表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

お題シリーズ3

かつて好きだった人R2

作者: リィズ・ブランディシュカ



 世界か一人の人間か。


 ごくたまに、究極の選択を迫られるって事が、人生にはある。


 私達が、その選択をせまられた者達だった。





「殺してでも、お前を止める」

「私は、貴方を殺して、世界を救う」


 私達は、ついこの間まで恋人同士だった。


 けれど今は、魔法やら剣やらを武器にして殺し合っている。


 彼は、私を助けるために。


 私は、世界を助けるために。


 二つの意見は相いれない。


 和解するなんてできなかった。


 話は変わるけれど、


 世界はいま、大変な事になっている。


 魔王が暴れていて、あちこちがめちゃくちゃ。


 人々は魔王が操るモンスターに、大勢殺されていた。


 今生きている人達は、眠れない夜を過ごしているだろう。


 でも、私一人が生贄になって魔王を封印すれば、これ以上の犠牲は出なくてすむらしい。


 私は聖なる魔法の使い手で、かなり素質がある人間だった。


 その力を利用して、自分と共に魔王を封印すれば、世界に平和をもたらす事ができるのだ。


 だから私は、世界を選んだのに。


 目の前でナイフを持っている彼は「世界より、お前の方が大事だ」って言うの。


 私は攻撃魔法を放ちながら「私が死なないと世界の人達が困るのよ」と言う。


 でも、私って特殊体質なんだよね。


 二十四時間以内に二回死なないかぎりは、生き返る事ができるっていう体質。


 だから彼は「殺してでも止める」って、ナイフを取り出したの。


 殺した後は、一時間くらいかけて復活するから、その時間を利用して私の体をどこかに閉じ込めておくか、縄で縛るかして行動を制限するつもりなのかな。


 なんであっても、酷い状況だよ。


 かつて好きだった人と、命をかけて戦わなきゃいけないなんだから。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