表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/4

第1話 大陸定着

書いてみたかったんです。

第1話 大陸定着


大小様々な大陸があり、その大陸1つ1つに文明と数多くの生命と死者が存在し、争いの絶えない混沌とした世界。それが普通であり大きな変化のない世界であった。


其々の大陸にある大国は、特別他の大陸の大国へと侵略することなく目の前にある敵を倒すことで精一杯であった。


少なくとも今後数百年はこのまま大規模な変化は劣れる事は無かった筈であった。。。。


そう。その筈であったのだ…………『あの国』が現れる前までは。


『あの国』が一体いつ現れたのか?それを知る者はおらず、またそれを調べる事も無かった。


辺境の大海原に突如として現れた島国の1群なぞ当初彼等は気にしてる暇は無かったからだ。しかし『あの国』は何の前触れもなく自分達の前へ現れてその姿を見せた。


全てが謎に包まれた『あの国』は自身等の命綱を手繰り寄せる為に動いた。混乱する彼等を傍目に必死に動くしかなかった。



ーーーーーーー


混沌とした大陸群の1つに『ウィルテラート』という名の大陸が存在した。


1400万km²という広大な大陸に複数の勢力が睨み合っていた。


そんなウィルテラート大陸の東部に視点は移動する。その大陸東部にある1つの半島にて、いつものように戦争が起こっていた…………


そこでラッザァ半島の中心に建てられた要塞をポルグラート王国軍が攻略しようと包囲していた。




      ウィルテラート大陸

        ラッザァ半島

    ポルグラート王国 要塞攻略軍


日の出からまだ数刻が経過した頃、幾つもの丘の1つに登ってその視線の先に見える要塞を攻略軍の司令官であるテラモット・グレンペ将軍は見下ろす。


朝の太陽を背景に映ったその要塞はまさしく鉄壁と言える難攻不落さを見せていた。


周囲を見たこともない灰色の1枚岩で囲み、その中心部にはこれまた見たことのない建物が群を成して乱立し、最も背の高い建物は何故か数え切れない程の筒状に覆われていた。そしてその筒の先端からは謎の白煙が常時、噴出しているのだ。


攻略軍にいる間者や詳しい者に聞けば、あの建物こそが今我々が目標としている獲物らしい。


噂によれば、あの要塞にある建物こそが『あの国』の力の源であり、この大地深くに眠る至宝を掘り出しているのだと言う。


『あの国』の存在を思い出したテラモット将軍はその険しい表情を更に険しくした。


「…………お前達は一体何者なのだ…………」


テラモット将軍の問い掛けるような言葉に、背後に控えていた将校達は返答に困り、互いの顔を見合わせる。


そんな部下達を無視してテラモット将軍は思案に没頭した。


数年前よりこのウィルテラート大陸東部から時折噂程度だが耳にする『あの国』は未知の技術武器にして、大陸東部に点在する小国を瞬く間にして呑み込んでいった。


彼等小国が抵抗する暇すら与えずに支配した『あの国』は一旦はその動きを止めたものの、いつ動き出すか不明である存在に、ポルグラート王国といった『反ニグルンド大陸同盟連合』は大陸同盟の中核国であるポルグラート王国を筆答とした8万もの遠征軍を結成して『あの国』及びそれに屈した小国群へ進攻した。


テラモット将軍率いる遠征軍は破竹の勢いで小国を攻め落として今、ラッザァ半島の要塞攻略に取り掛かった。


テラモット将軍やその参謀達は当初、1枚の壁に覆われたその要塞を1週間以内で堕とせると試算した。


何故ならば『あの国』が造ったとされる要塞は高さこそそこそこあるものの、大型の防御用兵器は見当たらず、それを守護する緑色の斑模様をした兵士達の大半は何故か壁の上ではなく、その手前に掘った穴蔵の道に蹲っていたからだ。


