大物・・かな?
「しかし本当に出ないね……」
かれこれ体感で三十分は経ったけれど未だに魔物も猛獣も見ていない。
時間があくまでも体感だから合っているかも分かんないし、ちょっとヤバいかもしれないね……
「……出てきませんね」
「ただ待っているだけだから眠たくなってきた……」
ソディアたちの限界も近いみたいだし、何か大物が来てくれると良いのだけれど。
そう都合良く出る訳もないし、気長に待つしかないかな?
「……いっそ、エサを仕掛けるのも良いかも知れないな……」
木の実くらいなら周りに沢山採れる所があるし、それらをエサとして利用すれば猿くらいなら誘き寄せられるかもしれない。
「――ァ!!」
「何だろう? 今からエサを仕掛けようとしているときに?」
大きな羽音が聞こえる。
この感じ……まさか。
「ソディア、アルナ!」
「はい」
「分かってる!」
恐らく間違ってはいないけどなんでこんな所に出るんだろ?
常識で考えたら、あり得ない。
そもそもこんな動物一匹いないところで――!?
なるほどそういうことか!
「ソディア、アルナ! コイツを狩るぞ。コイツがここに魔物も猛獣もいない理由、そのものだ!」
「分かりました」
「分かったよお姉ちゃん!」
さぁ、戦おうか、ワイバーン。
「――ァァ!」




