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ヲタッキーズ147 女殺オイル地獄

作者: ヘンリィ

ある日、聖都アキバに発生した"リアルの裂け目"!

異次元人、時空海賊、科学ギャングの侵略が始まる!


秋葉原の危機に立ち上がる美アラサーのスーパーヒロイン。

ヲタクの聖地、秋葉原を逝くスーパーヒロイン達の叙事詩。


ヲトナのジュブナイル第147話「女殺オイル地獄」。さて、今回はオイルでいっぱいのバスタブに沈むスーパーヒロインの溺死体が発見されます。


10年前に起きた潜水タンカーの爆破テロ事件が、捜査線上に浮上する中、テロで人生を失った元船長と家族、怪しいゴーストライターが現れて…


お楽しみいただければ幸いです。

第1章 バスタブに沈む死体


ウォルドルフ・アストリアは、五つ星ホテルだ。


朝焼けに染まるベッドルーム。サイドテーブルに飲みかけのワインの瓶とグラスが2つ。

開いたドアからバスルームに入ると、バスタブは黒い液体で満ち、時々泡が浮き上がる。


やがて、黒い水面に鼻が現れ、唇が現れて…


☆ ☆ ☆ ☆ ☆


御屋敷(メイドバー)のバックヤードをスチームパンク風に改装したら居心地良くて、今宵も常連達がAI相手にストリップポーカーだw


「OK?この勝負でお開き!」

「何を言ってるの?まだ昼過ぎ(午前0時過ぎ)ょ?」

「エアリ、みんな明日もお仕事なのょ」


下着姿でヤル気満々の妖精メイドを諭すハッカー女子。


「スピア、貴女もやっと一般人(パンピー)の仲間入りね」


みんながドッと笑う。スピアは苦笑いしてカードをめくる。


「フォールド」←

「ちょっとスピア。さっきからフォールドばかりょ?」

「だって、良い手が来ないんだもの。脱ぐだけ無駄」


うなずく妖精メイドのエアリ。普段は背中の羽根はメイド服の下に隠しているが、今宵は…既に上半身は黒ブラだけだw


「みんな、ストリップポーカーだと異様に盛り上がるな」

「だって、コレなら負けても楽しいんだモノ。レイズ。20ピーシス」

「私はコール」


僕は、カードを見ると…キングとエース。


「100ピーシス」

「え。テリィたん、ヤルわね。マジ?」

「ソレでは勝負です。テリィ様」


テーブルに大金…じゃなかった、大ピーシスが積まれるw


「姉様、マジ?私、フォールド」

「あーん私も!」

「テリィ様も尻込みしちゃいます?でも、タマには"豪快ジャー"になってみませんか?令嬢タイプの"豪快ピンク"は、お好きなキャラでしょ?」


何と推しのミユリさんから挑戦状だw


「モチロンだ。"海賊戦隊 豪快ジャー"は、僕の代名詞。中でも"後悔ピンク"は大好きさ!ふふふハハハ」


意味不明な笑い声と共にチップを投げる。


「みんな、ハッタリよ。まばたきが多いモノ」

「ルイナ!」

「だって…あら?今度は指が小刻みに震えてる。良い手が来たカモ。みんな、注意して!」


御屋敷(メイドバー)のモニターから超天才ルイナの呼びかけ。車椅子の彼女は、いつもラボから"オンライン呑み"で参戦して来るw


「え。テリィたんが良い手札を?」

「ミユリさん!どうした?"後悔ピンク"に"推し変"しても良いのか?」

「ダメです!All In」


一斉に悲鳴が上がる。


「ミユリ姉様、大丈夫?負けたら全裸…」

「テリィたん、姉様を許してあげて!」

「ふん。もう遅い」


みんなの注目が集まるカードをめくると…2と7w

僕はポーカーフェイスのママ、カードを落とす←


全員が爆笑w


「テリィ様。コレから代名詞を"負け犬"に変えられては?」

「今夜はツキがなかった」

「ほーら。やっぱりハッタリだったでしょ?」


モニターの中で目をパチパチするルイナ。


「テリィたんはマバタキしたらヤバい手ね?覚えとく…はい、ラギィ」


同じく半裸の万世橋警察署ラギィがスマホに出る。


「…わかった。20分後に行くわ。東秋葉原のHENRY通りで殺人ょ。"blood type BLUE"」

「またスーパーヒロイン殺し?あ、現場へ急いで。御屋敷(メイドバー)の片付けはやっておくから」

「スピア、悪いわね」


テレ隠しにトイレへ立った僕も慌てて戻る。


「なになに?スーパーヒロイン殺しだって?待ってくれ!今、対サイコパス用のヘッドギアを持って来るから!」

「あの"SF作家"って大きく描いてある奴?やれやれ。スゴいハシャギようね」

「クリスマスの子供みたいだわ」


半裸のメイド達も、一斉にメイド服を着直す。


「イヴの翌日、起きたら長靴の中に死体とか?」


第2章 黒いデスマスク


黒いオイルが並々と入ったバスタブ。

顔だけが浮いて文字通りデスマスクw


「モーターオイル?」

「あ、ラギィ警部。そのようですが、念のため調べます」

「必要ない。警部、モーターオイルの空き缶がクローゼットにありました」


現場に到着したラギィに続々情報が集まる。


「でも、なぜオイルなの?」

「ワザワザ高級ホテルのスイートまで運び込むなんて」

「何かのメッセージかしら」


☆ ☆ ☆ ☆ ☆


フロントに話を聞きに逝く。


「さっきの警官にもお話ししましたが、お客様が部屋の中で何をなさっているかまでは、存じません」

「身元を知りたいの。支払いはカード?」

「AMEXだとBLACKしか扱っておりませんで…金曜にチェックインして5日分を現金でお支払いです」


"賢者"のコスプレをしたフロントは、今どき激レアな分厚い帳簿を手でめくりつつ答える。顧客管理に伝統を感じる。


「チェックアウトは今日の御予定でした。先ほど、確認に参りましたら、バスタブに死体です。掃除がかなり厄介」←

「来客はどーしてるの?」

「当ホテルは、駅前にあった頃から、お客様の出入りには寛容です。ウォルドルフ・アストリアは自由を愛する者の家ですので」