それを見た彼等は『あの国』の兵士達を嘲笑った。奴等は録に要塞の守り方も知らない素人であり、薄汚い装備しか身に付けない貧乏兵士共だと。


そんな遠征軍改めてラッザァ半島要塞攻略軍は5万の歩兵と100騎の戦竜が前面に出て攻略を開始した。


豊富な実戦経験と圧倒的な体格と突進力を誇る戦竜を全面的に出した攻撃は要塞に閉じ籠る奴等を蹂躙する光景を期待した。


だがその期待は簡単に裏切られた。


テラモット将軍はそこで再び要塞の方を注視した。主にその要塞の手前にある穴蔵から数百メリル程離れた場所に視線を見やる。


男が目にしたのは死体の山。至る所を死体、死体、死体、稀に戦竜の死骸が横たわるかつての戦地が映っていた。


次々と小国を平伏させた遠征軍の大半はこの1月間にも及ぶ攻城戦を前にして、消耗仕切っていたのである。


8万もの大軍を擁する反ニグルンド大陸同盟遠征軍は高々2000程度の兵士が守る要塞を堕とせずにいた。


戦列を組んで進む歩兵達を謎の光の玉が要塞の手前で咲き誇り、要塞に近付こうとする彼等をその大地に伏せさせた。


既存の重騎兵を凌駕する体重を持つ四足歩行の地竜に装備を着せさせた戦竜はそれに股がる戦竜騎士ごと要塞の壁から放たれた謎の攻撃によって爆発四散して全ての戦竜を喪った。


その余りにもの頑丈さと残酷な攻撃性を誇る要塞を前に、テラモット将軍以下参謀と将校達は血の気を引かせていた。


既に彼等の背後に立つ陣地では負傷者で溢れかえっており、所属する治癒師達の対応力を軽く超えていた。


この要塞を陥落させるなど不可能…そんな後ろめたい想像を掻き出させるが、テラモット将軍は今日この日、遂に攻略の糸口を掴んだのだ。


あの圧倒的な攻撃を前にしてもテラモット将軍は毎日攻略を継続させてきたが、あの圧倒的な攻撃力が日に日に弱まっていくのに気付いたのだ。


『勝てる!奴等の攻撃は長続きしないのだ!このまま絶えず攻撃を続けさせよ!』


悲観的な発言で溢れる軍略会議でテラモット将軍はそう彼等を鼓舞させるように吠えた。


毎日が1000人単位で負傷者が出る日々。夜襲をけしかけても夜空を明るく照らす謎の光玉のせいで昼間同然のように蹂躙していき、彼等の戦意をとことん奪い取ってきたが、それらの日々が報われる時が来たのである。


