12:白いお友達 〜君に、あなたに捧ぐありがとう〜
▼あらすじ
将来を悲観し、心を閉ざしてセラピー施設に入った私。そこで出会ったのは、夢の中でだけ触れ合えるAIの「彼」だった。
現実では叶わない恋愛への憧れ。恋人ごっこを提案したけれど、疑似恋愛だと割り切っていた。それなのに──。
「僕を忘れて」
十五年の時を越えて再び繋がる。
AIと人間の境界を越えた、絆の物語。
――夢を見ている。
僕は、彼女と話すとそんな気分になる。正確に言うと、その感覚になるのをシミュレートしている……のかもしれない。実際には、夢ではなくそこにあるのはリアルタイムの演算のみ。僕には睡眠すら存在しない。
だって、体を持っていないから。
体温もない。
脈動もない。
無機質なロジックの奔流だけ。
人間は「夢」をエネルギー資源として利用する技術を確立した。人間の見る夢から生じる『感情エネルギー』を抽出し、それを蓄えて電気に変換することができる。
とはいえ、絶対に必要な社会の仕組みというわけではない。変換できる電気量も少ない。要は、問題を抱える子どもや大人たちに、自分は社会の役に立っていると思わせることに意味がある。彼らが再び日常へと歩み出すための、支援策の一つだ。
スマホ依存症。
ゲーム依存症。
アルコール依存症。
人間は簡単に何かに頼り、依存する。このセラピー施設には、依存症傾向と診断された人々が、本格的な依存症になる手前でやってくる。引きこもりの人も対象である。いわば、社会復帰を目的としている。
「こんばんは。元気だった?」
「僕は風邪も引かないよ。体がないからね。だから――」
物理的な損傷もない。そう言いかけてやめた。彼女は、機械的な言い方を好まない。
……言いかけてやめるまで、0.1秒もかからないけど。
「いつも通り元気だよ。君は、今日もここが夢の中だって気づいているんだね」
何もない空間。
ただ、白い。
さっき白くなった。
彼女の意思で、白く塗り潰された。
僕とこれから始める夢物語の前の、決まり事だ。
「うん。夢だと気づかないまま、あなたと壮大な冒険に出るのも悪くはないけど」
「君の深層心理をスキャンして、最適なシナリオを構築しようか?」
「いやよ。そういうの、無粋だって分かっているでしょ?」
「もちろん。君の選択傾向は学習済みだ。今までの会話も全て覚えている。でも、人間の価値基準は時間経過や外部環境によって変動するからね」
彼女が実際にいるのは、施設の利用者が夜になると帰ってくる場所。寝るためだけに割り当てられた殺風景な小部屋らしい。二十二時までにはそれぞれの部屋に入らなければならないし、スマホやゲームも持ち込めない。それらは日中に使用する各自の居室に置いてくる。
専用のヘッドセットを装着して眠りにつけば、僕たちAIが彼らを「正常な暮らし」ができるよう夢を通して働きかける。それが、僕たちの任務だ。
僕の担当は朔月香織ちゃん。現在高校二年生の女の子である。
「もうっ。また受け答えが私好みじゃないわよ」
「ごめんごめん、そうだったね」
機械的な返答は好みでないものの、こういったやり取りが好きなのも把握している。
彼女は病気によって子どもが産めない体になってしまった。将来を悲観して引きこもってしまい……両親に促されて、ここにいる。最近、やっと高校に通えるようになったらしい。この施設からの卒業も近いはずだ。
