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絶対のんびり至上主義  作者: sakura
地盤固め編
8/86

8話.トラブルメーカー

女性が目を覚ましました。

良かったと思わないといけない。

無事でよかったねと。

だが、彼女はヤバかった。

自意識過剰と言えばいいのか、酷かった。


「うぅ~もう朝?」


寝ぼけていらっしゃいます。

今はしっかり夕方です。

たまに寝すぎて朝か夕方かわからない事はあります。

日が昇り始めか暮れ始め。


もぞもぞしてた彼女は

突然跳ね起きた。


「何の魔法!?」


は?正直意味は分かりません。


和室とキッチンは隣り合ってるため声もはっきり聞こえてきますが、

私は入室しておりません。

うちの子達が勝手に入室してますが、気にしてません。


「え、いや、何コレ、いや~~」


叫び声が聞こえました。

大方うちのわんこがペロペロしてて犬が苦手な人で叫んだのでしょう。


ゴオォォォォ!とガスバーナーでもつけたような音がします。

危険な匂いがしてきました。


「やめて!」


雄太の声とともにジューーと肉でも焼いたような音が聞こえる。

さすがに他人の家で暴れるなんてことはないと思っていたが、気になった私は


「入りますよ~」


と声をかけて入室した。

2秒で入らなければよかったと思った。

まさに地獄絵図。


女性はびちゃびちゃに濡れていて

朝陽は口に咥えるように火球を出している。


「いや、何これ?」


頭をよぎるのはここが借家という事実。

掃除しないとヤバい。

まず水浸しの部屋を拭きとらないと、畳が腐る。


「何?じゃないわよ! 何なのコイツら、あたしを味見して追い払おうと炎出したら

 水魔法で消されるし、その上火魔法で牽制? ふざけんじゃないわよ!」


ふざけんてんのは


「どっちだ~!」


「はぁ?何いきなりキレてんの、こっちがキレてんのわかんない?

奇妙な生き物けしかけて、被害者面してんじゃないわよ!」


ぶちギレである。

ただ、私もここだけは負けるわけにはいかない。


「行き倒れを助けて、家に入れてやった!

布団も敷いて起きるまで寝かせてやった。

にも拘らず火を出した?うちの家族が奇妙な生き物?

ふざけてんのはお前だ!」


ぶちまけた。

歯止めがきかなかった。

ふーふーと息を整える。

怒りでどうにかなりそうだった。


「朝陽、雄太、ハウス」


すると二人ともしょぼんとして庭に出て行った。

朝陽と雄太には落ち着いて声をかけたつもりだったけど、ちょっときつくなったかもしれない。

後で謝ろう。


「で、貴方はどちら様ですか?

家を破壊に来たんですかね?」


イライラが治まらず皮肉全開である。

しかもうちのわんこを奇妙な生き物とか頭おかしいとしか思えん。


「え・・・えっと、ごめんなさい。ちょっと常識はずれすぎて混乱したというか、襲われたと思ったっていうか」


こちらの怒りを感じたのか怒鳴られたのが堪えたのか一応謝罪をしてきた。


「・・・・・。」


無言で睨みつける。


「えっと、だからごめんなさい」


何かどうでもよくなったので雑巾を出してきて畳を拭き始めた。


「ねぇ、ちょっと」


「それで、何で外で倒れてたんですか?」


畳ふきふきしながら、とりあえず落ち着こうと話題を変える。


「うっ、えっとよくわからない物があったから、厳格魔法領域に紛れ込んだと思って」


「思って?」


「あたしの最大火力の魔法を撃った瞬間に魔力切れで倒れました」


つまり、昨日の地震もこいつのせいか。

とんでもないトラブルメーカーだな。


「で、攻撃した相手に介抱されて、にもかかわらずまたパニック起こしてうちを破壊しようとして雄太に止められたと。はぁー」


でかい溜息しか出ない。


「しょうがないと思わない?念話の発信地あたりに見た事ないものがあって、しかも起きたらあたしの味見してきたんだから」


味見って言うなよ、ぜい肉だるま

まずそうで誰も食べないだろうな。


「私もこの世界で混乱してるから常識外の事に対処が難しいのはわかる。

それにしたって、いきなり攻撃するとか、助けたのに暴れるとかは常識的にない」


未知への恐怖がそうさせたというのはわからなくはないが、それはそれ。


「だからそれは謝ってるじゃない」


「まぁ、いいや。とりあえずそこどいて」


ふきふきふきふき。


(まぁ、この人なりに謝ってるからもういいけど。前の世界の女性はしつこく言う男は嫌われるだのなんだのって男は女の為に存在してるのかってくらい馬鹿にされたし、だからモテないとかどれだけ言われたか。

それを言わないだけまだ許せるかな)


ふきふきふきふき


ようやく水分が取れてきたところでさっきの女性が静かなことに気づいた。

放っておこう。それよりも大事な事がある。

私はいそいそとその場を離れて庭に出る。

庭には2つの犬小屋が設置されている。

一つは武骨なデザイン

雄太ように買った犬小屋でなぜか朝陽が占領している。

一つはかわいいピンクの屋根の犬小屋

朝陽用に買ったが雄太が占領している。

ペットショップに買いに行ったとき少し恥ずかしかった。

ペットショップに男が一人で入るのはスイーツカフェや婦人服売り場くらいの気恥ずかしさがある。

そんなわけで普段からペット用品はネット通販で購入している。

車を維持する金がもったいなかったので車は売却したが、送料を考えても車の維持は無駄でしかなかった。

MTで免許取ったのに自家用車不要論者なんて私くらいじゃないだろうか。


「朝陽、雄太、おいで」


無反応


「ごめんね。さっきのは朝陽と雄太に怒ってたんじゃないよ」


「ほんと?」


「さっきのはあの失礼な女に怒ってたのであって朝陽と雄太は家を守ってくれたんだよね? 怒るわけないよ」


「よかった~、ご主人怒ってたから悪いことしたのかと思った~」


犬小屋の中で頭を下げてしょぼーんとしてた朝陽が出てきた。

雄太はまだ無言のままなので朝陽の頭をなでる。


「雄太もおいで」


やはり無反応なので気になって犬小屋を見るとおなかを見せてソファーで寝るおっさんポーズで爆睡してた。

雄太はマイペースで何事もあまり興味がない。

あまり気にしてもいないだろうから寝かせておこう。

それにしても、おなかは弱点だから気を許した人にしか見せないって話だけど、雄太は安心しきってるのか野生を忘れたのかこんな寝相で心配になる。


「雄太が起きたら二人で家の中においで。さすがにあんな非常識女と二人とか私が持たないからね」


「あの人いい人の匂いしたのにぱちぱちしてきたよ。じゃなくて、火出してきたの」


「そうだね。ちゃんとその辺はダメって言っておくからね。一応謝ってたし、許してあげてね」


「わかったー」


「私は先に家に入ってるからね」


そう言い残して家に入った。

何となく消化不良の気持ちを抱えていたので和室を通り過ぎてキッチンに入り、疲れたと食卓に突っ伏したのだった。


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