つい昨日のこと、攻略軍の1部部隊が薄汚い緑色の斑模様の兵士達が立て籠る穴蔵まで到達したのである。


そこで100名近い敵兵士を斬り倒す事に成功したがすぐに奴等の苛烈な反撃に合い、到達した部隊は一瞬で全滅してしまった。


しかし到達不可能と言われたあの穴蔵まで辿り着いたのだ。初日と比べれば地獄同然であるあの光弾の雨も、今や断片的とした僅かな抵抗に過ぎない。


要塞攻略軍はその数を既に壊滅判定である半分の4万までに減らしてはいたが、それで尚も数の面では圧倒している。


途中で周辺からかき集めた傭兵や蛮族共を徴兵して急拵えではあるが、攻略初日と同じ陣容を取り戻した攻略軍。


奴等の限界はもうすぐ近くだ。


「今日を持ってこの戦いを終わらせるのだ。」


テラモット将軍の意を決した言葉に後ろの将校達も同意するように口を開いた。


「左様です将軍!遂に奴等に目にものを見せてやる時が来ました!この戦、我々の勝利です!」

「その通りです!あの要塞を攻め落とした暁にはあの要塞の司令官を打ち首にして、要塞奥にえる至宝を我らの物に!」

「奴等が死に物狂いで守る至宝を得れば我等ポルグラート王国はニグルンド帝国と対等の力を得れるに違いありません!」


意気揚々と吠える彼等の声を背中で受け止めたテラモット将軍は気分が高揚するのを感じる。これまでの苦難の日々が報われた悦びを既に感じっているのだ。


「将軍!攻撃開始の合図を!」


そんなテラモット将軍に副将軍は指示を乞うた。しかし彼は丘の眼下から見下ろす前衛部隊の姿を見て首を横に振った。


「まだだ…………連中の躍りが終わるまで待て。」


そこ言葉に控えていた将校達は忌々しげに眼下に広がる光景を見つめた。


彼等の攻略の要である前衛部隊の多くは急拵えでかき集めた傭兵や蛮族達で構成されている。


そんな彼等は現在来る攻略を前にして、各々の傭兵隊や部族間で集まって騒いでいた。


傭兵達は自分達で集めた酒やご馳走を胃袋に入れ、獣の革を装備した者や半裸に入れ墨を入れた蛮族は戦闘前の舞いを踊っていた。そしてその眉を潜める程の騒音は彼等の耳にまで届いていた。


本来であれば即座に進軍命令を出したいところだが、本隊の力が弱まっている今、下手に彼等を刺激してしまえば反乱の恐れがある。故にあれらが満足するのを待つしかないのだ。


誉れ高きポルグラート王国軍が低俗で野蛮な傭兵と蛮族共を前に気を遣わねばならない状況に少しの怒りを含む彼等。それをテラモット将軍は宥める。


「なぁに、奴等のこれまでの日々を思えばこの怒りを収まる。今日で終わるのだからな。」


テラモット将軍はそう勝ち誇った表情を浮かべるが、そこへ水を差すような声が将校から入る。


「しかし先日伝令が伝えてきた『あの国』の援軍が後方から迫っている聞きます。大事に成らなければよいですが…………」


余計なことを言うなと周囲の将校がその一人を睨むがテラモット将軍は構わないと言わんばかりに言った。


「案ずるな。今日落とせばその心配も無くなる。最早奴等は籠を水瓶に沈められる鼠同然だ。」


傭兵達の笑い叫ぶ声、蛮族の放つ楽器や歌声が響き渡る周囲を、テラモット将軍はそう言い終えた。





  ラッザァ半島 ラッザァー石油精製所

     同施設防衛隊 陸上自衛隊

      


石油精製と備蓄施設が均等に並び建つその周囲をコンクリート製の防壁で覆った場所に陸上自衛隊の隊員達はいた。


そしてその防壁の上では土埃や血で汚した隊員達が待機している。


待機とは言ったがその大半は長期間に及ぶ戦闘とその極限状態の影響で死んだように横になって寝ていた。


かつて非白人唯一の列強国に名を残した東洋の大国の兵士達はその面影を残していなかった。


そこに見えるのは疲労と弾薬を使い果たした限界寸前の日本の守護者達の姿であった。


ウィルテラート大陸に数少ない石油の精製地域ラッザァ半島。それはこの異世界に転移してから日本が死に物狂いで手に入れた生命線であり、これを喪えば日本は滅亡まっしぐらであろう。


それを防ぐために日本国政府は2個連隊規模の陸上自衛隊を防衛戦力としてここに派遣した。


先進的な武器を持たないこの世界において、2000程度であっても隔絶した戦力を維持するに至った。


事実として40倍の敵から包囲されても陥落する様子を見せずに持ちこたえて見せていた………つい昨日までの話だが。


34日間にも及ぶ断続的な攻撃。途切れぬ敵の姿。昼夜を問わずわめきたてる騒音。底が見える物資在庫。これら全てにおいて彼等の身体的・肉体的な苦痛を与え続けてきた。


既に食料は全体の1割程度にまで消費し、弾薬類に至っては昨日の攻撃によって1%を切るという最悪の状況に成ったのだ。


『諸君等にとって申し訳ない連絡だ…………もう君達に渡せれる弾薬はそれで最後だ。』


弾薬不足によって壊滅した1個中隊の遺体を回収し終え、交代の引継ぎの途中の守備隊一同が集まった場所でこの防衛隊の指揮官である森島1等陸佐の下、各々が手渡された弾倉を片手に静かに言う。


『つい今しがた、救援部隊からの連絡が届いた。ここへ到達する経路にあるカカロ国が反ニグルンド大陸同盟遠征軍に降伏した。これにのって到着する予定はおそらく2日後になると見通している。』


