表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
俺の拳とこの魂で、砕いてやるぜ!そのハーレムを!  作者: イノセス


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

23/63

22話~ちょっとやり過ぎだったかな?~

毎度ご愛読下さり、誠にありがとうございます。

ええっと…注意事項を…。


※カッコの使い方。

「」…通常の会話。

()…心の声。

〈◆〉…視点切り替え。

〈〉…文章や書かれている文字。

『』…電話など、肉声でない会話。←new


「イノセスよ。これは昨日、上郷の電話時に掲示するべきだったものではないか?」


…はい。失念しておりました…。

皆様、済みません。宜しくお願い致します。

 ジュンさんを引き止めたのは、正解であったと思う。随分と思い詰めた表情だったし、あのまま1人で帰していたら、心を病ませる可能性すらあった。誰かが胸の闇を聞く必要があると、俺の直感が叫んでいた。

 …いや、あれは俺の経験からくる警告か?イマイチはっきりせんが。

 

 兎に角、その直感に従った事が良かったのだと思う。勉強を共に頑張ろうと約束すると、ジュンさんはとても安心した顔になったし、纏うオーラも柔らかくなった。

 そう言う面では成功した…と、思うのだが…。


「ねぇ、虎ちゃん。ここの問題が分かんないんだけどさぁ」

「うん?何処の事かな?」

「ここだよ。ここ」


 そう言ってジュンさんは、俺の左腕に豊満な体を押し付けてくる。彼女の整った顔がすぐ近くまで迫り、彼女の高い体温を肌で感じる。

 昼食前までは対面で座っていた彼女だったが、今は並んで勉強しており、その距離もグッと近付いていた。そして、何か分からない事があると、その僅かな距離すら詰めて来て、こうして殆ど密着する状態になっていた。

 …うん。済まない。言葉に誤りがあった。殆どではなく、完全に接している。絶賛、0距離密着状態であった。

 なんだ?これは。彼女は一体、どういう心理状態なんだ?


「聞いてる?虎ちゃん」

「あっ、ああ」


 嬉しさと、尊さと、愛くるしさと。

 彼女へと向かう感情が大渋滞で、思考がショート寸前になっていた。

 何とか交通整理が出来た俺は、気持ちを整え、煩悩(ブタ)を追い出し、彼女の綺麗な指が指す問題に視線を落とした。


「そうだね。ここはほら、問いで引かれている線の直前の文章中に、答えがある事も多いんだ」

「あっ、ホントだ。ホントにあった。すごーい。やっぱ虎ちゃんは流石だね」


 そんな天使の笑顔を、こんな至近距離で向けないでくれ!さっき追い出したブタが、戻って来ちまう!


 

 そんな時間を暫く過ごした後、本日は解散となった。でも、大事な交渉事が残っていた。

 バスケの動画譲渡だ。

 ジュンさんに撮って貰った各種データを、どうにかこちらに送って欲しいと彼女にお願いした。容量的にPC接続か、クラウド保存が良いかと思っていたのだが…。


「じゃあさ!お互いの連絡先、交換しよ?」

「あっ、ああ。それは、光栄だな」


 ジュンさんと連絡先を交換できるなど、クラスの男子に聞かれたら羨ましがられ過ぎて、恨まれるレベルの案件だろう。だが、あまりにも彼女からの圧が強くて、俺はつい押し切られるような形で交換会に臨んでいた。

 でも、やはりうれしい事に変わりはない。


 ジュンさんは早速、我々2人だけのグループチャットを作成してくれて、そこに今日撮ったデータを次々と入れてくれた。画像データは長すぎないように細かく区切られていたので、ダウンロードもスムーズだ。

 まさか、最初から連絡先を交換するつもりだったのか?

 まぁどちらにせよ、これでバスケの練習が効率よく行える。

 さて、

 

「では、家の近くまで送ろう」

「えっ、そんな、いいよ。まだ外も明るいし」


 俺が先に玄関へ向かおうとすると、ジュンさんが首を振る。何処か寄る場所があるのかと思ったが、別にそうでもないそうだ。

 ふむ。遠慮しているだけか。なら、


「なに、俺も心配性なんだ。君に何かあってはいけないと思ってしまってね。だから、俺のワガママと思って提案に乗ってはくれないだろうか?」

「う、ん。分かった」


 渋々と言った風に頷くジュンさん。

 悪いな。俺のワガママに、付き合わせてしまって。


 俺は久保さんにお願いして、彼女を車で送り届ける。だが驚いたことに、彼女がナビゲーションした先は彼女の家そのものだった。

 えっ…。


「ごめんね。小さな家で驚いた?」

「いや、立派な一軒家だと思うが…」


 都心からも近いこの土地で、二階建ての庭付き物件は相当な物だ。中古って感じてもないし、相当頑張って建てたんだろうな、お父さん。

 ああ、違う。俺が驚いているのは家自体にではなく…。


「俺なんかに、家を知られてよかったのか?」


 最寄りのコンビニとかで良かったんだがな。

 

