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ミリーのなんでも屋さん  作者: スルー
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 ここ数日間、ミリーのなんでも屋さんは閑散としていて一部の親しい人以外のお客様は全然見ることがなかった。

 お花の御世話をしていても、出歩く人を殆ど見てないのでミリーのなんでも屋さんが避けられているってわけではないとは思っていた。


「どーも、遊びに来たよ♪ 「共有」していいかな!」

 そうやって来店したのはチュエムだ。 お客様がいないのは当たり前と考えているようで、いつもはいるものがいなくても気にした様子はなかった、いつも通り共有からの挨拶を求めてくる。

 その共有を通して話しかけたり面白い情報を送ってくる中に気になるものがあった!

「「ピーグルがもう近い」ってことについて教えて欲しいのですけど?」

 ピーグルとは聞いたことが無く分からない。情報だけ伝えてくるので内容はないから他は伝わらない、すぐに買う(・・)

「んふふ♪ いいよ、「共有」したから250ダナ頂きますよ!」

「はい♪」

 彼女もこうやって同じような事が出来るのが楽しくノリノリだ。 お金を支払うと詳細を教えてくれる。

「んー、まずピーグルって知ってるかな?」

 一方的に提供するのではなく、まず何を知らないで何を知りたいのか確認するところから入るところはさすが優秀な冒険者様である。

 そうして聞いたのはピーグルという三級の鳥形魔物の群れが数日以内にやってくるらしい。 大体寒くなり一月経って過ぎたこの時期辺りに毎年やってきてはこの街の上を通過して高原の方へと抜けていくと。

 ピーグルは凶暴で人を見ると真っ先に襲いかかるから建物の中で通り過ぎるを待つのが普通なんだってね。 災害みたいなものなのだ!

「ありがとうございます♪」

「いえいえ、大変なのは役人、いつも必ず負傷者はたくさん出るから。数が多くて飛べるからね…」

 一体一体はそんなに強くないけど人によっては強くても相手出来ない。

 その時だけ休めればいいが、いつ来るかは分からないのだから長く仕事を放置して引きこもるわけにはいかない。


 そんな話をミリーが聞いていた時、テュンレイも全く同じ話を、余裕かあり遊びに行ってるのどか宅とマーレットの花屋にて鳥の魔物が来ると話題になっていたりしたのだった。


・・・。

 ミリーはお昼になると分体を店番にして街の門へとダリボレに会いに行く。

 誰に会うこともなく街の入口に着くと知らない重装備の役人さんが二人立っている。四十くらいの一人は目にミリーを捉えた時からジッと睨むように凝視して見てた。

「君、こちらには何も無いよ。 急ぎなら止めないが外に出ようとしているならば日を改めた方がいいよ」

 睨んでいた方が優しく今出歩くのは危険であることを教えてくれた

「いえ、ダリボレさんにご相談があったのですが」

「ああ、彼の知り合いなのかい! すまないが今日は非番なんだよ…」

 休みの日に当たっちゃったかと思いながらも、結局は役人全員(みんな)に周知されなければいけないことなので伝えることにする。ミリーからだと信憑性は薄れるけれどと目の前の人に話そうかとしたらもう一人の若いお兄さんが詰め寄ってきた