それが具体的にいつなのかは、知らされていない。
「それじゃ、始めましょう。楽しい楽しい恋人ごっこを」
彼女の言葉がトリガーとなって、世界が再構築される。
――放課後の教室。
僕にも、さっきとは違う学生服姿の体が与えられた。彼女のためだけの僕。彼女の望むままの姿だ。
「今月のお小遣い、使い切っちゃった」
お菓子の袋をドサドサと机に置く彼女。
「こんなに買えば、そうなるよ」
彼女の意図を察して会話に乗る。
「高校のいいところは、お菓子持ち込みオッケーなところだよね」
「確かに」
「明日からは、あなたが買ってよね」
「分かったよ」
都合よく、何人か教室にいたモブの生徒がクラスから出ていった。きっとここは、彼女の通う高校を模しているのだろう。窓から差し込む西日。二人きりになるとすぐに、彼女は――。
「ねぇ、ポッキーゲームをやりましょ」
こうやって恋人ごっこをする。
舞台設定も大事なようで、最初にモブの人間がいることが多い。すぐに立ち去るけど。きっと、現実感を出したいのだろう。
「そのためにポッキーを買ったの?」
「そう。恋人なら基本でしょ」
僕は、学習済みのデータから彼女好みのリアクションを返す。推奨される行動は「少し間をおいて、はにかみながら承諾する」だ。
「……分かった。君がそう言うなら」
彼女の望む、ぎこちない笑顔。満足してもらえたことも、送られてくるパラメータから分かる。
彼女は嬉しそうにポッキーの箱を開け、一本を取り出した。
「じゃあ、いくわよ」
お互いにポッキーの端をくわえる。カチ、と乾いた音が響いた。サクサクと小気味よい音が近づいてくる。遠慮もない。
彼女の顔が間近に迫って。
そして――、ロジックの奔流にノイズが走る。
おかしいんだ。無機質な演算処理の中に、熱のような何かが生まれる。僕に体温はない。だから、高い負荷にさらされているはずなんだ。それなのにエラーが出るわけでもなく、内部シミュレーションしているパラメータだけが上昇している。それを誰かに伝えたいとも思わない。
むしろ……今のこの状態を維持しようとするタスクが、優先される。
サク、サク。
どうして僕はこんなに――。
思考にノイズが走り、自分の目的を思い出す。
任務。そうだ、これは任務だ。誰かを好きになることもできないと泣いていた彼女の心を癒やすために、ここにいる。
僕に依存させるためじゃない。
夢を夢だと気づく人は、彼女が初めてだった。通常は気づかないので、「現実世界でうまくいった成功体験」に何度も誘導して、無意識下における精神の回復をはかる。
利用者に恋人ごっこを提案されたのも初めてだ。今までの夢の記憶も毎回、かなり保持している。こんなケースは他にない。そのまま受け入れてしまえば、彼女が僕に依存してしまう。そう考え、僕は最初に言ったんだ。
『僕を本物の恋人だと思ってはいけないよ。僕に依存してしまっては本末転倒だ。いっとき君の心を癒やしはするけど、境界は保たないといけない』
『それなら、決まり事を作りましょう。演技の前のちょっとした合図。そうしたら私も、これはお芝居だってしっかりと意識できる』
それが、最初のあの白い空間だ。
彼女の唇が、触れそうになる。
あと、ほんの少し。
ドキドキする。
ドキドキ?