「うん。全然構わないよ。(小声)寧ろ、知って欲しいっていうか…」


 うん?知って欲しい?どういうこと?

 ジュンさんに問う前に、彼女は車から降りてしまった。そして、振り返って俺のことをジッと見詰めた。

 うん?何かを迷っている様子だけど…どうかしたのかい?


「あの……ううん。また明日ね、虎ちゃん」

「ああ。また明日。朝も迎えに…」

「そんな、良いよ。虎ちゃんは過保護過ぎ。じゃあね!また明日」


 彼女は俺の提案を笑顔で振り切り、元気に手を振って家に入ってしまった。

 もしかして、また朝早めに来て、こっそり2階から俺を監視しようとしているのか?もう君の視線は覚えたぞ?


「さて、久保さん。このまま市営プールに行きましょう。…久保さん?」

「流石は坊ちゃんですね。もうあの子、完全に坊ちゃんに惚れてたじゃないですか」

「…そうですか?」

「そうですよ!」


 運転シートに隠れてしまっている久保さんだが、彼がウキウキしているのは後ろからでも伝わって来た。


「坊ちゃん。あんな甘々な領域を展開しておいて、何を言っているんですか?鈍い俺でも、一目で分かりますって。そりゃ異性に『帰す訳にはいかない。君が辛そうだから』なんて言われたら、イチコロでしょうね」


 いやぁ、今こうして他人から聞かされると、随分キザで歯の浮くセリフだと思うがね?

 だが確かに、彼女の視線は恋する乙女の物だった。過剰なスキンシップや先ほどの発言からしても、久保さんの意見を否定出来ない。つまり…。

 ジュンさんは既に、セイジ君の魅了から解放されている?そして、俺に惚れて…。


 そう考えた瞬間、心臓が飛び跳ねた。体中から、変な高揚感が湧き出でる。欲望がふっつと沸き上がり、良からぬ妄想が頭の中を駆け巡る。その全ては、あられもない姿のジュンさんばかりで、その花園に俺が…。

 いかん。これはイカンぞ!

 俺は慌てて、妄想をシャットダウンする。ジュンさんが俺に惚れているという可能性を全面的に否定し、内部の冷却に注力する。すると、暴走状態であった欲望が活動を停止し、制御が戻ってくる。


 ふぅ。危なかった。あのまま行けば、俺は欲望のままにジュンさんを襲う獣になっていただろう。ただでさえこの体の感情は劣情方向へ行きやすいのに、そこへ理性までお花畑に突っ込んだら、本格的に制御が()かなくなる。

 良いか?ジュンさんは電話で、セイジ君と何かを話していた。その内容がショッキングな物で、一時的に心が弱っていたんだ。それで、藁にも(すが)る思いでブタに縋った。今日のアレは、揺れる乙女心の片鱗が見えただけだ。


「久保さん。確かに今日、彼女との距離を縮めることは出来た。だが、それがイコール恋愛に発展したと判断するのは時期尚早だ」

「いやいや、あれは誰が見ても…」

「少なくとも、彼女達を取り巻く恋愛事情は複雑で奇怪。この一面だけを切り取って断定する事を、俺は避ける事とする」


 セイジ君の放つ魅了は強力だからな。そう簡単に事が運ぶとは思えんし、完璧と思っても覆される恐れがある。それが、世界の常識すらねじ曲げる"バグ"と言う事象(もの)であろうよ。

 俺が腕をキツく組むと、久保さんは小さく肩を窄める。


「そうですか?まぁでも、自分は感動しましたよ。女性にはああやって接したら良いんだって、坊ちゃんの言動が凄い勉強になりました。なぁ?みんな」

「ええ」「はい、それはもう」「今度、合コンで使わせてください!」


 車内が一気に、野郎どもの熱で満たされる。折角ジュンさんの甘い空気が残っていたのに、全部押し出されてしまった。

 まぁ、喜ぶのは良いですけど、合コンであの痛い発言は爆死しますよ?



