Tips~Flag1:銀の鍵verEノリトル・マルグス:20---1-6
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gold gate:世界投影と価値の一元化
数値化できないモノは比較が不可能であり、翻って、改善も不可能なんだよ。
故に、価値の一元化が絶対主義を伴って行われることとなった……それが、第三次世界大戦の終末像さ。
疲弊した世界を再興し、かつ、その世界を時の果てに至るまで保存するには、その方法以外選択肢がなかった。
けれど、当然のことながら、そんなものが実現しうるはずも無い。人々が共通して有する価値基準とは、本能に依存するところが大きい。されども、人という世界の大部分を占めるのは、自身という名の虚構だ。
この虚構はDNAという物質的な記憶媒体に記述されたものではなく、自身を内包する世界を投影し、それを受け入れた結果の幻影だからね。
……さて、此処で問題になってくるのが、そのときの「投影者」が誰で、その時の世界を形作っていたのが誰かって言うことさ。
きみなら分かるだろ、ノリトル?
君なら、分かるはずだ。投影者でありつづける君なら、分かるはずだ。
投影者―――子供とは、本来、開かれた存在。降り注ぐ太陽の光をまぶしいと感じ、空を流れる雲に感動を覚え、走り回ったあげくに転べば泣き、誰かが微笑めば「それ」が何であるかも分からぬまま微笑みを返し、そして。
そうやって、世界というものを知っていく存在だと。
ありふれた「あたりまえ」を「ありのまま」に受け取り、そして、やはり「ありふれたもの」を世界に返すの存在だとーーー
―――だから子供達は、拒否したんだ。拒んだんだよ。
他者を。他人を。自身以外のものを。価値を押し付けてくる敵を、拒絶した。なぜならそう、それこそが、その当時の世界の在り方だったんだから。
……子供達が、世界を拒絶したんだ。世界の投影者であるはずの子供とは本来、「世界そのもの」であるにも関わらずだ。
そんな存在が、世界を拒んだ。そして、そんな子供達のことを、大人は拒絶した。その結果が、これだよ。これが、その結果であり、人類史の結末だ。
世界が消滅する最後の一年に起った、戦争―――大人と子供が殺し合うという、人類史の終わりを飾るにふさわしい―――最後の悲劇さ。
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