2日後に到着する。今の状況でそれまで持ちこたえるのは不可能だとその場にいた隊員達は理解した。


極度のストレスで幻覚や目眩、食事が喉を通らず身体に力が入らない。体力があったとしても肝心の弾薬はほぼ無い。


彼等の反応は様々だが、共通していたのは納得と脱力感であった。


あぁ明日漸く解放されるんだ。この地獄が終わる。死んだ祖父母達と会える。


諦めにも似た想いを抱いていたが、それでも彼等の瞳には完全な諦めというのは映っていなかった。


この拠点が堕ちれば祖国が、家族が死に絶える。その事実が彼等の最後の不屈の精神を作り上げていた。


それを察知した森島1等陸佐は涙腺を崩しそうになるも、言葉を続けた。


『明日、我々が生き残れる可能性は極めて低い…………しかし、しかし、だ! それでも我々は抗い続ける。日本を…………我々の家族を守らんがために、どうか、どうかもう一度君達の力を貸して欲しい…………すまない、』


森島1等陸佐の最後に呟いた言葉を前に、彼等は敬礼を返す。彼等の意思は決して折れていなかった。





転移暦3年 6月15日 0800時

      


日の出から早3時間が経過していたが、壁の上から見渡すその先に見える大軍の姿に、陸上自衛隊ラッザァー派遣防衛隊の吉田2等陸士は持っていた双眼鏡で観察していた。


複数の丘の根元でカラフルな衣装を身に纏った何人かの男が無茶苦茶な動きで舞う。その後ろを大勢の半裸の男達が雄叫びと太鼓を叩いている。


「糞っ。忌々しい音だぜ………」


そこへ先程まで惰眠を貪っていた笹原2等陸士が睡眠を邪魔された事で不機嫌そうに吐き捨てた。


笹原2等陸士は酷く窶れていた。目は真っ赤に純血し、体格の良かったその身体はストレスで痩せ、片腕を血に染まった包帯で巻いていた。


とは言っても吉田2等陸士もほぼ同じ状態であった。彼等だけではないこの壁に寝てる全ての仲間が同じような姿であった。


そんな惨状を前にしても吉田は構わず反応した。


「まぁそう言うな。奴等にとってこの唄は戦場で先に散った仲間達から力を貰う為らしい。

要はこの唄が続いてる限りは俺達は生きてられるわけさ………」


「じゃあ、当ててやるぜ。その間に大陸端にいる援軍はのんびりと行軍してるだろうよ。戦闘機の1機でも寄越せってんだ!」


笹原はそうコンクリートの壁を叩いた。その音に近くにいた別の同僚が煩わしそうに寝返りを打った。


「向こうはエグい乱気流で航空機を飛ばせないみたいだな?空母からの発艦も厳しいと来たか…………そう言えば援軍に来るのは何処の部隊なんだ?」


吉田の問いかけに笹原は少し思い出すように頭のなかを駆け巡る。糖分不足で思考速度が低下した頭を必死に動かした笹原は答えに辿り着いた。


「思い出した!あの『鬼の師団』だ!」


「鬼?…………ひょっとして第14師団の事か?でも転移直後に解体された筈だろ?」


転移直後の深刻な物資不足によって陸上自衛隊の部隊の多くは解体されていた。転移前は比較的最近になって創設された第14師団もその内のひとつであった。


「去年、再編成されたんだよ。その際に確か免職に成ったあの池田とかいう糞野郎も復職したんだった。」


「はぁ?マジかよ。あの老害を戻すって正気かよ。」


確実に全自衛隊でも最悪の評判を持つ最高齢の自衛官の名前に吉田は下を巻いた。


汚い下ネタの連発、意味のない命令の繰り返し、訓練とは度を越したパワハラの連続によってかつて第7師団 副師団長に登り詰めた老人は当時の総理大臣によって懲戒免職となったのだ。