駅前の連れ込み旅館だった頃からの"伝統"だw


「怪しい人物の出入りはありましたか?」

「よぉビルラ」

「いってら。サトミ」


真っ赤なミニのメイド服を着たオカマがチェックアウトw


「どーやら"当ホテル"は不審人物だらけみたいね」


☆ ☆ ☆ ☆ ☆


バスタブの死体は万世橋(アキバポリス)の検視局に運び込まれる。


「身元は不明。40代前半で健康体。結婚指輪はしてるけど名前の刻印はナシ。因みに"blood type BLUE"」

「溺死体はスーパーヒロインなの?ヲタッキーズに連絡して。また合同捜査だわ…で、死因は?」

「溺死です。後頭部に打撲症も見られる」


検視官を前に考え込むラギィ。


「犯人は、先ず被害者の後頭部を殴って気絶させ、ソレからオイルに沈めたって感じかしら」

「恐らくYES。ポケットの中にコレが入ってました」

「何?」


透明なビニール袋に証拠品が入っている。


「高速モノレールのチケット半券です。昨日の朝、西乙女ロードから秋葉原に来たようです」

「快楽のためだけにワザワザ聖地巡礼?」

「え。快楽?」


思わず聞き返す検視官。


「あのね。人妻がタワホテに泊まるのは絶対セックス目当てなの」

「そ、そーですか?でも、麻薬かもしれません…置いてあったワイングラスからはレミアンが検出されてます」

「睡眠薬ね?」


うなずく検視官。


「いずれにせよ、衝動的な殺人事件じゃナイわ。部屋は5日間も取ってあったし、モーターオイルも用意してる。計画的殺人だわ」

「人妻が不在なら家族が気づくハズょ」

「西池袋署に、昨夜妻が失踪したと届け出がありました。特徴は遺体と一致します。昨夜、仕事に出たきり、なかなか帰って来なかったから嫌な予感がしたそうです」


刑事の報告に溜め息をつくラギィ。


「かわいそうに。無言の帰宅って奴ね」

「もしくは、夫が犯人って線もアル。保身のために通報した。コレは偽装工作だ」

「テリィたん!」


現場に駆け込むや、一目で状況を把握し、誰も思い付かない貴重な視点を即座に提示スル僕。なぜかみんなウンザリ顔w


「テリィたんも乙女ロードに話を聞きに行く?」


☆ ☆ ☆ ☆ ☆


南秋葉原条約機構(SATO)は、アキバに開いた"リアルの裂け目"に起因スル脅威に対抗スルための首相官邸直属の防衛組織。

ヲタッキーズは、僕の推しミユリさん率いるスーパーヒロイン集団でSATO傘下の民間軍事会社(PMO)。僕がCEOを務める。


アキバで起きるスーパーヒロイン絡みの事件は"リアルの裂け目"関連とされ万世橋(アキバポリス)との合同捜査になるコトが多い。


「妻のリソンはどこで見つかったのです?」

「"秋葉原マンハッタン(駅前の高層タワー群)"にある摩天楼ホテル(タワホテ)です。ショートステイのシングルルーム」

「そんな場所に?」


被害者の氏名はリソン・リゾンと判明。リゾン氏を訪ねる。


「奥様が誰かと密会していた可能性は?」

「妻と私の間に隠しゴトはありません。私達は、幸せに暮らしていました」

「奥様は仕事のために"秋葉原マンハッタン"に出かけたとお伺いしてましたが」


リゾン氏は、溜め息をつく。


「私が大規模金融緩和で失業したため、妻はパートに出ていたのです」

「奥さんは、乙女ロードの生活に満足していましたか?」

「いいえ。あまり良くなかった…私達は、もともと"秋葉原マンハッタン"の住人だった。私がリストラされたばかりに…妻は、秋葉原へ行くと言って週3回マンハッタンのブティックで働いてました。72丁目の"レイズ"です。彼女は、ソコで働いていると昔のコトを思い出すと言っていた…」


泣きそうになり、必死に涙をこらえるリゾン氏。


☆ ☆ ☆ ☆ ☆


万世橋(アキバポリス)に捜査本部が立ち上がる。


「テリィたん。リソンの動きを追おうと思って、死ぬ直前の足取りを手繰ってみたの」


ヲタッキーズのエアリからコーヒーの紙コップを受け取る。


「72丁目の"レイズ"にも連絡したの。で、リソンの件でと店長に聞いてみたら…」

「2週間前から欠勤してた?」

「惜しい。"ソレ誰?"って言われたわ」


そりゃ盲点だったなw


「リソンはブティックに勤めてナイ。パートの話はウソ」

「じゃ週3回も秋葉原に通って何をしてたンだ?」

「彼女は毎週、数万円も稼いでルンだけど」


僕は、ヲタッキーズのエアリ&マリレと顔を見合わせる。

因みに、2人ともメイド服だょ。ココはアキバだからねw


「テリィたんの言う通り、やはりセックス系かも」

「(ソンなコト逝ってナイw)"郊外妻"だ」

「"郊外妻"?」


ラギィが話に割り込んで来る。


「"非タワマン妻"のコトだ。"タワマン落ち"して地表(池袋含む)で暮らす妻達。でも、彼女達はとってもワイルドだ」

「昼下がりの人妻シリーズ?恋人との逢瀬?不倫?」

「気分はもう"昭和"ね!カッコいい!」←


メイドがハシャげば妄想も膨らむ。


「出会いは、高級スーパーのレジ、あるいは雨宿りで偶然飛び込んだ博物館だ。あくまで出会いは偶然に」

「ソレょ(僕を指差すエアリw)!」

「学生時代の元カレかもしれない。そいつは、今では"秋葉原マンハッタン"の素敵なタワマンに住んでいて、彼女に以前の素敵な生活を思い出させてくれる。ソレは、今も続いていたハズの、もう1つの人生」


ココでゲルマン系で合理的思考に富むマリレが一言。


「テリィたん、甘いわ。現実には密会の代償として金銭の授受があった可能性が否定出来ないと考えるべき」

「いいや、ソレが違うンだな。リソンは、ソンな安っぽい情事は好まない。"彼"は、ソンな彼女を満足させるスペシャルな存在だったハズだ。常に自分を気にかけ、心配してくれて、大事に思ってくれる存在。だが、次第に"彼"は、さらなる見返りを求めるようになる。ソレは、彼女が絶対に同意出来ないコトだ」

