起きる勇者・・かな?
今回は勇者視点です
「う・・ん?此処は・・」気がついたら私は何故か車の中で寝かされていた、横には知らない女の子二人寝ている。私はえっ・・と、ぼんやりとしか覚えて無いけど確か・・あの国王に洗脳の効果がある首輪つけられて・・それから竜人と戦わされて・・突然、黒い霧に包まれて・・そこから全然覚えて無い・・
「あっ起きた?体大丈夫?」そう言い話しかけてきたのは私の戦わされてた竜人だった、うん・・女の私から見てもすごく可愛い、なでなでしたいなぁ~こんなに可愛いのに私より強いって・・何だろう、この負けた様な気分・・いや、実際負けたけどさ
「はい、大丈夫です」普通に体調は良かったし、怪我も無かったので私はそう答えて置いた。
「本当?良かった、一応治療とかはしておいたけど心配だったんだ、あっ僕はライ・ディウス、こんな見た目だけど男だよ、よろしく!!」どうやらあの戦いの後、私を助けてくれたみたい、ていうか男なの!?どう見たって女の子だよ!?
「・・私はマリナ・クウォムです、一応勇者です、こちらこそよろしくね」一応私も名乗って置いた、助けてもらったのに名乗らないって人としてどうかと思うし
「一応勇者?どうゆう事?勇者ってどうゆう事?」そう言い首を傾げるライ君、うわぁ~可愛い、ぎゅってしたいなぁ~
「勇者と言うのは毎年、ウォンタルという国で、学校に通っている生徒の中で一番優秀な者をモンスター殲滅を目的に王宮に迎えるんてすけどそれの役職の名前が勇者です・・表は・・」別に嘘をつく必要無いしね、国にはもう戻る気無いし、国に戻らないからターゲットだった竜人に言っても問題は無くなったし。
「成る程だからあんなに強かったんだね、完全に人何てとっくに越えてる強さだったし、後、表ではって事は・・裏では・・何かやらされているんだね・・」いや貴方それに勝ってますからね!?それに身体能力も全体的に上げられてたし!?......何だろう悲しくなってきた・・て言うかほとんど図星だし・・もうつっこむ気力無い・・
「いえ・・私自身はそれほど強く無いです・・単純に私に付けられていた、首輪の効果に全体的に身体能力を上げる効果が付いてましたし、ある意味、貴方の言う通りですよ、裏では奴隷として散々やりたくもない汚れ仕事を私はやらされましたから・・」もうどうにでもなれだ!!
「それでも君の強さには変わり無いよ、それに・・あの力が例え偽物だったとしてもそれを操る技量が有ってこそだ、君は強いよ」そう言う彼は真剣な眼差しで私を見ていた・・
「 あっありがとうございます」正直今、私は困惑している、まさかこんな返答が来るとは思ってもいなかったから、素直に喜ぶ事が出来ない・・
「いや、お礼を言う程の事じゃないよ、僕はむしろ羨ましく思うくらい君は強い、僕の求める力はこんな物理的な力じゃなくて心の強さが欲しいよ」そう言い爽やかで可愛らしい笑顔をする彼、その目からは嘘では無く、本心で言っている事がよく分かった。
「....... 一つ良いですか?」
「何?」
「貴方は何故、他人にそこまで優しく出来るのですか?」いくら何でも優しいからと言ってもさっきまで戦っていた相手を助けてここまで優しい人はいないと私は思う、何故彼はここまで優しく出来るのか、私は純粋にそう思うし、単純に彼の事を知りたいとも思った。
「 .......拒絶されるのが嫌なんだ・・僕はもう・・」そう言い、頭を抑え震えている彼、その声はとても悲しい声だった・・この時、私は思ったんだ・・彼はただ普通の人より少し強いだけなんだって・・拒絶されたくないっていう彼の気持ちはどこか私に似ている気がした。
「 .......ごめんなさい私は・・貴方の事を知らないであんな事を聞いてしまい・・」似ていると思ったからこそ私は心からの謝罪をする・・
「いや......良いんだ別に......気にしないで」彼は私に笑顔を作って見せた、だけど私は彼はどこか無理している様に見えた・・だから私は決めた、私は彼とずっと一緒にいるって......彼の心の支えになるって......だって私は彼が……彼がッ!! ......好きだから!!
これが勇者の初恋で有り、ライが初めて他人に弱音を吐いた時で有った。
またこれは勇者――マリナが人として大事な事を知った時でも有った――それは・・人は一人では生きられないという事を――友情や愛情の暖かさを――




