いんだよな、大成の家。
まぁ、野暮なことは言うまい。
「ありがとな。大切に使わせてもらいますって伝えてて」
中に招き入れながらさりげなく礼を言えば「お〜う」と気楽な返事が返ってきた。
けど、なんとなく照れ臭そうな響きで、ちゃんと俺のお礼の意味は伝わってる感じだ。
「で、ハル君は?久々の赤ちゃん、触りたいんだけど」
冷たい麦茶を出してやると飲みながらワクワクした様子で尋ねてくる。
「さっき寝ちゃったよ。しばらく起き無いだろうから、今のうちに昼飯食っちまおうぜ」
台所で鍋を火にかけながら言えば、分かった〜と携帯をいじりだす。
ちなみに大成にさせるとなんともユニークな料理が出来上がるので手伝わせることは無い。ご飯は美味しく食べたい。
暑いからさっぱり冷やし中華。
ウチは断然酢醤油ベースタレ派だ。
レタスにきゅうり、もやしにトマト。ハムに錦糸卵を乗せて、仕上げに紅生姜を散らす。野菜たっぷり乗せて食べれば栄養取った気にもなれるし。良いよな、冷やし中華!
「寝てると天使だなぁ〜」
飯食って片ずけしてると、暇なのかハルを覗きに行ってた大成が戻ってくる。
ひそめた声に笑った。ちゃんとそういう気遣いが出来るのが兄弟持ちって感じだよな。
「起きてても可愛いぞ?」
最後の1枚を洗って伏せながら反論すると残念なものを見る目をされた。だから、なんでだ?
暇つぶしに音量絞ってゲームをしていると
和室からハルの声がした。
「ハル〜、こっちいるぞ〜」
呼ぶと、バンバンとハイハイの音が近づいてきて、とまった。
「どうした?」
和室の方を振り向けば、ハルが襖の所で止まってコッチを見てた。
「……俺、めっちゃ睨まれてません?」
「あれはハルの通常時の顔だ。むしろ、困ってる顔だぞ」
恐る恐る聞かれたから、胸張って答えてやると、大成が吹き出した。
「目つき悪すぎだろ」
「失礼な奴だな。ハル、怒ってイイぞ」
固まってるのを抱き上げてやると、大成がぎゅっとシャツを握られた。
なにこれ、可愛い。
「怒んないでよ。俺は幸人の友達だから怖くないぞ〜、ハル」
おいで、と差し伸べられた手を3秒ほど見つめた後、顔をそらして俺にしがみついてきた。
「ハル?怖くないぞ?」
そう言って、大成の方を向かせようとするけど、ハルは嫌々すると俺の方にぎゅーっと顔を押し付けてきた。
意地でもそっち見ない、とでも言いたそうな感じだ。
「ありゃ、人見知りされたか」
笑いながらそういうと、大成は唐突に「ほら、捕まえた」と俺の腕からハルを取り上げた。
「おい、大成。返せよ」
「大丈夫だって」
慌ててジタバタと暴れて俺の方に戻ろうとするハルに笑いながら、大成は俺から逃げていく。
遠ざかる俺にハルの顔が「泣くぞ」というようにぐしゃりと歪んだ。
それに焦る俺と裏腹に大成は笑いながら「高い高い」とハルを上げ下げしてあやそうとしているが、ハルの顔はどんどんゆがんで行き、ついに泣き出した。
「こら、大成。返せって」
泣きじゃくりながらどうにか大成の腕から逃れようと暴れるハルに、「でっかい声だなぁ〜」と呑気に笑ってる大成。
取り戻したいけど、無理に引っ張るのが怖くて手を出しあぐねている俺、と、なかなかカオスな状況になってきた。
やばい、なんか嫌な予感がするぞ。
「大成!怒るぞ」
本泣きになったハルの声に危機感を覚え、真面目に大成を呼んだその時。
「?!!」
大成の腕の中からハルが消え、一瞬後に俺の腕の中に現れた。
ウワァ、ハル。自分がテレポーテーションも出来たんだ。
俺にしがみついて泣きじゃくるハル以外の時が止まる中、遠い目をしてそんな事を考えてた俺は悪くないと思う。
さて、どうしましょう。
読んでくださりありがとうございました。
優成君は、クセのある自分の兄弟たちよりも素直な幸人を可愛がってました。で、幸人は実の姉に振り回された分、ブラコンっぽく(笑)