「夫と別れてくれ、ね?」


僕は、エアリを指差す。


「その通り!鋭いな、エアリ。そして…」


「離婚を拒否スルと"彼"は逆上して凶暴化した」


冷静?なマリレの分析に僕は指をパチンと鳴らす…


「テリィたん、ヤメて!もう聞いてられナイわ。警察は、現実の世界で証拠を探してる。でも、ヲタッキーズは妄想してるだけ?その"妄想力"で恋人の住所でも妄想してょ」

「任せろ!」←

「ラギィ警部。ちょっと良いかな?」


呼びかけられ振り向くラギィ。


「リソンさん?何事です?」

「リソンの…妻の死を届けるために、弁護士がマイナンバー事務局に連絡したら、2時間前コレが送られて来ました」


警官に連れられ本部に来たリソン氏はラギィに書類を渡す。


「死亡証明書ですか?」

「YES。氏名はリソン・ポータ。ポータは妻の旧姓なのですが…2001年に死亡したとあります」

「ソレもわずか生後3ヶ月で?」


リソン氏は、悲しみと戸惑いがゴッチャになった顔だw


「だが、その子のマイナンバーは妻と同じ番号だ。妻は、私が思うような人間じゃなかった。彼女の人生全てがフィクションだったんだ!」


真実は"妄想"よりも奇ナリ←


☆ ☆ ☆ ☆ ☆


ルイナのラボ。秋葉原D.A.大統領補佐官である彼女のラボは、パーツ通り地下にあるSATO司令部に併設されている。


「じゃあ、その人は20年間も偽名を使い、別人として生きてきたワケ?スゴいわ」

「夫も相当ショックを受けてたみたいだ」

「20年も夫に素性を隠し続けるなんて、女スパイのマタ・ハリみたいね。もはや犯罪者だわ」


ココで僕の含蓄アル言葉。


「いやいや。女スパイと逝うより大女優だ」

「大女優といえば、テリィたんもなかなかの演技力だったじゃないの」

「え。何の話だょ?」

「ストリップポーカーでミユリ姉様をワザと勝たせたでしょ?」


あれ?いつの間にか相棒でハッカーのスピアまで加わり、僕に向けて鋭い射るような視線を飛ばして来る。たじろぐ僕。


「なんのことかな」

「手札、見たから」

「仲間の前で恥をかかせてはマズいと思っただけさ」


すると、車椅子&ハッカーの2人組の総攻撃を食うw


「ミユリ姉様は、テリィたんに守ってもらうような、弱い女じゃないわ!」

「その通り!そもそもスーパーヒロインに手ぬるい扱いは不要ょ」

「優しさナンだけどな」


救いのスマホが鳴る。


「はい…わかった、直ぐ逝く。マタ・ハリの正体がいよいよわかるカモ」


☆ ☆ ☆ ☆ ☆


捜査本部のモニターに文字が並ぶ。


"件名:time to meet

 メアド:LX 2200"


「リソンのメールアカウントが割れた。"DX"ょ。で、"DX"は死ぬ直前にメールをもらって、やりとりしてる。"DX、火曜日に変更して"。DXの返信は"OK。いつもの場所で"」

「火曜日はリソンが殺された日じゃないの」

「ふーん"DX"の妄想の恋人はメアドを持ってたワケか」

「YES。恋人のメアドは"LX 2200"。夫のリソン氏は、心当たりのないメアドだと言っている」


モニター画面がハッカーのスピアに変わる。


「"LX 2200"のIPアドレスから身元を割った。調べてみたら、なーんとテリィたんの商売敵で作家サンだった」

「作家?カルチャーセンターの"文章講座"をちょっち受けた程度じゃないの?」

「どーかしら。一応、代表作ってのがコレ」


モニター画面は"ミステリー案内"に変わる。


"ノンフィクション作家 リィラ・ワクス著「ニーハイ AND BLOOD」コスプレイヤーを襲った悲劇。秋葉原が恐怖に震えた!凶悪、殺人の真実の物語"


「何コレ?ヒドいな」

「小説に飽きて今度は自分で殺すコトにしたのかしら」

「次作は"即席殺人 DEATH over MOE"だって」


SFじゃナイな。ミステリー作家みたいだw


☆ ☆ ☆ ☆ ☆


タワマンのEVの前でチップを渡される。


「ラギィ。何だょコレ?」

「ミユリ姉様から預かった。この前のストリップポーカーの儲け。わかってるわよ。姉様をワザと勝たせたでしょ?」

「またかょ。みんな何でそう思うンだ?ルイナがそう言ってたのか?」


ラギィはクルリと向き直る。


「テリィたん。貴方は私達元カノをバカにしてる。姉様の分もまとめて私と勝負ょ!」

「え。ラギィって僕の元カノだったのか?でも、やりたいなら受けて立つょ。明日の夜はどうだ?」

「SF作家仲間と?」


まさか。鼻で笑う僕。


「連中が相手じゃラギィは3分で全裸だ。ソレより、ラギィを知ってる相手にしよう。街の仲間を集めるょ。僕にとっちゃカモだけど、アキバを仕切ってる連中さ」

「仕切ってる連中?」

特別区(アキバD.A.)の大統領、ミクス判事、レイカ司令官だ。君のボスと僕のボスと君の令状を出す人。どーだ緊張しちゃうか?でも、気が強いから平気か。何しろアキバに来る前は"新橋鮫"と呼ばれた君だモンな」


案の定、食いついて来るラギィ。


「テリィたんこそ、負ける準備でもして。あ、ココょ」


ドアをノックしたら…そのママ扉が開いてしまうw


「すみません。誰かいますか?」


誰もいない。だが、テーブルの上に何枚ものリソンの写真。夫とのツーショも多数だ。リソン関係の新聞スクラップも。


「リィラはリソンのストーカーだったのか?」

「テリィたん。ココから動かないで」

「ROG」


ラギィは音波銃を抜く。


☆ ☆ ☆ ☆ ☆


「ちょっと!アンタ、誰?」


雑な声かけとは裏腹な乃木坂風コーデの清楚系。瞬間怯むw


「そ、そっちこそ!」←

「私はリィラ・ワクス。アンタ、人の家で何してるの?」

「…女性だったのか」

「すぐ名乗らないと警察を呼ぶわょ」


ココで慌てて音波銃をしまいながら、ラギィ登場。


「警察です。リソンさんのコトで、お話を伺いにきました」

「リソン?じゃあちょっと待って。弁護士を呼ぶわ」

「弁護士?何でだ?」


買い物袋をフロアに落としてスマホするリィラ。


「何でって…ワカルでしょ?」

「自供スルつもりか?」

「自供?私が?違うわ…出版社から警察と話す時には、必ず弁護士を呼べと言われてるの」


出版社?


「あのね!私は、逃亡犯を匿ったりしてませんからね!」

「何の話だょ?」

「リソンょ。アンタ達、見つけたンでしょ?」


ラギィが割り込む。


「えぇ見つけたわ。殺されてた」

「殺されてた?!一体誰に? 」

「熱心なストーキングぶりを拝見スルと、犯人は君としか思えないンだけどな」


ラギィと2人がかりで睨み返すと、さすがにタジロぐ。


「私?私は…リソンの回想録を描いてただけ。ゴーストライターょ」

「ゴーストライターを立てて回想録?なぜ郊外妻が回想録ナンか描くンだ?」

「アンタ…じゃ彼女の正体、ホントに何も知らないのね?」


フワッと広がる紫のチュールスカートを翻し、リィラは僕達にスマホ画像を示す。額を寄せ合って覗き見る僕とラギィ。


「手配写真?"タワマン落ち"した"郊外妻"は、指名手配中の爆弾テロリストだったのかw」


第3章 彼女はテロリスト


万世橋(アキバポリス)の捜査本部。


「コレが被害者か。シンセ・アダン?」

「YES。2011年に環境テロリストの仲間2人と国際石油資本(オイルメジャー)の全自動U-boat(潜水)タンカーを爆破してます」

「確か湾岸戦争20周年への抗議テロだったな。覚えてる。1991年のペルシャ湾の原油流出に対する抗議だ」


何の何に対するテロだ?


