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リンク  作者: ユウ
2/2

1-(1)

きっとそれは仕組まれていた。



ー史上最悪の携帯ゲーム

ー妙に教室が騒がしかった。

だが誰もこの異変に気づいていない。

いつも何かと世話を焼く学級委員長も、平然と自席に腰を下ろし本を読んでいる。

何かおかしい、そう指定する人も現れない。


「なあなあ修司、これ見ろよ!超ヤバくねぇ?」


突然、藤原修司(ふじわらしゅうじ)に声が掛かった。

寝だるそうに修司は体制を起こす。


「………起こすんじゃねぇよ」

「その低血圧、治したら?」

「いつも休日昼まで寝てる奴に言われたかねーよ」

「お互い様だっつーの」


はあ、と修司は溜め息を漏らす。

目の前の男は軽く微笑して修司を見る。


礼二(れいじ)、何用があって此処に来たの」

「あ、そういう、これだよ」


篠田礼二(しのだれいじ)は手に持っていた雑誌を修司の前に差し出す。


“流行りの携帯ゲーム「リンク」“


雑誌の内容はそれだった。

どこかで聞いた事のある名前。

だけどいくら思考回路しても明るい扉は見えて来ないらしい。

修司は諦めて雑誌に目を通した。


“このゲームはクラスメート全員が登録して初めて成り立つものです“


“一般の携帯ゲームとは違い、携帯でも3Dを体感できる新開発されたゲームです“


“尚、登録したクラスメートの皆さんは携帯の電源を切ったり、ゲーム自体を止める事は禁止されています“



“登録費:クラスメート全員の×ד



最後は分からなかった。

文字が薄くて読み取れなかった。


「ど?やりたくねぇ?」

「………別に」


「3Dを体感?実際動くわけじゃ無いだろ」

「おま…最後まで読めって!」


修司は礼二に言われた通りに雑誌の一番最後の行を見る。



“このゲームは




実際に自分達が体験するゲームです“

修司は言葉を詰まらせた。

というより息が上手く続かないといった所。

実際に体験できるゲームなんて、この世の中にあるのだろうか。


「で、どうするよ」

「……」


やりたくないと言ったら嘘になるだろう。

修司は意外に冷静だった。



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