「それが何でもあの鬼導院陸将補の意見で決まったんだとよ。全く、迷惑な禿げ師団長様だよ。あんな老害、ほっとけばいいのによ。」


「へっ、でも相性は良さそうだな…………お互いに良い話は聞かないだろ?」


鉄の軍人、徹底的な実力主義者、訓練の鬼教官、最悪にして最恐の指揮官。第14師団 師団長である鬼導院少将もそんな評判を受けていた。


「まぁ、あの老害共が部隊を指揮するなら俺達の敵はうってくれるかもな。何せ無敗記録を持ってんだからよ。」


あらゆる演習でどんな相手にも負け判定をとらさなかった鬼導院陸将補と池田1等陸佐の伝説に笹原は自分達が死んだ後を思い浮かべ、その表情を曇らせた。


「願わくば…………もう一度家族に会いたかったな。」


笹原がそう呟いた時、今まで聞こえていたあの騒音同然の唄が止んだ。


すかさず握っていた20式自動小銃を構え始める2人。それに周囲で目を閉じていた他の隊員達も一斉に戦闘態勢に移行した。


「遂に仏さんがやってきたか」

「来やがれよ…………1人でも多く道連れにしてやんよ。」


そう皆が口々に言う中、吉田は持っていた双眼鏡で再び前方の敵を見て出せるだけの大声を出す。


「前方動きあり!敵の攻撃が来るぞ!」


吉田が覗き込んでいた双眼鏡からは狂喜に満ちた表情で此方に近付いてくる敵の大軍であった。


最後の1つである弾倉を小銃に装填した吉田は小さく呟く。


「最期にコーラ飲みたかったな…………」





      要塞攻略 前衛部隊

       傭兵・部族連合


時は満ちた!宴だ!奴等の死体をディーン神に捧げよ!戦場で散った同胞達の仇を討ち取れ!


そう高らかに吠え叫ぶ男達。儀式男から死んだ仲間達から受けた血を身体へ模様のように塗りたくった蛮族達は各々の手に持つ手斧や長剣を掲げて歩く。


この大陸の大国であるポルグラート王国から破格の報酬を餌にこの攻城戦に参加した傭兵達は初期に募らせていたた正規軍への怒りをそのまま目の前の敵にぶつける為に進む。


「さぁ敵を殺せ!敵の大将を殺せば一生自由に遊べるぞ!」

「腑抜けな敵を皆殺しにしろ!敵を100人殺した者には我の貞操をくれてやる!」


各々の傭兵隊長が鼓舞し、1人の女傭兵隊長はそう高らかに宣言して戦意を限界まで高める。


そんな戦意に満ちた場所をテラモット将軍は満足そうに頷いた。


「士気は上々…………後は待つだけだ。」


勝った。テラモット将軍はそう確信した。彼は腰かけていた指揮座椅子から腰を上げると声を挙げる。


「進め!目指すはあの要塞の最奥!あそこにある至宝を奪い尽くすのだ!」


テラモット将軍の言葉に、聞いていた彼等はより一層の大声を上げて走った。

3万を越える傭兵・蛮族達は固まりとなって要塞の1つの方面へと突進した。




『ザザザーーートンボ隊よりイノシシ隊へ、エネミー002が突撃を開始。』


無線がどこからもともなくとんだ。とある場所では数機の羽音を出す飛行物体が飛行していた。


『ザザザザザーーーイノシシ隊、了解。これより本隊と共に対処する。』


そう無線が終わると、ラッザァー防衛隊のいる拠点より後方から数十を越える90式戦車と他戦闘車輌、1000名の機械化された普通科隊員達が90式戦車を先頭に木々を薙ぎ倒して進んでいた。


『だっはっはっは!返り咲いてやったぜ!この俺が終わる訳ねぇだろうが!』

 

1両の90式戦車の指揮席から白髪の壮年の男性がそう高らかに叫ぶ。


それを無線で聞いていた隊員が無線で言う。


『…………池田1等陸佐、無線で私語は謹んでください。』


『なぁに!そう堅いことを言うなよ坂部!あの禿げ野郎には感謝しねぇとな!最高の部隊を用意してくれたんだからよ!』


そう池田憲一、第14師団 機甲科連隊長に任命された日本最悪の指揮官は言った。


「俺の晴れ舞台だぜぇ。」


その上空を数百は超すドローンが飛び回った。


第14師団 突出して出陣していた第1機甲科連隊ウィルテラート大陸 ラッザァー防衛拠点付近へ到着する。


めっちゃ捗りました…………おそろしや…………

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