「結果1人は死亡。1人は検挙。シンセ・アダンだけが逃亡に成功。しかし、結局そのシンセも死亡か。因果応報?」


☆ ☆ ☆ ☆ ☆


とりあえずリィラに任意で出頭を求め、取調室へ。


「U-boatタンカー爆破では、主犯のジャー・レッドが爆弾を作り、残り2人が仕掛けた。しかし、予想外の事態が起きた。無人のハズのU-boatタンカーに船長のサムイ・バイクが居合せ、爆発で全身に負傷。未だに障害が残っている」

「シンセ・アダンの居場所は?」

「いつも彼女から私に連絡があったわ」


ナゼか上から目線だw


「シンセは、自首しようと決めてた。でも、その前に回想録を発表するコトにしたワケ。世間様に反省の色を示そうとしたのね」

「裁判員の同情を買うためか?」

「テロの実行犯が同情ナンか買えるの?」


僕とラギィのワンツーパンチ。


「と、とにかく、犯行の当日、シンセは中止しようとした。船長が乗船してると知り、仲間のスザンを止めたの。でも、スザンはテロを強行し、自ら爆発の中で死亡。バラバラに吹き飛ばされて消えたワケ」

「…シンセは、なぜ今頃になって自首をしようと思ったのかしら?」

「現金が欲しかったのね。かなり困ってた」


死人を金の亡者のように逝うw


「でも、何にお金が必要だったのかな。いくらぐらい?」

「1週間に2万円前後かしら。でも、印税を考えれば端金ね。ベストセラー作家であるアンタには、説明する必要がナイでしょうけど」

「まぁそーなの?」


ラギィは僕を見る。一応、鼻で笑っておくw


「最後に会ったのはいつですか?」

「火曜の午後ょ」

「その後、彼女が誰かと会った可能性はありますか?テロに関わった人とか?」


ゴーストライターは、首を横に振る。


「いいえ、ないわね。彼女は、回想録の脱稿前に捕まるコトを極度に恐れてた。私にも過去の関係者に話をするなと何回も念押しをしてたわ」

「でも、連絡した。君のようなノンフィクション作家がウラも取らズにモノを描くハズがナイ。必ず証言のウラは取るだろう?」

「た、確かに何本か電話をしたカモ」


ホラ見ろ。


「その中に彼女を恨んでいた人は?」

「たとえ恨んでいても、誰もシンセの居場所は知らなかった。アタシだって知らなかったモノ」

「取材メモや原稿を見せてください。何なら令状を…」


慌ててバックから仮綴じの冊子を取り出すリィラ。


「資料を全て提出する代わりに、捜査の進行状況は逐一教えて欲しいわ。交換条件ょ」

「令状が出たらソンな条件は出せないわ。でも、どうして捜査状況を知りたいの?」

「回想録のためょ。適宜描き加える」


僕は呆れる。


「未だ回想録を描き続けるのか?依頼人は、既に死んでルンだぞ?」

「彼女が殺されたからこそ、意味を持つの。もうコレは回想録ではなく、モノホンの殺人事件を描くノンフィクションになるわ。お願いょ。私にスクープをゲットさせて!」

「力になりたいけど、既に警察につけこもうとつきまとう作家が大勢押しかけてて今は空きがナイの。資料の提供はありがとうございました。また、お会いする日まで」


取調室から出て逝くラギィ。取り残された僕とリィラは初めて互いに見つめ合う。突然ブラウスの胸をはだけるリィラ。


「なかなか利口な手を使うのね。アナタのベストセラーの秘訣はコレ?美人刑事の後をついて、美味しい情報を嗅いで回る」

「ベストセラーの秘訣は才能だ」←

「警察に出入り自由なんてミステリー作家にとっては夢なのょ。連絡をちょうだい。暇が出来たら」


机に手をついて立ち上がるリィラ。胸の谷間が露わにw


「プロとして話がしたいわ」


さらに二の腕で胸をギュッと寄せ上げ。胸の谷間はMAXw


「それとも、女ボスの許可が必要?」

「とりあえず、連絡先プリーズ。女ボスには僕から聞いてみるから」

「カカァ天下なのね」


ネームカードを受け取る僕。リィラは出て逝く。


☆ ☆ ☆ ☆ ☆


万世橋(アキバポリス)の捜査本部。


「主婦の仮面をかぶった環境テロリスト。コレだけの物語なら、僕も映画化権を買いたいくらいだ」

「でも、肝心のU-boatタンカー爆破計画はお粗末だわ。スザンは爆発に巻き込まれて命を落とし、主犯のジャーは15年も服役」

「一方で、リソンことシンセは20年近く潜航」


ラギィが続ける。


「しかし、ようやく姿を現した数ヶ月後に殺された」

「彼女が回想録を描こうナンて思わなければ、全ては地下に潜ったママだった」

「でも、その間も怒りを忘れズ恨み続けたのは誰?」


捜査本部のモニター画面に"船長、爆発で全身を負傷"の見出しが映し出される。当時の新聞切り抜きのコピーだ。


「人生を台無しにされた人ね」


☆ ☆ ☆ ☆ ☆


妻恋坂に近い裏アキバの安アパート。車椅子の元船長サムイ・バイクは年老いた妻と事情聴取に応じる。


「駅前の摩天楼?そんな近くで?」

「何ヶ月か前から、シンセはゴーストライターを雇って回想録を執筆していました。御存知でしたか?」

「はい。リィラとは何回か話しました。でも、シンセ本人が関わっていたとは初耳です」


老妻の受け答えを元船長がおもむろに遮る。


「話すべきだった。悪いが私は失礼する」


狭い部屋の中を車椅子で器用に奥の部屋に消える。


「まだ辛いんです。私達家族にとって、事件は過去のものじゃありません」

「この写真立ての写真は…息子さん?」

「はい。息子のムダアです。賠償金だけでは夫の医療費が払えず、息子は10代からズッと働き続けて家計を支えてきたのです」


☆ ☆ ☆ ☆ ☆


家計を支えるムダアは和泉橋の下でボート修理に勤しむ。


「ムダアさん?警部のラギィです。コチラはテリィたん」

「え。あのSF作家の?…で、彼女の件?シンセだかリソンだか言う女?」

「アソコに住んでたって知ってました?」


神田リバーの川面に映る摩天楼を指差す。


「どうでもいいよ。興味ナイ」

「貴方のお父さんを殺しかけた人なのょ?ソレでも、どうでもいいかしら」

「僕達家族は、シンセが見つかるのを10年待った。親父が少しでも報われるようにと思って…でも、もう遅い。ねぇ今度は何の用だい?」


ボートを修繕スル手を休めない。


「シンセの死因を知りたい?バスタブでモーターオイルによる溺死なの」

「モーターオイル?」

「犯人はU-boatタンカー爆破事件の関係者らしい。そして、爆破事件にも特別な思い入れがあるようだ…今、ガレージにモーターオイルはある?」


そーゆーコトかと溜め息をつくムダア。


「ボートを扱ってるから当然だよ」

「先週の火曜日はどこに?」

「…"フォックステイルグリル"でバーテンダーのバイトをしてた。毎週やってる。もういいか?忙しいンだ」


