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第4話 助っ人参戦の是非

 サキュバス寮全体が険悪な空気に包まれているのは工藤珠希とデートをする権利を得るために全員がイザーに対して小さな呪いをかけているからなのだ。

 世界でも類を見ないくらいの強さを誇るイザーに対抗するにも正面からぶつかってはまず勝ち目なんて無いのだ。それをどうにかするために頭を使おうにもイザーは力だけではなく頭も良いので正攻法でも裏をかこうとしても通用しないことが多い。

 では、サキュバスらしく魔法や人間には使えないような技術でどうにかしようとしてもイザーも同じサキュバスなのでいくらでも対処できてしまうのだ。

 どうすればイザーに対して少しでもダメージを与えることが出来るのか考えた結果、サキュバスには存在しない技術で人間が良く使っている呪いをかけることにしたのだ。いくら世界最強のサキュバスで人間とも仲が良いとはいえ、その辺にいる普通の人が呪いに対する特別な手段など持っているわけも無いので少しずつではあるが確実にイザーの体と心を蝕むことは出来ているのだ。

 ただ、その効果が表れるまでにかなりの時間がかかってしまうのでイザーと勝負をしても勝てる確率は四割ほどあれば高いと言えるのだ。


「私たちが珠希ちゃんとデートするためにはイザーちゃんをどうにかしないといけないんだけど、イザーちゃんをおさえることが出来たとしてもうまなちゃんにまでは手が回らないのよね」

「うまなちゃんも天才側だからちゃんと対処しないといけないんだけど、そっちに気をとられるとイザーちゃんをおさえることが出来なくなっちゃうもんね。そうなると私たちは何も出来ずに見てるだけってことになっちゃうのよね」

「私たちにも珠希ちゃんとデートをする権利はあってもいいと思う。うまなちゃんとイザーちゃんが私たちのために今までどれくらいその身を削ってきてくれたかはわかってるんだけど、それとこれとは話が別だもんね。先生たちもそう思いませんか?」


「うまなちゃんとイザーちゃんには先生たちも感謝しているけれど、あなたたちもそれに負けないくらい頑張っていると思うよ。結果はどうあれ、先生たちはそういうところもちゃんと評価してるからね」

「そうですよ。私たちは結果だけじゃなく皆さんの普段の頑張りも見てますからね。前回のレジスタンスとの戦いもしっかり見てましたよ。結果は残念でしたけど、最後まで諦めない心は素晴らしいと思いました」

「そこで一つ提案なんですが、あなたたちだけじゃ時間も足りないと思うので助っ人を呼ぶというのはいかがでしょうか。自分たちの力だけでやりたいというのであれば先生たちは余計な口出しをしませんが、そうでないのなら特別な助っ人を呼んできますよ」


 一般サキュバス達は先生たちの提案を受けて相談することにしたのだが、自分たちだけでは決めることが出来ないと思いイザーを除くサキュバスを集めてアンケートをとることにした。

 自分以外のサキュバスが集まって何かをしようとしているとイザーは当然気付いているのだが、イザーとしては雑魚がどれだけ集まって何かしようとしても意味が無いと思っているので全く気にかけることも無かった。サキュバスとレジスタンスの連合軍と戦った時も工藤太郎がいなければイザーの圧勝で終わっていたのも事実なのである。あの激しい戦いでイザーを苦しめた工藤太郎はこの世界ではなく異世界に旅立っているのでイザーにとっては気にするような要素は何も無いと思えて当然なのである。


「イザーちゃんを止めるために人間の力を借りるって事で悩んでるって事なのね。悩む気持ちは理解出来るし、私に相談してくれて嬉しいわ」

「私たちとしてはうまなちゃんに教えない方がメリットも大きいと思ったんだ。でも、うまなちゃんは私たちのために色々と頑張ってくれてるし、その恩を少しでも返せたらいいなって思ってみんなで話し合って決めました。もちろんイザーちゃんにもお世話になってるんだけど、それとこれとは話が別なんだ。ここでイザーちゃんを止めておかないと、この先ずっとイザーちゃんが珠希ちゃんとデートすることになりかねないと思ったんだよ」

「それはあるかもしれないよね。私はイザーちゃんの近くにいて色々と見て理解してるんだけど、私たちが普通に協力してもイザーちゃんに勝てないのよ。それだけ人数を集めても強い人に協力してもらっても勝てないと思う。イザーちゃんに勝つために必要なのは、そう言った力とは別のイレギュラー的な力だと思うんだよね」


「私たちの中にもイザーちゃんが強すぎるからってサキュバス以外の力を借りるのはどうだろうって話も出てたんだよ。負けて当然の気持ちで立ち向かうのがサキュバスらしさなんじゃないかっていう人もいたんだけど、レジスタンスに向かっていくのとは意味合いが違うからね。イザーちゃんにゾンビアタックをしたって次が続かないからただの無駄死にになっちゃうと思うんだ」

「私が千人いて千人の私がイザーちゃんにゾンビアタックを決めたって意味はないでしょうしね。それどころか、千人も集めちゃったらイザーちゃんの力で一掃されてしまいそう」


「こんな時にダジャレですか?」

「え、そんなつもりじゃないけど。どこがダジャレだったの?」

「そうじゃなかったらごめんなさい。でも、いっそうされてしまいっそうってダジャレですよね?」


「ダジャレではないけど、ダジャレっぽく聞こえてるね」


 栗宮院うまなは全く意識せずに言ったのだが、そんな風に指摘されてしまうと途端に恥ずかしく感じてしまって顔だけではなく耳まで真っ赤になってしまっていた。

 ちなみに、それを指摘したサキュバスは申し訳ないという表情をしていた。


「とにかく、助っ人を呼んでもらって明後日にはイザーちゃんに勝負を挑むって事でいいですよね?」


 なぜか顔を合わせずにみんな頷いていた。

 イザーと戦うために特別な助っ人を呼ぶことになったのだ。

 どれほどの効果が有るのかわからないけれど、先生たちを見る限りではかなり期待できそうだなと言う事だけは感じることが出来たのだった。

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