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決着・・かな?

 弱点は分かったが、あの弱点に当てる良い方法が思い付かない。

 アグネヤストラを当てていた所も既に再生している。


 相手は今、ほぼ無傷の状態だ。

 ダメージを負っている所は崩れ去り、只の腐肉と化した部分のみで後はいくら攻撃してもまるで意味がない。

 時間経過だけで自然に消滅していくとは言え、それは避けたい。

 やはり本体に強力な一撃を加えなければ……。


「GAAAA!!」


 ウォンタルの王が再び無数の触手で攻撃してくる。


「アグネヤストラ。貫けッ!!」

 僕はその触手全てを焼き切った。

 だがウォンタルの王の触手は再び再生してくる……。


 不味い……さっきからずっとこのパターンだ。

 触手で攻撃されたら避けるかアグネヤストラで焼き切る、どちらも相手にデメリットは無く、こちらは不利になる。

 せめてもの救いはアグネヤストラが溜める時間をある程度自分で決めることが出来るため、何時でも焼き切れる事か。



 ……まてよ?


 アグネヤストラは溜める事が出来る技だ……。

 つまり、極限まで溜めたアグネヤストラを奴に当てる事が出来れば……勝てるッ!!


「アグネヤストラ……!」


 ライはアグネヤストラを発動するがそのまま攻撃せず溜め込んでいる。

 それはウォンタルの王にとっては好都合だった。

 動かないライに対し容赦無くウォンタルの王は無数の触手で攻撃する――


「甘いッ!!」


 ライは全て避け切った。

 ライがメサイア状態ならこのくらい可能なのだ。

 元々触手がそれほど早くないと言うのもあるが……。

 触手を避けられたウォンタルの王には隙が出来てしまった……。


 それはほんの一瞬だった。


「貫けッ!!」


 ライがその一瞬を突いて溜めていたアグネヤストラを解き放つ。


「GAAAA!?」


 ウォンタルの王は悲鳴をあげるがそれも一瞬で途絶える。


 絶命したのだ。

 遂にウォンタルの王が。


「やった……やったッ!!」


 ライは喜びの声をあげた。

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