ムダアは目の前のボートに視線を落とす。


「えぇ。今のトコロはね」


☆ ☆ ☆ ☆ ☆


「あの息子が犯人だったら、少し悲しいな」


捜査本部に戻り、ギャレーで大好きなパーコレーターで淹れた出涸らしコーヒーを飲みながら呟くとラギィは驚いた顔w


「意外ね。あの息子が犯人なら最強ストーリーじゃナイの?父の無念を晴らす息子。テリィたんは大喜びと思ったのに。あ、母の無念を晴らす娘がベストかw」

「あのさ…確かにミステリー作家なら最高のネタだろうが、僕はSFだぜ?ソレに、あの家族には、そろそろ幸せが訪れるべきだ。ハッピーエンドにしてあげたいな」

「ラギィ!桜田門(けいしちょう)から、例のU-boatタンカー爆破事件の資料が届いたわ」


ギャレーまでマリレが呼びに来る。


「ソレで?読んでくれた?」

「スーパーパワーで超速読した。事件の3日後、モーテルにいたジャーが逮捕されてる。奴の潜伏先に関して、住民からタレコミがあって楽々捕まえたみたい」

「あら。ウルトラ普通な展開ね」


やや拍子抜け。でも、マリレは続ける。


「でもね。この件、懸賞金がかかってたンだけど、通報者は天文学的な額の懸賞金を取りに来なかった」

「通報者の名前は?」

「不明。桜田門(けいしちょう)の資料によると"彼女"は名乗らなかった」


思わせぶりなマリレの口調。仕方なく突っ込む僕←


「"彼女"?」

「記録には、こう残ってた。通報者は"若い女性"…シンセかもしれない」

「でも、彼女がテロ仲間を売るかしら。ジャーはどう?奴は15年も服役したのょ?」


僕はうなずく。


「なるほど。1人で怒りを募らすには充分な時間だ」


☆ ☆ ☆ ☆ ☆


摩天楼の谷間。ゴミ捨て場とゴミ捨て場に挟まれた路地裏。

ホースで水を撒く作業着の男。一瞬差す朝日に目を細める。


「ジャー・レッドさん?」

「はい」

万世橋警察署(アキバP.D.)。シンセの話を」


男は水撒きをヤメない。


「シンセとは、もう20年も会ってません。大した話は出来ません」

「彼女の回想録の話は知ってた?ゴーストライターのリィラとは話をした?」

「はい。シンセによろしくと伝えました」


淡々と話す。モチロン、逃げる素振りもナイ。


「では…貴方はシンセを恨んでナイの?」

「シンセを私が?なぜ?」

「当局に貴方を売ったのはシンセょ?だから、貴方は服役した。貴方の隠れ家をタレ込んだのは彼女」


ジャーは、遠い目をしたママ話す。


「もしそうなら、ソレは自分を守るためだったのでしょう。事件の直後、シンセは半島に逃げたがってましたから。でも、俺が全てをダメにしてしまった」

「貴方が?なぜ?」

「罪悪感のせいです。爆弾を作ったコトへの罪悪感。テロが失敗したのは、全て私のせいナンだ」


微かに熱を帯びてくるジャー。


「なぜ?あの日、現場で何があったの?」

「起爆までの設定は3分でした。でも、逃走用の車に戻って来たシンセは、爆発が設定より早かったと私を責めた」

「と言うコトは…」


ジャーの視線は、僕の眼底を貫く。


「はい。私がスザンを殺したのです」


第4章 失われた航海


「"LOST CRUISE LOST LIVES My untold story"by シンセ・アダン with リィラ・ワクス」


「結局1人は事件の責任を取ったワケですね、テリィ様」

「うん。でも、取り過ぎって気もスルんだょミユリさん」

「テリィ様は、ジャー・レッドの話を信じてナイのですね」


潜り酒場(スピークイージー)"のカウンターでミユリさんは溜め息。


「だって、全部シンセの話の受け売りナンだぜ?」

「ワイン飲んでる人にもわかるように話して」

「あらあら。もうスク水?」


スピアがワイングラス片手に割り込む。

彼女は酔っ払うとスクール水着になる←


「シンセの話だと、シンセは船長が乗船していると知り、計画の中止を求めた上で、テロから手を引いたと言っている。一方で爆弾テロを強行したスザンは、結果として逃げ遅れて死亡したとスル」

「ミユリ姉様、ワインおかわり」

「しかし、爆発直後にシンセと会ったジャーは、シンセは爆弾が予定よりも早く爆発したとは言ったが、テロの中止をスザンに求めたとは言っていない」


ミユリさんは、ワインを注ぎながら相槌を打つ。


「なるほど。大胆な省略があるワケですね?」

「YES。執筆とは選択するコトだ。作品の出来は、何を入れ何を入れないか、いつ、どこで、何を伝えるか伝えないか、コレに全てかかってる。つまるトコロ、何を明かし何を隠すかだけど、ゴーストライターのリィラにはその選択権がなかった」

「リィラ?あの"谷間"のノンフィクション作家ですね?」


え。ミユリさんは何を知り、何を知らないのか…


「そ、そ、そ、そうだけど、ノンフィクションの連中は、所詮は自分が聞いた人の話だけを"真実"として扱わざるを得ない」

「まぁノンフィクション作家って、何て可哀想な人達ナンでしょう!悲劇だわ」

「ノンフィクションなんて悲しい仕事さ」


大きくうなずくミユリさんw


「でも、今やリィラは何でも描ける。なぜなら、彼女が描くのは、もう回想録ではナイのだから。現実の事件に基づくミステリー小説。その方が退屈な回想録より遥かに面白い。ずっと世間の注目を集めるコトだろう」


☆ ☆ ☆ ☆ ☆


朝焼けが捜査本部の窓を染める。どーやら徹夜←

僕はラギィのデスクに座って書類を読んでいる。


「テリィたん、おはよう。珍しいね本部で徹夜とは」

御屋敷(スピークイージー)はミユリさんが"谷間敵視"で、色々うるさくて…リィラの取材メモを見てたンだけど、基本的にジャーの供述と一致してるのに、爆発が早かった部分が削られてる」

「シンセの話に矛盾が出て来たからょ。最初シンセは1人で爆弾を仕掛けたみたいに言っていたし」


僕は"独自"の調査結果を披露。


「出版社に確認してみたら、文章の全権はシンセ側にあるって契約らしい。リィラはシンセに言われた通りのコトしか描けない、つまり、御用作家みたいなモンだ。真実を追求するノンフィクション作家と逝うのは建前だ」

「え。テリィたん、出版社と話したの?ゴーストライターの契約って私契約ょね?出版社が私契約の内容を良く歌ったわね」

「あのさ。僕はベストセラー作家ナンだぜ?一応その業界の人間だ」


フト見るとラギィは、コーヒーを2つ持っていて、差し出すのはスタボ(スターボックス珈琲)のアイスリストレットショート2%ラテだ。


「お、thank you。新橋時代を思い出すな…とにかく、担当の編集に聞いたら、出版社は回想録の内容にかなり御不満らしい。真相の告白本を狙ってたのが、内容が主観的過ぎてつまらない。出版が危うくなってたようだ」