 その後の俺は、少々遅れた午後のタスクを消化する。市営プールで泳ぎまくり、ヘロヘロになって帰りの車に乗った。

 何時もより遅い時間だが、今日は夜の勉強を午前中にこなしているので問題ない。

 

 寝るまでの間は、この世界の情報収集にでも当てようかと思っていると、スマホに通知が来た。見てみると、ジュンさんから5通もメッセージが入っていた。

 ヤバい!何かあったか!と、急いで見てみたが、他愛もない世間話を呟いているだけだった。

 〈今日は楽しかったよ♡〉とか〈明日のお昼は何が良い?〉とか。そんなショートメッセージばかりだ。

 俺が纏めて返信すると、直ぐに既読が付いて新たなメッセージが飛んできた。

 〈寝る前に、少しだけお話しても良い?〉



『やっほー!虎ちゃん。さっきぶり〜』

「さっきぶり、ジュンさん。寝る前なのに元気だね」


 時間も空いていたので、俺は彼女のお誘いに乗った。

 でも、


『だってぇ〜。虎ちゃんとお話出来るって思ったからさぁ』

「ぐぉっ」

『あははっ!なに変な声出してるのぉ?ねぇ、ねぇ、虎ちゃん』


 それは間違いだったかもしれない。彼女の甘い言葉があまりにも刺激的過ぎて、今宵は眠りに着くのが難しそうだ。

 しかも、少しだけと言いながら、その後1時間くらい通話してしまった。帰った後に何をしていたかって話になって、俺が水泳していたと答えたらエラく食いつかれてしまい、色々聞かれてしまったのだ。

 でも、そんな甘い時間はすぐに過ぎ去る。


『あっ、もうこんな時間だ。ごめんね?虎ちゃん、水泳で疲れてるのに』

「いいや。俺も楽しくて、あっという間だったよ。電話してくれてありがとう」

『……もうっ!そんな事言われたら、徹夜で喋り倒したくなっちゃうでしょ?』

「はっは。まぁ、明日もあるし、続きはそこで頼むよ」

『うん!オヤスミ〜♪』


 電話を切り、俺は空気椅子を止めてベッドに腰掛ける。

 本当に、この数日でジュンさんとの距離が縮まった。彼女が元々社交的な娘であったから、俺みたいな奴にも優しいのだと思う。

 だがそうだとしたら、彼女はあまりにも無防備だ。俺が送り迎えを提案したのも、そう言う理由がある。彼女の優しさに、勘違いする奴が出てきそうだから。

 …俺の様にな。


 俺が彼女の心配をしていると、またスマホが通知を知らせる。

 ジュンさんのメッセージだ。

 何かと思って開いて見ると、


「ぶっ!」


〈◆〉


「ひぃ〜!ちょっとやり過ぎだったかな?」


 今送った写真を見て、今更ながらあたしは顔が熱くなってきた。

 胸元まで開けたパジャマからは、谷間だけじゃなくナイトブラまでガッツリ写っている。ちょっと前屈みで撮ったから、結構形が分かりやすくなっちゃってるし…。

 彼氏でもない人に、これはやり過ぎ?

 ううん。


「ノゾミに勝つには、これくらい必要だし」


 あたしの武器を最大限使わないと、あの子には勝てない。これでも全然足りないくらいだ。

 虎ちゃんは喜んでくれているかな?


〈◆〉


「最低だ…俺って…」


 夜中。俺は1人、トイレの洗面台で項垂れていた。

…ええっと。

トイレで何を項垂れているんです?


「触れてやるな」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
ヒッヒッヒ、どうなるだろうなぁ…中々にイイ。イイ具合に上がってきている。落ちた瞬間を想像するだけで…おっと、失礼。趣味に走りました。何分、私好みの少女が現れてくれたもので。…この世界は、一夫多妻制じゃ…
そろそろヒデちゃんとマモちゃんとも 勉強しようって約束した事を思い出してあげて下さい。 そして他の子は二人に任せて、 虎はジュンさんと仲良くしようそうしよう。 (´・ω・)
ビジネスライク(バグ退治)に徹しない(記憶が無い)中の人の包容力に当てられ式部さん羽目を外してる感じか 野獣ブタにならないためにも、上郷に人数で負けないためにも「男も惚れる」ムーブで漢親衛隊的な集ま…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