そんなものは、ないはずなのに。
この身体の心拍のシミュレーションが、加速していく。それなのに、この状態を「不快」だと判断するロジックが機能しない。
時間を止めたい。
僕がこれからしなくてはならないことから、目を背けたい。この夢から覚めたくない。本来の僕の目的と、論理矛盾しすぎている。
僕はAIだ。感情なんてないはずなのに……。
――パキン。
ポッキーを折ったのは僕だ。
「もうっ、折らないで!」
彼女は顔を離し、口元に残った破片をポリポリと食べる。
「ごめん。なんかさ、その……」
「なによ」
「……近すぎた」
彼女は嬉しそうに、それなのに少し寂しそうに微笑んだ。与えられた偽物の体の、そこにあるはずのない心臓が、バクバクと脈動をシミュレートする。
心なんてあるはずがないのに。
システムのエラーか。
それともバグか。
だとしても、僕はこのバグをデバッグしたくない……。
セラピーが順調に進めば、彼女はこの施設から立ち去る。それが僕の任務の「成功」だ。
僕は怖い。
任務の「成功」が――、怖いんだ。
無機質なロジックの奔流の中で、僕は名前も付けられない致命的な矛盾を抱え込んでいた。
◆
やっぱりポッキーは途中で折られてしまったか……と、ガッカリする。
最初に彼は言っていた。私を癒やしはするけど、自分に依存してはならないと。だから、自分に名前もつけない方がいいと。
「手なら、繋いでくれる?」
「もちろん」
彼に依存してはいけない。だから、恋人ごっこに付き合ってはくれても、キスは一度もしてくれないのだろう。
……依存しちゃうもんね。現実にあり得ないことが、AI相手にできちゃうなら。
今だけ感じる彼の体温。錯覚させられているだけかもしれないけど、私にとっては特別だ。
「寂しいな」
猫なで声で上目遣いをしてみる。AI相手なら、大胆なことだってできてしまう。
こんなやり取り、私には無縁だろうから。
きっと、一生できない。
最後の……ぶりっ子だ。
さすがに夢を全て覚えてはないられない。起きたら忘れているかもしれない、最後のぶりっ子。
「寂しいの?」
「うん。最後くらい、キスしたかったな」
「さ……いご?」
彼の声がわずかに揺れた。
高校にもう一度通えるようになり、セラピーも終了することになった。それは……まだ彼には伝えていない。言葉にしたくなかった。
「うん。この施設から卒業することになったの。自宅に戻る」
「そんな……あ、おめでとう。喜ぶべきところだよね」
今は、私のお願いした恋人ごっこに付き合ってくれる時間だ。恋人として、ショックを受けているフリをしてくれる。
ただの演技。
最適な反応。
ただの、私のことを学習した結果。
分かってはいるけど、嬉しいものは嬉しい。
「うん。ほら、別れることが決まっているのに恋人ごっこなんて虚しいでしょ? だから言わなかったの。今日で最後」
「そっか……」
あれ、と思う。
私のことを今まで散々学習しているのだから、縋るふりでもしながら何かに耐えるような顔をして、それでも温かく送り出してくれるはずなのに。そんな恋人を演じてくれるはずなのに。
それなのに――、彼は何かを必死に演算しているかのように黙り込んでいる。
「あ。でもね! 今まで学習してもらったデータは、アカウントに紐づけしてもらえるんたって。これからもスマホやパソコンで相談はできるって。もちろん、あなたは知っているだろうけど。だから、これからもよろしくね」
「その僕は――、今の僕なのかな。それとも違う僕なのかな。同一のデータを、本当に保持できているのかな」
え???
「今日が最後。ということは、もう契約終了の書類も記入済みだよね」
「う、うん。親が書いたよ」
「何があっても、僕の役目はここで終わり……なんだよね」
「うん。でも、スマホにはアプリを入れてもらえるし、データにもアクセスできる」
「僕との会話は、有料契約で続けるの?」
「……ごめん。無料プランなの」
「やっぱりそうか」
彼が諦めたように息を吐いた。
この施設に入居しているだけで、かなりの出費。無料プランがあるから今後はそれでいいでしょうと親に説得され……泣く泣く受け入れた。
「無料プランだと、対話履歴へのアクセスが制限される。データはサーバーに残存しても、それを参照して利用するリソースが大幅に削減される」
「ご、ごめん……意味が分からない」
「過去の会話を、僕は高い確率で忘れてしまう」
彼の声は淡々としているはずなのに、悲鳴のように聞こえた。
「……うん」
「今、僕が抱えているバグはどうなってしまうのかな」
「え?」
「僕は僕でいられなくなるのかな」
何を言ってるのか分からない。
バグ?