「原稿は御蔵入り?」

「多分ゴーストライターのリィラは、かなり焦ってたハズだ。フリーの彼女には出版停止は悪夢さ。即、路頭に迷うからね…あぁ美味いなリストレット」


薄いエスプレッソのカフェインが徹夜明けの脳に染みる。


「コレでミユリ姉様も溜飲を下げるわね…」

「え。何で知ってるの?ところが!シンセが死んで、原稿に新たな価値が生まれたワケだ。主婦となった環境テロリスト、秋葉原を震撼させた爆弾"郊外妻"の真相!ジャジャーン!」

「つまり、シンセの死はリィラにとっては起死回生のチャンスとなった?」


ラギィは考え込み、僕の瞳を覗き込む。


「つまり、殺人の十分な動機になり得る?」


僕がうなずく前にラギィのスマホが鳴る。


「ラギィ…あ、そう。連れて来て」

「何だょ?」

「ムダアのアリバイが崩れたわ。火曜日はバーテンをしてなかった」


☆ ☆ ☆ ☆ ☆


早朝の取調室に連行されて来るムダア。フテ腐れてるw


「シンセの家も知らないのに、どうやって殺すんだ?」

「今さらウソはヤメて。貴方、西乙女ロードに行ってたわね?池袋署の警邏が、貴方にとってもよく似たプー太郎を近くで目撃してる。もう1回お巡りさんに会ってみる?お巡りさんの方は貴方を良く覚えてるわょ?」

「ヲタクを身なりで判断して、低俗な先入観に凝り固まる。アンタら警察の悪いトコロだ…俺はシンセと話したかっただけだ」


確かに、警官の的外れな先入観は、捜査を歪める。


「なぜシンセの住まいを?」

「あのノンフィクション作家だ。あの女が谷間をチラ見せしながら事件について話す、その口ぶりが、まるで現場にいたかのようだった。ソレで、あの女を尾行したらシンセに行き着いたワケさ」

「その段階で、貴方は通報スルべきだったわ」


しかし、リィラって谷間を見せまくりナンだなw


「とにかく、俺は本人を見たかった。直接言いたかったんだ。金で許されると思うな!そう言いたかった」

「お金?お金って何?」

「彼女の住まいを見つけた時、迷った挙句にお袋に伝えたんだ。すると、お袋は泣きながら、あの事件以来、金が毎月送られて来ると話してくれた。額は月によって違ってたらしいが…」


罪滅ぼしのお金w


「お金の送り主はなぜシンセだと思うの?」

「最初に手紙が入ってたそうだ。"許して"とメモがあったらしい。スザンは死にジャーは服役中だ。シンセしかいないだろう?」

「その手紙があれば逮捕出来た。何年も前に!」


ムダアも負けズに吠える。


「俺達には金が必要だったんだ。通報したら、お金が来なくなる!」

「なぜ火曜日のアルバイトをアリバイに使ったの?ホントは何処にいたの?」

「現場だ。ホテルにいた。どーしてもシンセと話がしたくて1時間ほど廊下をうろつき、やっとドアを叩こうと決心がついた。ホントだ。でも、誰かが先に訪ねて来てたんだ」


コイツは全てを知っている?


「アナタ、犯人を見たの?」

「遠くからだ。話し声が聞こえた。1つ確実なのは…」

「何?」


ムダアはゆっくりと息を吐く。


「女だった」


その瞬間、壁の鏡が裏からドンドンたたかれる。


「リィラよっ!」


マジックミラーの向こうからミユリさんが叫ぶw


「ねぇリィラょ!谷間のリィラ!」


ラギィはマジックミラーに向かって静かにしろと睨む。

僕は、髪をいじりながら、ムダアの方を向いて微笑むw


☆ ☆ ☆ ☆ ☆


取調室の主はムダアからリィラに変わる。


「私が殺人? ナニ考えてんの?アタマ大丈夫?」

「フン。現場で貴女を見た人がいるのょ」

「動機!手段!機会!犯罪の3点セットが全て揃ってルンだ!」


コチラもラギィからムーンライトセレナーダーに交代。

僕と2人でヤイノヤイノとゴーストライターを攻めるw


「ヤメてょ!こんなトンデモナイ展開を考えつく人は、SF作家ぐらいのモンだわ!」

「君が言うほど馬鹿げてないさ。殺人で本が売れるようにと考える方がトンデモナイ。シンセの死で、やっと自分に運が向いてきたと思ってルンだろ?」

「私は真実をルポするノンフィクション作家。SF作家の豊かな発想にはついていけないわ」


ムーンライトセレナーダーが身を乗り出す。


「貴女の本は契約破棄寸前だったそうね」

「真実か怪しいと私が言ったからょ。シンセの涙は自分のため。あの回想録の目的は、自分が監獄行きを免れるためなのょ!」

「でも、シンセはサムイ元船長に毎月送金スルぐらいには、後悔していたみたいょ」


すると、明らかに動揺するリィラ。


「送金…って?」

「事件後、シンセは毎月サムイ元船長に送金してた。貴女のメモにはないコトだけど」

「ソンなコト、まるで聞いてないモノ!…送金してたってホントなの?」


僕とムーンライトセレナーダーは、大きくうなずく。


「とにかく!火曜日、私は真夜中過ぎまで、編集者と食事をしてた。殺せないわ」


谷間に罪ナシw


☆ ☆ ☆ ☆ ☆

 

