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百合系サキュバスにモテてしまっていると言う話  作者: 釧路太郎


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第49話 イザーの帰還とクリームパイちゃん

 転送装置の不具合はまだ解消されていないので工藤太郎は戻ってきていないのだが、イザーは強引に転送を行って零楼館高校に戻ってきたのだ。

 戻ってきたタイミングで再びイザーに呪いをかけようとしていた生徒もいたようなのだが、生徒会長である栗鳥院柘榴の説得によって呪いをかけるという行為自体は中止させることに成功したのだ。ただ、呪いではなく他の方法でイザーに心理的ストレスを与えようとしたようなのだが、全く効果はなくレジスタンス側校舎にある教会にてイザーと会った時に朗らかに挨拶を交わすことになってしまったようだ。


 サキュバスであるイザーがレジスタンスと仲良くしているのを良くないと思う者がいる一方で、サキュバスとレジスタンスの友好の懸け橋になりえるのではないかと考える者もいるのだ。

 栗宮院うまなもそのような考えを持っているのでイザーの行動自体には文句はないのだが、しばらくぶりに一緒に過ごすことが出来るというのだからもう少し一緒にいたいと思ってはいるのだ。そんな事は口が裂けても言えないのだが、お互いにソレを言って欲しいと思っているのも間違いないのである。


 工藤太郎の帰還はもう少し時間がかかるみたいなのだが、サキュバスだけではなくレジスタンスからも転送装置の修理に人手が割かれているので完全修復までは時間の問題と言ったところである。


 そして、イザーと工藤太郎が出向いていた神聖サキュバス帝国からの使者でもあるクリームパイとクリーキーはイザーを目の前にしてガチガチに緊張して瞬きすら出来なくなっていたのであった。


「そんなに緊張しなくてもいいのに。私と会うの初めてじゃないよね?」

「ほぼ初めて見たいなものだと思います。私もクリーキーもイザーさんの事を遠くから見たことがあるだけでした」

「俺もクリームパイもまだ小さかった頃の話なので、イザーさんは覚えていいらっしゃらないと思いますが、俺たちはイザーさんの事を見ていました」

「小さかった時の話って、私がオバサンみたいな言い方じゃない。そんなに年齢変わらないと思うんだけどな。それに、私の事はイザーさんじゃなくてイザーちゃんって呼んでくれていいんだからね。いつも通りイザーちゃんって呼んでね」


 クリームパイとクリーキーはイザーから目を離してお互いに見つめあっていたのだが、言葉も出ずに驚いているようだった。

 それを見ていた栗宮院うまなも楽しそうに笑っていたのだけれど、それ以上にイザーは楽しそうにしていたのだ。


「ごめんごめん、今の君たちは神聖サキュバス帝国の使者としてここに来てるんだもんね。でも、そんなに畏まらなくたっていいんだよ。カムショットからも言われてるんだけど、君たち二人は相手を見て態度を変えるのが露骨すぎるからもう少し気楽に構えてくれていいんだからね。私もうまなちゃんも君たち二人の味方だし、そこにいる珠希ちゃんだって味方だからね。多分、だけど」

「ちょっと、ボクだって味方だよ。クリームパイちゃんの部下の人達に怖い目に遭わされたこともあったけど、そんなのは別にどうでもいいしね。この星をどこかの星と同じだと思って警戒してたって事なんだけど、その時の姿にはちょっと驚いちゃったよ」

「私の部下と言いますと、独立侵攻部隊の隊員って事ですよね?」

「そうそう、そんな感じの名前だったと思うよ。でも、逆立ちをしている集団に囲まれた時は死ぬかと思っちゃった。今にして思えば笑い話でしかないんだけど、あの時は本当に驚いてしまったからね」


 クリームパイは両手で口を覆い隠していたが見開いた大きな目で驚いているのは隠せていなかった。

 それに対してクリーキーは両手を頭に当ててこの世の終わりに遭ったような顔をしていたのだ。

 何がそこまで二人を驚かせているのかと思ったのだが、クリームパイが諦めたかのような口調で滔々と語り始めたのだ。


「最初は冗談のつもりで言った事だったんですけど、あの人たちは根が真面目で真っすぐな人だってのを誤解してたんです。もう少し融通が利くと思っていたんだけど、私が思っていたよりもずっと私の事を信じているみたいでした。私が言った冗談も真に受けてしまったのが原因だと思うんですよ。でも、大気と重力があって生身の状態でも活動できる星があったとしても、我々は現地の人とは体の基本構造が違うのでその星の大気に慣れるまでは頭を下にして活動した方がいい。逆立ちをすれば通常よりも早く大気に慣れることが出来るって言っちゃったんです」

「ソレだけだったらまだ冗談で済んだと思うんですけど、以前立ち寄った星で腰の高さくらいに生きていく事に支障はないものの微弱な毒素を含む空気があって逆立ちをしたらその毒素を吸収しなくて済むというのもあったんです。その大気を吸ったところで若干のめまいと倦怠感があるくらいで普通に活動することも出来るんですけど、完璧主義者なあいつらはそんな事も許せなかったみたいなんです。俺もクリームパイも気にせずに普通に歩いては痛いんですけど、あいつらは俺たちと違って自分たちは毒に耐性が無いから平気じゃないんだって思って逆立ちをしてたって事なんですよ」


「それは大変だったんだね。私も冗談を言う時には気を付けて相手を見ることにするよ」

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