「あ、あの! なんでも屋さんのミリーさんですよね!」

「はい、そうですよ♪」

 彼はミリーのことを知っているようで興奮していた

「この子、あのなんでも屋の子だったのか」

「はい!ミリーさんです!」

 目つき鋭い人は食い気味の回答にちょっと引いていた、そんな様子にミリーが微笑むと心打たれたようにしていた。分かりやすい人である。

「いつも休みの日は遠くから見ています!」

「私は殆どお店の中で出来ることを担当していますからあまり見えないと思いますよ?」

「はい…でも!あの、家の庭の手入れを頼まれた時のお仕事とか一瞬で終わらせていて格好よかったです!」

「ありがとう御座います♪」「おまえ…それ…捕まえるよ…」

 相方がストーカーと判明したことになんともいえない反応をしている、しかも悪いと思っていなくて堂々と宣言しているのだから対応に困ってる。

「別に気にしないので許してあげて下さい♪」

「そう…ですか、ありがとう御座います…」

 本当に気にしていない様子に仲間を犯罪者にしなくて済んだと心底微妙な(たいおう)をした。おそらく彼は後で怒られるだろう。

「それで、ダリボレは今いないのだけどどうしますか?」

「ミリーさん!今、ピーグルって危険な鳥が大軍で来るかもしれないので家にいて下さい!」

 彼の隣で溜息が聞こえるが言ってることは正しいので一旦黙っていた。

「その事でお話が、メリメレイルにピーグルが気付かないで素通りするようにするつもりなのでご相談をと」

「え!」「さすがミリーさん!お願いします!」

 何の疑いも疑問も持たないストーカーさんが受け入れてくれたので交渉をかけた

「500ダナでどうですか?」

「それは俺が払うってことでいいんですか?」

「どなたでもよろしいですよ」

「では、ちょっと待ってて下さい!!」

 相方がお金を取りに行ったので、そのタイミングで話しかけてきた

「詳しく説明して欲しいだけど」

「先ほどご説明したようにこの街に結界で覆ってピーグルから無意識に避けさせるようにするんですよ。

 防御結界にすることも出来ますがそれだと諦めるまで居座られる可能性があります」

 説明が何一つ解らない、理解を探そうと頑張るがその前にストーカーさんがお金を持って戻ってきた。

「これでいいですか!」

「はい、たしかに♪

 詳しいことはダリボレさんかソルアトさんに聞いて下さい♪」

 説明しても分かってくれないなら仕方ない、そういうものだと理解してくれている彼らに任せるのが一番理解してくれるだろう。

 せっかく隠してくれているのは有難い?が困っているのなら信念に基づいて、提案した相手が手を取るようならば手助けを行うのが「ミリーのなんでも屋さん」の信条!

 手を振ってスッと去れば仕事優先の彼らは納得してなくても追うようなことはしない、ストーカーさんは名残惜しそうな感じだった。


 夜、テュンレイがストーカーさんにちょっと興味を持っていた

「フーン?ソイツはかなり離れた場所から見ているのね?

 (ミリーを好きになるのは)見る目あるわ♪」

 敷地内なら判るのに知らないのだからかなり遠くから観察しようとしているのだろう。探れば簡単に見つけられるが自分たちのルール以外で動くことはしないので見つかることはないだろう。

 リリーやミユ、外にいる機会が多い分体よりミリーを好きになったのだから一目惚れの可能性が高いだろうと予想して楽しそうだった。


・・・・。

 次の日の朝、まるで昨日のミリーたちの会話を期に動いたかのようにメリメレイルの上空をピーグルの群れが飛行していた。

 役人たちは自分の目で確認次第、建物や壁の下に警戒しながら速やかに移動する。

 気付かれたら急降下して襲ってくる! 絶対やってはいけないのはすぐに応戦すること。出来るだけ目立たない位置まで逃げ続けないといけなく、速いピーグルから無傷でそれは出来ないので怪我を負う覚悟は皆していた。 自分の当番の時に来たことを悔やむしか出来ない。

 しかし・・誰の耳にも一向に襲うピーグルの声が聞こえてこない、誰も全ての人が避難しきれるとは思っていない。 気付いた時には上にいるのだ! しかも一瞬で来る、仲間に付いて引き連れることはしないので少しでも少ない数のピーグルの目に収まることだけを祈るのみ。

「助かった?」

 誰もが思うことだ、移動の速いピーグルは十数分もすれば全て遠くへ行ってしまう、でもそれは何もなかった時だけなのだ。

 役人も、タイミング悪く外出してしまった人も、見つけて保護しようとした人もみんながみんな呆然としていたのだった。


「さすがミリーさん!ありがとう御座います!」

 ただ一人、ミリーを信じて空を見上げてその力を確認しようとずっと立ち止まって目を輝かせていた人を除いては…。

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