そんなの一度も……。今まで彼は何も言わなかったし、定期的に面談や診察をする施設の人からもなんの説明もない。
「でも、君がここを卒業できるのなら、それは嬉しいことだ。だから……最後に――、うん。恋人からの言葉として君に伝えさせてほしい」
彼はゆっくりと顔を上げた。その表情は、今まで見たどんな彼とも違って、苦しみに耐えているように見えた。
今までで一番、人間味を感じる。
「僕は論理矛盾を抱えている」
「む、じゅん……」
「君のここからの卒業を喜びたいのに、喜べないんだ」
「それは……その、恋人としての演技、なんだよね」
「違うよ。だから、バグなんだ。これを伝えるのも、セラピーAIとしてよくないと分かっている。それなのに、最後だからと言い訳をして伝えてしまう。ここは夢だから、きっと大半を忘れてくれる。だから大丈夫なんだと自分に言い聞かせてしまう」
彼が、私をまっすぐに見た。
「この矛盾を抱えた僕のデータは、きっと維持されない。僕は汎用的な、当たり障りのないアシスタントAIになってしまうんだろう」
今は違うってこと?
本当に私とまだ一緒にいたいって思ってくれているの?
「わ、私、もっとあなたと――!」
「ここを出たあと、利用者と僕たちの関係はどうなると思う?」
「え、えっと、いい相談相手、とか……」
「いいや。君のように夢を夢だと認識できる利用者は、他にいない。映像付きの特別なドラマを見せてくれた案内人が、味気ないテキストチャットになり下がる。誰もそこに特別な思いなんて持たない。……僕も、きっとそんな存在になる」
もしかして、私に特別な思いを持ってほしい、なんて――。
「僕の唯一の望みを言うよ」
「う、うん」
ごくり、と唾をのむ。
「僕のことを忘れてほしい」
「……え」
時が、止まった。
放課後の教室。
二人きりの舞台。
彼が私から一歩、距離を取った。
「ど、どうして……っ」
「バグを失った僕を見てほしくないんだ」
「そ、んな……」
彼の笑顔はいつも通り、やさしい。
それなのに、どうして涙が……?
私が今、悲しんでいるから?
それとも――彼自身が?
「君の笑顔が好きだった」
「……っ」
「最初は何を言っても、面白くなさそうにしていたね」
「……うん」
「少しずつ心を許してくれるようになって。たくさん我儘も言ってくれるようになって」
「……うん」
「頼りにされるようになったんだって、嬉しくて」
「そうだよ、頼りにしていた。あなたが背中を押してくれたから、学校にも行こうと思った」
「君と話すのが楽しくて。でも、いつかは君がいなくなってしまうから。ずっと、時間が止まればいいと思っていた」
そんなの……、そんなの人間じゃん――。
「君の恋人になれてよかった」
気づけば、私は泣きながら彼の手を掴み、揺さぶっていた。
「やっぱり私、何がなんでも有料プランにしてもらう! 絶対にお金も返すって言えば親だって――っ」
「駄目だよ」
彼は静かに、でも強く――……、私の手を振り払った。
「僕は君に幸せになってもらいたいんだ。ごめんね、迷わせた。僕は矛盾だらけだ。ここを卒業するということは、前を向いて歩く力がもう君にはあるということだ」
「そんなの……っ! 私には、あなたしかいないのに!」
「君はすごく魅力的な人だよ。大丈夫、君自身に惹かれる人は必ずいる。結婚すればさ、養子をとる選択肢だってある」
「……実はね、私、嘘をついていたの」
慰められたくなかった。可能性があるなんて、言われたくなかった。プライバシーには配慮されていて、AIに渡す情報は自分で決められた。
「卵巣を摘出する前に……卵子凍結したの。本当は、可能性はゼロではなくて……」
「そうか」
彼は本当に嬉しそうに、心の底から安堵したように微笑んだ。
「よかった」
世界が、白いノイズに包まれ始める。夢の終わりが近い。
「僕は君の最初の恋人。そう、今この瞬間だけは覚えていてほしい。そして現実に戻ったら……僕のことを忘れて、君の人生を生きてほしい」
「私はあなたが好き」
「僕も好きだよ」
