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コロ

作者: 織田珠々菜
掲載日:2026/08/01

 小さいころの僕には、大切な友達がいた。

 名前はコロ。

 コロは、小さくて僕の手のひらにすっぽり収まる大きさだった。


 僕とコロは、いつも一緒。

 遊びに行く時も、夜寝る時も。

 コロは、いつも僕の悩みを聞いてくれる。

 僕が涙をこぼしたときは、いつも涙を受け止めてくれた。

 こっそり、学校へ連れて行く時もあった。

 友達に、「何隠してるの? 見せて!」と言われたけど、僕とコロだけの秘密だから絶対に見せなかった。


 コロは、不思議。

 冬は温かく、夏は冷たい。


 どんな時も、僕に寄り添ってくれる、そんなコロが大好きだった。


 それなのに、僕はいつしかコロのことを蔑ろにしてしまった。


 俺は大人になり、結婚し子どもが出来た。

 子どもは成長し、入学式を迎える。

 子どものために、部屋を用意することにした。


 俺が昔使っていた部屋。

 その押し入れから、息子が宝箱と書かれた箱を見つけた。


「父さん、開けていい?」


 俺は、中に何を入れたのか覚えていない。


「あぁ」


 そう言うと、息子は蓋を開ける。


「なんだこれ、ただの石ころじゃん」


 俺は取り出された石ころを見つめる。


「父さんの友達だ」


 息子は、不思議そうに石ころを見つめる。


 俺は、そっと手のひらに乗せた。

 あの時と同じようにじんわりと温かい。


「コロ、また会ったな」

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