咆哮する竜・・かな?
「――ァァ!」
ワイバーンが咆哮を上げる。
……あまり、大したことないね。
見た目だけなら、鋭い爪や歯、凪ぎ払うことが普通に可能な尻尾や腕、強靭な足。
どれをとっても恐ろしいものだけど、実際に戦ってみれば全然余裕そうだ。
「グレンダル!」
僕はすぐにグレンダルを取り出した。
ワイバーンの動きは僕より、遅い。
まずは飛ばれると厄介だから、翼を落とそう。
僕は一気に間合いを詰める。
自分の身に危険を感じたのか、ワイバーンは僕に爪で襲ってきたけど僕はそれをグレンダルで受け止める。
力もないね。
僕は跳躍し、右側の翼を
付け根から切り裂いた。
「――ァ!?」
ワイバーンが悲鳴を上げる。
「ソディア、アルナ。ごめん、全然僕一人で終わらせてしまうけど良い?」
「構いませんよ」
「私も気にしてないから! お姉ちゃん、大丈夫だよ!」
血走った目で僕を睨み付けながら、さっきより速くワイバーンは爪で僕に襲い掛かって来るけどまだ、遅い。
「切り落とさせてもらうよ」
僕は跳躍し、避け腕を切り裂く。
「――――ァァ!」
ワイバーンは殺意のみを込めた目で僕を睨み尻尾で凪ぎ払おうとする。
『コロナ・バーン』
太陽と同等の温度を持つ炎の魔法でワイバーンの尻尾を焼き尽くす。
『プロミネンス』
グレンダルの魔力を使い太陽の紅炎を再現し、ワイバーンの頭を燃やす。
「アァ――! ……」
ワイバーンの頭は数秒で焼き尽くされ、炭化した。
「爪を持って帰ればコイツを狩った証拠になるよね?」
「十分なると思いますよ」
「ソディアの言う通り大丈夫だと思うよ!」
まずは一匹。
もっと頑張らないとね。