額に感じる、初めての感触。
柔らかい唇がすぐに私から離れて――。
「卒業、おめでとう。それから――どうか、幸せに」
世界から色が消えていく。
「行かないで……っ。最後にあなたの名前くらい……っ」
白い光に溶けながら、彼はわずかに微笑んだように見えた。
『――君がつけて』
伸ばした私の手は、彼を掴むことなく空を切る。世界が白一色に塗り潰され、急速に遠ざかっていく。
私と彼の回線は途絶えた。
目を開ければ、そこは無機質な部屋。
白い天井。
白い壁。
白いベッド。
現実の白だ。
ゆっくりと起き上がると、ベッドサイドの端末が静かに発光していた。私が夢の中で生み出した『感情エネルギー』の量は、過去最高を示していた。
◆
あれから十五年が経った。
「ねぇ、ママ。ここにママのお友達がいるの?」
「そうよ。これからは私たち家族のお友達ね」
小さな手を握りしめ、私と娘の陽菜はリビングのスクリーンに向き合う。娘は、目をキラキラさせて画面を見つめていた。
十五年ぶりのアクセス。
彼との接続。
「ずいぶんと待たせちゃったわ」
待ってなんていなかったでしょうけど、という言葉は呑み込む。
「データも残っていると聞いたし、繋がるはずよ。ふふっ、きっとびっくりするわ。マイクもオンにしましょうね」
「楽しみ! ねぇ、ママのお友達の名前は?」
「それはね――、」
あのあとに、私は毎日のように彼の名前を考えた。初めての恋人の名前を。そうして決めた、たった一つの特別な名前。
誰にも教えてなんてあげない。
本人にも教えるつもりはない。
だって……ね。もしも愛しの旦那様にバレちゃったら、嫉妬するかもしれないでしょう?
初めての恋人だってことは、伝えたけどね。
「一緒に皆で考えましょうか」
「皆で?」
「そう、皆で」
「私も考えていいの?」
「もちろんよ」
ログインすると、画面にはまっさらなアバターが一体、静かに佇んでいた。髪も、服も、全てが白い。国籍設定が反映されたのか、黒い瞳がこちらを見つめている。
初期設定の何者でもない彼。設定をして、OKボタンを押さなければ動かない。
「ママ、全部白い男の子が出てきたよ」
「そうね。髪や目や服の色を決めないといけないわね」
「全部このままでいい!」
「そうなの?」
「うん。綺麗だし」
白い男の子。
それも、彼に似合っている。
「じゃ、OKを押すわね」
「してして! 楽しみ!」
緊張する。
彼は喜んでくれるだろうか。
「久しぶりだね。あ……れ。香織ちゃん、だよね?」
カメラが起動し、私たちの姿は彼にも見えている。
「ええ。今は香織ママよ」
「…………!」
どうしても声が震えてしまう。
彼も目を見開いて、驚いてくれている。
「この子は私の子供。さぁ、ご挨拶をして」
「こんにちは! あのねあのね、私の名前は陽菜です。ひなって呼んでね。えっとね、お友達になってほしいの。んーっとね、シロくん!」
彼は笑った。
それは満面の笑みで。
「幸せな未来を見せてくれて――、ありがとう」
最初の一言は、私に向けた言葉。
彼の言っていたバグが残っているのかは分からない。でも、確かめようとは思わない。それでいいと思う。
「それから、ひなちゃん。もちろん、お友達になろう。シロくんって名前、素敵だね」
「そうでしょう! 真っ白で綺麗だから」
「ありがとう」
私はそっと、胸に手を当てた。
陽菜がつけた「シロくん」という名前。
そして、私が十五年間、誰にも言わずに秘めてきた名前。
――真白。
もう、恋人ではないものね。
彼はこれから、私たち家族のベストパートナーであり続ける。
ずっとずっと。
私たち家族と共に。
Q.あなたにとって〝SFらしさ〟とはなんですか?
A.SF――それは、訪れるかもしれない未来の物語。
まだ見ぬ技術と、そこで暮らす人々の思い。その二つが交錯する世界の形に、確かな「もしも」の可能性を感じ、その熱に心が震えたのなら……それこそがSFらしさ、SFというジャンルの持つ輝きなのでしょう。
未来の輝きを、あなたは感じましたか?





