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番外編 最強の道具使い・・かな?

「ここは……」


 僕は気がついたら、何処かで一度見た場所に来ていた。


 確か……ここは……。


「思い出した……ここは、ここはバハムートとひのかくつちと戦った時の場所だ……」


「そう……ここは彼ら神々と君が戦った場所……つまり君は今、夢の中にいる」


 僕が呟いた途端にそんな事を言いながら誰かが何処からともなく、足音を立てて出てきた。


「僕は天海優以。気軽にユーイって呼んでくれ」


 現れた少年はイケメンに入るであろう、顔立ちをしている、が身長は低くて何処か幼い。

 恐らく中学生だ。


「どうして、僕はまたここに……?」


「ここは何かしらの出来事で役目を終えた者が集う場所。あまりにも暇だったから君と手合わせしようと思って僕は呼んだんだよ……君を。まぁバハムート達は違う事情だったけど」


 夢とは言え僕、暇潰し目的で呼ばれたんだ……明日テストなのに。


「そういう事なら早く戦わない? 前の時は現実と等しく、時間が流れてたみたいだし」


 気を引き締めて行かないと僕は簡単に負けるだろう。


 ユーイからもバハムート達のような強力な力を感じる。


「確かに……君はどうやら明日テストらしいし、もう始めようか」


 ……今絶対、ユーイ僕の頭の中読んだよね!?


 まぁ良いけどさ……。


「じゃ、行くよ」


「な!?」


 ユーイは動いたのが見えない程のスピードで間合いを詰めてきた。


 魔法か!?


「そ――!?」


 掛け声と同時に右手のグレンダルをユーイに降り下ろそうとした瞬間、僕は吹き飛ばされ壁に身体をぶつけていた。


 脇腹がズキズキと痛む。


 恐らく、ユーイに蹴り飛ばされたのだろう。


 何て足をしてるんだ、ユーイは。


「遅い、遅いそんな力じゃ万年経っても僕は倒せないよ」


 どうやら、挑発ではなく、本気で言ってるみたいだ。


 確かにこのままでは勝てない。


「メサイア!」


 僕は直ぐにメサイアを発動する。


 間合いを詰めて、攻撃をして来なかったのはわざと僕を待って居たのだろう。


「へぇ……綺麗な姿だね」


 ユーイはどうやら僕の姿に見とれているようだ。


 ……そんなに綺麗な姿をしているのかな?


「本番はこれからだよ、[擬人魔法]グレンダル」


 突如グレンダルは消え、僕の後ろから十五メートルは軽く越える巨人が現れた。


「ワレヲヨビダシタノハアルジカ……ワレハナニヲスレバヨイノダ?」


「ユーイと戦って!」


「ショウチ」


 僕が命令をすると、巨人はその巨体に合わない俊敏な動きでユーイとの間合いを詰める。


「なにこれ。面白い魔法を使うね。でも!」


 ユーイは巨人の腹を思いっきり殴り付けた。


 巨人はその一撃で消え、巨人の消えた所にはグレンダルが落ちた。


「これは……分析[複写]段階測定不能」


 ユーイがそう呟くと、右手に何か剣が出てきた。


 あれは――


「グレンダル!?」


 ユーイの右手に握られているのは本物のグレンダルだ。


 だけど落ちている物も間違いなく本物……どういう事だ!?


「僕が持っているのは今さっきコピーした物だよ……といっても性能は本物と遜色ないけど」


 やっかいな能力を持っているな。


 もう……こうなったらあれしかないか……。


「これで……終わりだよ!」


 さっきと同じく、目では捉えきれない速さで間合いを詰めてきた。


 そしてとこからゼロ距離でグレンダルが降り下ろされるけど――


「なっ!? これは……欠片の力か!」


 グレンダルは黒い霧のような物に阻まれ、僕には当たらなかった。


 今のうちに……!


「魔と聖の力を持つ者よ我に力を与えよ……魔王 ルシファー」


 僕の姿が黒と白の炎に包まれる。


 突如、僕の姿はメサイアから変貌していく翼は黒く染まり、角は生え、その姿はまさに魔界を統べる魔王と呼ぶべき物となった。


「我はルシファー。魔界を統べる魔王である。人の子よこの我を敵に回した事を一生悔やむが良い!!」


 ルシファーは自らの意識は手放さないと使えない。


 後はルシファーに任せよう。


「魔王ルシファー……まさか実物を目にすることが出来るとは……」


「くらえ人間の若人よ……インフェルノ」


 ルシファーの声に応じるかのように目では数えきれない程の火のたまが現れた。


「……ちっチート……吸収するにもこの数じゃ――」


「滅び行く世界」


 ルシファーからその言葉が紡がれた瞬間――この世界は滅びに包まれた。

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