呆気ない・・かな?
「来たね。まあ君が逃げるとは思ってなかったけど」
約束の時間通り、決闘するため、グラウンドへ行くとカンファが待ち構えていた。
「逃げる必要が全く無いからね」
僕の実力は自分で言うのも何だけど頭一つ抜けてるし。
この前のアンディルシェルは実力者だったらしいけど竜化とか、とっておきを使う程強い相手じゃなかったし、カンファにも竜化なしで勝てるだろう。
「戦闘開始はどのタイミングが良い?」
「どのタイミングでも良いです。早く始めましょう何なら今すぐにでも掛かってきても良いですよ」
僕は早く、この決闘を終わらせたいんだ。
「言ってくれるね……なら、お言葉に甘えさせて貰おうかなっ!!」
いきなりカンファが僕にナイフを投げつけてくる。
精度は完璧だ。
しかし、完璧過ぎて避けやすいね。
「それ!」
僕は軽々と左に避け、丁度真下に落ちていた丸い石に魔力を込め、思いっきりカンファへ投げつける。
「は、早い!?」
カンファは驚いた顔を見せ、向かってくる石を避けようと僕のように左へ避けようとするが、石の方が速くカンファの大事な所へ石は直撃した。
「はう!?ああぁぁぁ ……」
カンファは悲鳴を上げたが受けたダメージが多かったのか、直ぐに声にならない悲鳴へとなった。
しばらく転げ回っていたが、やがてカンファは痛みを耐える為、うずくまって動かなくなった。
「風よ! 知性を持つ種族、我ら人間に力を貸したまえ……ウィンドカッター」
僕は風の初級魔法ウィンドカッターを直ぐに自分の魔力で自由自在に操作出来るようにする。
後は簡単だ。
「ウィンドカッター、ウィンドカッター、ウィンドカッター、ウィンドカッター、ウィンドカッター、ウィンドカッター、ウィンドカッター、ウィンドカッター!!」
僕はカンファの髪の毛をウィンドカッターでどんどん剃っていく。
「くっ……やめっ――」
「ウィンドハンマー」
痛みに慣れてきたのか、自分の髪の毛を剃ろうとする僕を止めて来るが、止める訳がないので魔法を使い、喋れない様にする。
「ウィンドカッター、ウィンドカッター、ウィンドカッター、ウィンドカッター、ウィンドカッター」
◇◇◇
「ふぅ~出来た」
ウィンドカッターを二十四発程撃つとすっかり、カンファは綺麗な坊主になっていた。
「も、もうやめてくれぇぇぇ!! 僕の負け、負けでいいからぁぁぁ!!」
髪の毛をを剃り終わったので次はズボンを引き裂こうとすると、カンファは降参の声を上げた。
何だ、あっけないね。
今更ながら戦闘が少なかったから、という理由でこの話を作ってしまったのを少し後悔しています。