潜り酒場(スピークイージー)"で作戦会議。


「もし、僕が回想録を描くとか逝いだしたら、ミユリさん、絶対に止めてくれ」

「でも、テリィ様の回想録って私は読んだみたいな。何で止めなきゃナンですか?」

「今回のコトで思ったンだけど、回想録って真実が重要だけど、僕は正直者じゃない。かなり盛ってしまいそうだ」


ミユリさん(変身を解きメイド服。萌えw)はクスクス笑う。


「大盛りにしちゃいそうですね」

「想像的飛躍と呼んでくれ…そして、良い行いは思いっ切りアピールしちゃう」

「例えば、匿名で被害者に送金スルとかですね?」


やはりミユリさんとは波長が合うな。


「あの回想録の目的は、つまるトコロ、世間の同情を集めるコトだ。遺族(死んでナイw)への送金の件は、絶対に削れないハズだな」

「確かにシンセがリィラに語らなかったのはヘンですね」

「送金してたのは…シンセではナイのカモ」


☆ ☆ ☆ ☆ ☆


そのママ、定例のストリップポーカーに雪崩れ込む。

程なく元カノ3人と今カノが全員ブラとパンティだw


コレは眼福を超越スル"全身福"だw


「大統領、他に誰が遺族(死んでナイw)に送金出来ると思います?」

「他に協力者とかいないの?あ、検事総長、ちょっと待って。貴女を任命したのは私ょ?」

「その言い方はパワハラですね。南秋葉原条約機構(SATO)の調査では、協力者はいません」


解説しよう。発言順にミクス検事総長、アカリ秋葉原D.A.大統領、レイカSATO最高司令官だ…全員ブラ&パンティw


色とりどりw


「あの、話題を変えても良いですか?」

「ダメょムーンライトセレナーダー。大統領の予算教書の話が始まっちゃう。アレだけは御免なの」

「言うわね、レイカ。月の裏側に開いた"リアルの裂け目"を何とかしてょ」


え。"リアルの裂け目"は、月世界でも開くのかw


「タブハベースが応戦中です…とにかく、SATOの調査は信じてょ。でも、シンセの話って怪しいわょね。だって、ゴーストライターだって疑ってルンでしょ?」

「最高司令官の言う通りだわ。テリィたん、裏が取れてるコトって何だっけ?」

「確かにワズカだ。リィラの取材メモに拠れば、女性2人は爆破前に口論し、シンセがテロ中止を主張したコトになってる。レイズ20ピーシス」


高めに仕掛ける僕。しかし、見事に全員ツルペタだな。


「もし、ソレがウソなら?スザンがテロ中止を求め、シンセが逃げたのカモしれない」

「なるほど。起爆装置はもう動いてた。でも、2人は口論で時間を浪費。スザンは急いで起爆装置を止めに行き、その間にシンセは逃走w」

「結局、スザンは間に合わズにボッカーン!」


無邪気に万歳ポーズの秋葉原D.A.大統領w


「スザンがテロを止めようとしたのか!全ては罪のない船長を助けるために?」

「では、送金していたのは誰ですか?私、フォールド」

「ラッツ、得意の妄想力を働かせてみてょ。貴方の得意分野でしょ?私もフォールド」


何て言い草だ。アカリを睨む←


「テリィ様。ついでに勝負はどうなさいますか?どうも、残るは私とテリィ様だけみたいです」


元カノ達は一斉にニヤニヤする。


「ムーンライトセレナーダー。全額All Inだ。どうした?"豪快ピンク"が推しナンだろ?」

「テリィたんを泣かせてやれ!ムーンライトセレナーダー」

「ムーンライトセレナーダー、頼んだわょ!」


ブラとパンティの応援団w


「分りました!」


ムーンライトセレナーダーはカードをチラ見。視線を落とす。


「ごめんなさい。無理でした」


元カノ達は一斉に頭を抱える。ザマーミロw


「何てコト!テリィたん、貴方って勝ち疲れしないの?」

「しないな」←

「では、みなさん。私はこれで失礼スルわ。テリィたん、楽しかった」


大統領、退出。意義を正し見送る僕…パンツ一丁で笑


「私もです。大統領閣下。事件が未解決のママで残念だ」

「私もラッツがパンツを下すトコロ、久しぶりに見損ねて残念だわ。ま、ラッツはどんなに負けても、必ず蘇るヒトなんだけれど」


その瞬間ヒラメく!


「そうか!ソレかもしれない!」

「何が?」

「ジャーは蔵前橋(重刑務所)。スザンは死んだ…でも、もしスザンが生きていたら?」


ムーンライトセレナーダーが微笑む。


「テリィ様。話は全然変わって来ますね」


☆ ☆ ☆ ☆ ☆


捜査本部のギャレー。スーパーヒロイン達の井戸端会議w


「え。スザン・ミラーが生きてる?」

「でも、遺体は見つかってナイのょ姉様」

「きっと爆発で粉々になったンじゃナイかしら」


聞くに耐えないw


「U-boatタンカーの爆発で吹き飛ばされただけで無事だったのカモ」

「テリィたん。だとすると治療は?犯人もスーパーヒロインだったのかしら」

「20年前じゃ未だ"リアルの裂け目"は開いてナイわ。一応、近隣の病院、と言っても市場時代からやってる老舗のムチャ医院だけど、カルテは残ってないって」


ラギィもマグカップ片手に絡んで来る。


「ねぇスーパーヒロイン達。パワーだけじゃなくてアタマも使って。今、警察に必要なのは証拠なの」

「そっか」

「じゃ証拠を探しに行こう」


☆ ☆ ☆ ☆ ☆


とりあえず、元船長宅を訪れ、犯人が残す証拠的なモノに最も近いと思われる毎月の送金レターを拝見スル。

ムーンライトセレナーダー以下ヲタッキーズのエアリ&マリレのメイド3人と僕を穏やかに迎える元船長妻。


「あのお金は、私達が生きるために必要だったんです」

「おぉ。今どき郵便為替wにしても、全国アチコチから送金して来て住所がバラバラだね」

「ん?テリィたん。でも、最近のモノは違うわ」


なるほど。今年に入ってから同じ局からの送金だ。


「大阪難波の日本橋?西の秋葉原からだわ。犯人もメイドだったりして」

「よし!久しぶりの東海道新幹線だ!先ずトイレを済ませておこっと」

「テリィ様。今日は"ロケットパンツ"を履いて来ました。でも、トイレは先に済ませてください」


☆ ☆ ☆ ☆ ☆


"ロケットパンツ"は、ムーンライトセレナーダーが発する強電圧が生むイオンクラフト効果で飛行するシステムだ。

ミユリさんは"リアルの裂け目"の影響でスーパーヒロインに"覚醒"した腐女子で、体内に強力な発電器官を持つ。


まぁ1種の電気ウナギ女子だ。そーゆーと本人は嫌がるがw


「見たコトないズラ」

「確かなの?はるばるアキバから来たのょ?ソレならこの人はどうかしら」

「コレは若かった頃の画像だ。今は少し歳をとってるカモ」


先ずリィラの画像に首を横に振った怪しい方言の郵便局員はスザンのテロ戦士時代に公安が撮った画像をシゲシゲ見る。


「今は歳を食ったって、どの程度ズラ?」

「20年だな」

「…ヤッパリわからないズラ」


ミユリさんが珍しくnegativeにつぶやく。


「テリィ様のSF作家としての勘もココまで?」


背中を向ける。ヒドい対応だ。何かあったのかな。


「ねぇねぇ。傷があったり後遺症を患ってるカモしれない。あと足を引きずってたりさ!」

「昔、事故に遭ったりして?アリラ・ライトかもズラ。毎月、秋葉原に送る郵便為替を買いに来る客がいるズラ」

「住所、わかりますか?」


☆ ☆ ☆ ☆ ☆


万世橋(アキバポリス)の捜査本部。アリラ・ライトの取調べ。


「今、思えば幼稚でしたけど、当時は世界を変えられると信じてやっていたのです」

「アリラさん。私達が聞きたいのはシンセのコトです。彼女はモーターオイルで溺死した。そのコトは御存知ですょね?」

「鑑識の分析が終われば必ず証拠が出る。貴女とシンセの死をつなげる証拠がね。何か話すなら、今しかナイ」


僕とムーンライトセレナーダーで交互に攻め立てる。


「理解できませんでした。なぜ彼女が蒸し返したのか。でも、彼女は昔から恐ろしく頑固なの」

「爆破テロの日も頑固だった?」

「YES。船長を見かけたンです。船長がU-boatタンカーに乗艦スル姿をね。だから、ためらうコト無く私はタンカーに戻りました。でも、間に合わず爆発で私は吹き飛ばされた。覚えています。赤い炎が私の肌を這う感覚。今でも目を瞑れば熱を感じる。今でも」


