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今日は早起きして大きく深呼吸して高鳴る胸を落ち着かせる!
「おべんと?作ってレンちゃんとデートするんだよね? そう、するの!」
デートとは好きな人とのお出掛けらしい、レンちゃんから聞いた。まさかいいなんて言ってもらえるなんて思わなかったけど思い切って誘って良かった!
いつもは依頼で頼むのだけど一歩仲を深めたくて勇気を出し普通に頼んでみたらあっさり「いいわ♪」と言ってくれて舞い上がっちゃった。
誘ってから気付いたのがお店のことでミリーちゃんと妹ちゃん?は二人でもお店出来るのかななんてきいてみたら「大丈夫ですよ、レンちゃんをお願いします。楽しんできて下さいね♪」と言われて気分はもうレンちゃんと・・・!
・・・。
街の入口の所で待ち合わせをしているので時間より早めに行ってみたらレンちゃんはいつもより可愛い格好で既に待っていた。
「遅くなっちゃったよ!」
「ウフフ♪ おはよ♪まだ時間前よ」
「おはよう! あ、今日の服かわいーですね!」
「ありがとう♪ 今日はアナタとデートだから可愛く仕立てた服を着たの。どうかしら?」
クルクルと進みながら何回も回るレンちゃんがかわいくて最高です! 頭には私のあげた髪飾り、かわいい長紐の鞄には私のあげた小さな編み人形、履いてるのは私が買ってあげた赤い靴・・すごく嬉しい!
「まるで精霊様のように可愛いです!」
「クフ♪ それはあんまり嬉しくない表現ね♪」
「そうなんですか…? ごめんね…」
最上級の褒め言葉はレンちゃんにはあまりお気に召さないようだ。気にした感じも全くないから大丈夫だと思うけれど一応謝っておこう
「気にしないでね? 「精霊様のように可愛い」って言葉はアナタのようなステキな人の為にあるのよ♪」
すんごく胸がときめきました! こんな小さくて可愛くて大人っぽくて非の打ち所の無い子から裏表の無い言葉で言われたらもうギュッとしたくなりますよ! いつもは別れ前に一回させてもらっているんだけどもうしたい!
「・・・レンちゃん、大変申し訳ないのだけど…いつものお願いしたい・・なんて…?」
私が何を頼みたいかがすぐに分かったようでレンちゃんがニコリとすると寄ってきてくれた。顔を寄せるように仕草で言われて寄せたら耳元で囁かれた
「ウフフ♪ 今日はデートなのだから私をアナタの好きなようにしていいわ♪ アナタのことは・・好き、だからね♡」
「っっっ!?」
反応を面白がり揶揄って悶える様子を楽しげに見てはいるがもちろん彼女の本心である! あんまりいない曇り無き彼女はレンちゃんの大のお気に入りになっている。
「レンちゃん、大好きだよ!これからもよろしくお願いします!」
「こちらこそ♪」
かなり周囲に注目されてたりするが気付かなかったので幸せ最高潮でした・・周りを見たら(恥)
・・・。
今日の行き先はいつもとは違ってのんびりと過ごす感じにしたいと思っていた。
「今日は行ってみたい場所があるんだけど、レンちゃんは行きたい場所はありますか?」
「そうね?アナタのお隣かしら♪」
もう居ます!ずっと居ます!居て下さい!
その時、私の手をジッと見ていることに気付く! そういう意味で言ったのだと分かってしまったのだ! ここは思い切っていくところだよね!
「レンちゃん、手を繋ぎたいなぁ、なんて…?」
「アラ、どうしようかしら♪」
「あぅ!」
誘っておいて突き離された!? けど楽しそうだからいじられていても嬉しい!
恥ずかしいのとちょっと残念だなと思っていた私の左手は急に温かく包まれる。レンちゃんがいつの間にか両手で握っていたのである
「フフ♪ とっても温かいわね♪
少し寒くなってきたから握っててあげるわ♪」
「!!。 ありがとね!!」
・・・。
街の内側を半周するように遠回りしながらお散歩
「コッチの道はどこへ着くのかしら?」
「そっちは南の外壁を見られるよ!」
レンちゃんは意外にもこの街の地形は殆ど知らないみたいで楽しそうに訊いてくれて嬉しかった。
もちろん私も広い街全体を知っているわけもないので・・
「先で曲がるのね、ここからも行けるのかしら?」
「あ・・・そうだね…? 方向は合っているから多分行けると思うよ…?」
「ウフフ♪ アナタは何でも知っているのね?
クス、行ってみるわよ♪」
「え!?」
私の手を引っ張って見知らぬ道へ誘われてしまい、結局違う方向へ行ってしまうので戻ることもあった!
私は戻ることが恥ずかしく感じたりレンちゃんに申し訳なかったりしたのだが、当のレンちゃんは失敗だと楽しそうに笑うのでそんな気持ちも吹っ飛んで積極的に色んな場所を巡ってた
「遅くなっちゃったですね…」
「フフ♪ ここがアナタのおすすめの場所なのね♪」
ちょっとした嫌なことがあった時にふらりと寄って風を感じていた場所。周りに建物も無く静かで木に囲まれた何も無いちょっとだけ「街」から離れたように感じられる大切な場所。 ここにレンちゃんと来たかったの。
「ちょっと遠いいけどね、人があまり来ない私の好きな場所だからあなたと来たかったんだ!
お昼ご飯にレンちゃんとここで食べたくておべんと作ってきたけど帰らないとですね…、途中で食べればよかったよね…」
暗くなったら危険だし怖い、レンちゃんも心配。
そんな落ち込む私にレンちゃんは一伸びすると気持ち良さそうに一言
「ありがと♪食べましょ!」
・・と
たった普通の一言が私のしようとしてた事全てに感謝していると言ってくれたように感じて胸が熱くなっていた! 告白されたも同然だよね!
もう遅くなっても関係なく一緒にいたいなんても思ってしまうほどに今は彼女しか見えないくらい美しく感じたのだ。
・・まぁ、そんなわけもなく、そんなわけにもいかないので美味しいと食べてくれるレンちゃんに現実的な相談をしたら、また一言
「任せなさい♪」
・・・。
その後はよく解らない!
「ちょっと目を瞑ってくれるかしら」なんて言われて閉じたらすぐに「大丈夫よ」と言われて目を開ける
「うぇ!?」
「今日はありがとう♪ 私はアナタは好きだから、またデートしましょうね♡」
「ふわぁ!?」
何故か私の家の前にいて、レンちゃんに去り際唇にチュウをされる! 私は手で唇をなぞりながら放心していたのだった。
その時レンちゃんが合わせるために浮いて目線が揃ったことは全く気付かなかったのだ。