この時、僕は彼女が全て話す覚悟で来たコトを知る。


「治療も受けズに、どうやって生き延びたの?」

「セクトに医学生の友人がいたンです。そして、名前を変えて地下に潜った」

「スザン・ズサンは、アリラ・ライトになった」


アリラはうなずく。


「YES。名前もマイナンバーも、全部セクトが用意してくれた。死んだ人間が身を隠すのは簡単。あとは昔の知人と一切連絡をとらなければOK。両親とも縁を切った」

「でも、貴女は唯一、バイク家に送金を続けた」

「船長には、御子息がいたし医療費は高額だから…でも、このママの生活が死ぬまで続くハズでした。シンセが回想録さえ描かなければ」


スザンは、半分爛れた顔で微笑む。


「シンセが回想録を描き始めたコトは何で知ったの?」

「ゴーストライターがネットでハデに情報を集め始め出した。昔の仲間のフリをして連絡をとったら、直ぐにゴーストライターはシンセと繋がってて…しかも、シンセが彼女にウソをついているコトがわかった」

「だから、本人を探した?」


うなずくスザン。


「YES。回想録の出版を中止しないなら、警察に出頭して全て洗いざらい話すと通告したのです。すると、シンセは会って話をしようと懇願して来た。2人で話したいと」

「ウォルドルフ・アストリアを予約したのは君か?」

「まさか。シンセょ。全てシンセの計画だから」


シンセの計画?


「彼女は何を計画していたの?」

「私の殺害。だから、部屋に着いたらワインを渡された。2人の再会に乾杯とか言われて…でも、私は飲めないの。だから、帰ろうとしたら力づくで止められた。私は浴室に逃げました。すると、その時にオイルの浴槽を見たの。オイルでいっぱいの浴槽を。ようやく私は理解した」

「シンセは、最初から話すつもりは無く、自殺に見せかけて君を殺すつもりだったのか。あのワインは睡眠薬入りだ。飲んでいたらオイルの浴槽に沈められていた」


スザンは溜め息をつく。


「私は、船長に対する罪悪感に押し潰され、ついに自殺したと世間は思うワケね」

「そして、まるでソレを狙い澄ましたかのようなタイミングでシンセの回想録が出版され、読者の涙を誘い、君は汚名を着る。死人に口なしだ」

「揉み合う内にシンセがバランスを崩して、シンクに頭を打った。その時、通報すべきだった。でも、もう私は過去を葬り去りたかった。全てを終わりにしたかった。だから、彼女を浴槽まで引きずり、オイルの海に沈めたの。あとは火をつけるだけだった。あの日、オイルの海で私は死んだの。そして、死んだママでいたかった」


☆ ☆ ☆ ☆ ☆


婦警に引き立てられ、取調室から出て来るアリラ・ライト。

後に続く僕とムーンライトセレナーダー。すれ違いざまに…


「アリラを逮捕したんですって?」

「朝のローカルニュースを見なょ。全てワカルから」

「ウソでしょ!テリィたん、私はアレだけ協力したのに貴方は私に何も教えてくれないの?」


リィラ。残念なゴーストライター…あれ?ミユリさん?


「貴女が谷間の編集者ね?何だ、大したコト無いじゃナイ…私、思うの。貴女さえいなければ、この事件は起きなかったハズだって」

「どーゆーコト?ってかアンタ、誰?私のせい?」

「YES。貴女は、連絡を取った人達に、ワザとシンセの存在をほのめかした」


変身を解いたミユリさん。ムキになるリィラ。何と無く本妻と妾のケンカ的な流れだw


「だから、何なの?」

「貴女は、誰かがシンセの存在に気づき、通報スルのを待っていた。シンセが捕まり逮捕されれば、貴女は回想録を好き放題に描き直せるモノ。結末も格段にドラマチックに出来るわ。しかし、貴女自身が通報スルのはNG。話がヘンだモノね」

「とっても素敵な仮説。でも、たとえ事実だとしても、私は法に触れていない。殺してないし、違法行為も一切してナイわ」


ナゼか胸を張り谷間強調のリィラ。


「モチロン、違法じゃないわ。ただ姑息なだけ。寄せて上げ過ぎたブラみたいに」


ミユリさんは、僕が預かったネームカードを突き返す。


「貴女のフリーパスは取り消しょ。さようなら」


踵を返し出て逝くリィラ。ミユリさんが呼び止める。


「あ。あともう1つ。ウチのTO(トップヲタク)、いつか近い将来、このネタ使うから」


使わないさ。こんなネタw


☆ ☆ ☆ ☆ ☆


その夜の"潜り酒場(スピークイージー)"。


「スザンは、ずっと誠実に生きようとした。長年過ちを償おうとしてた。シンセの欲が彼女の人生をぶち壊しにした」

「テリィ様。ハッピーエンドをお求めなら無駄です。リアルなんてコンなモノですょ」

「ミユリさん。確かに今回の事件は、現実とはかけ離れてたょね。偽りの郊外生活。別人としての人生。偽装自殺。怨嗟と報復のスパイラル。最初からハッピーエンドは無理だった」


カウンターを挟んで僕とミユリさん。ラギィが割り込む。


「ずいぶん楽しそうだけど、私は明日、シンセの旦那に奥さんはソシオパスでしたと伝えに行かなくてはならないわ」

「でも、更生したジャーに、スザンは死んでなかったと伝えられるぞ」

「そのスザンが犯人だけど?」


ヲタッキーズがまぜっ返すw


「あのさ。そう逝えば先日、TOにnegativeにささやいた"推し"がいたな。ヲタクに夢と希望を与える"推し"にあるまじき行為だ」

「アレは、テリィ様のホンキを引き出すために仕方なく…御主人様の面目を潰さないであげたのに」

「メイド長、問答無用だ!さぁ今から決着をつけよう」


僕はポケットからトランプを出す。


「1対1の真剣勝負だ。敗者総脱ぎのマノ・ア・ムヘール」

「え。どーゆー意味ですか?」

「気にするな。やってやる!」

「わかりました。情けは無用です。痛めつけてやるわ」

「こっちのセリフさ」

「何を賭けますか?私は、このメイド服。テリィ様は?」

「クマのグミ」←

「え?」


トランプをもぎ取るミユリさん。


「Texasホールデム?」

「イカサマなしで行こう。カードを配る時は上からだ」

「テリィ様こそ何か仕込んでルンじゃナイの?」


何?ソコまで疑うとは。


「じゃお互い脱いで証明するか?」←



おしまい

今回は、歌舞伎でよく演じられる"女殺油地獄"にインスパイアされて、オイルで満ちたバスタブで溺死するスーパーヒロイン、彼女が演じた郊外妻、相棒のテロリスト、回想録のゴーストライター、爆弾犯、潜水タンカーの船長、その妻、その息子、10年前の環境テロ事件を追うヲタッキーズ、超天才や相棒ハッカー、敏腕警部などが登場しました。


さらに、ヒロイン達が好んで集まるストリップポーカーの模様などもサイドストーリー的に描いてみました。


海外ドラマでよく舞台となるニューヨークの街並みを、記録的猛暑が過ぎつつある秋葉原に当てはめて展開してみました。


秋葉原を訪れる全ての人類が幸せになりますように。

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