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絶対のんびり至上主義  作者: sakura
逃亡編
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59話.わんこランド

朝になって目が覚めると寝ぼけたままゲームを起動した。

散歩に行くにはまだ暗いので先にデザインをしっかり思い浮かべられるようにしておこう。

プラモデルとか作る趣味でもあればもう少し簡単に覚えられるのかもしれないけど、私は数学の中で展開図とかの問題が最も苦手で苦労した。

外側だけ先に作ってから、中身は私の想像で勝手に作ることにした。

とてつもなくでかいのだから一気にできるとも思っていないので、少し気を抜いてゲームを終了した。


朝陽と裕太を呼んで散歩に行く。

散歩の後でご飯を食べたら朝陽と裕太がソワソワし始めた。

ティッシュとかをぶちまけたりした後で怒られることがわかって私じゃありませんよって顔をしてる時とか、興奮してて頭の中がそればかりになる時の表情とか、犬のしぐさや表情は本当にわかりやすいと思う。


「呼んできていいよ」


私が話しかけると


「行ってくるー」


と言って駆け出した。

友達を呼べるのが嬉しいのか何なのか良くはわからないけど、朝陽と裕太にとっては嬉しいことなのだろう。


程なくして朝陽と裕太に引き連れられて3匹の子犬が来たので私は家の横に設置したエレベータールームにみんなを呼んでB1のボタンを押した。

怖がったりする子はいなかったので、B1で扉が空いたけどここはただのだだっ広い空間なのでもう一度B12を押した。

B1で無理ならそこから長い長いスロープだったのでそこを歩かなくて住んでホッとしている。


子犬たちは話せないけど尻尾の状態である程度の感情は読み取れるからね。

むしろ朝陽にじゃれついてて動いてる事に気づいてない可能性もある。


B12に到着するとドアが開き、その光景を目にして朝陽と裕太と子犬たちは尻尾がブンブンしだした。


「遊んできていいよ。私はここで見てるからね。」


そう言うと5匹は弾かれるように走り出して雪山にダイブした。

朝陽と裕太がだいぶした後に子犬たちが続いた感じだけど、そこからのはしゃぎようがすごかった。

ボールの部屋のトランポリンに怯えてすぐに出てきた子もいたけど、朝陽が舐めて落ち着かせていた。

モモちゃんはちょっと怖がりなのかな?


結城と陽太は全く心配いらないようだね。

全力で遊びまくってる。

朝陽は雪山に突っ込んでいってさっさと骨ガムを探り当ててガジガジし始めてるし、結構カオスな状況だった。

私は空きスペースに2階建ての家を建てて二階のベランダからみんなの様子を見られるようにしてコーヒーを淹れるとベランダに設置したテーブルから様子を見つつゆっくりすることにした。


走り回るワンコたち、飛び跳ねるワンコたち。

この分なら1日でもここにいそうだ。


わんこのテンションが高すぎて私は気づくのが遅れた。

各階につながるスロープに柵を設置してなかったことに。

私は慌てて朝陽を呼んだ。


「朝陽、みんないてる?」


「え?」


ガムをガジガジし続けていた所に話しかけられてちょっと戸惑った顔が可愛い。

その場で周囲を見回した。

結城、陽太、朝陽、裕太がいたけど、モモちゃんがいない。


「朝陽、モモちゃんがここから降りてきたら捕まえておいてね。」


そう言ってエレベーターでB5まで上がり、そこから降りながらモモちゃん捕獲作戦を開始した。

B6,B7ととんでもなく面倒な下り坂を降りながら柵を設置していく。

B8,B9・・・

いた!

尻尾を股に挟んで伏せていた。

ホッとして近づいて抱き上げて、エレベーターでB12に戻った。

怖がりだけどみんなが楽しそうだから、楽しめそうなスロープを駆け上がる遊びでもしてたのかな?

気づいたらどこかわからないと。

安堵のため息を吐き出して朝陽に預けて柵を設置した。


遊ぶためなら仕方ないと思いB11とB12の間だけ移動できるようにB11に柵を設置して遊べるようにしてあげた。

今度は朝陽が一緒だから大丈夫だろう。

まぁ、朝陽は骨ガムを咥えたままなわけだけど。


トランポリンボール組には裕太がいるし

自分が最前線で楽しんでるけど。


とりあえず任せられるだろうと二階のベランダに戻った。

残念ながらコーヒーは冷めていた。

アイスコーヒーと思えばいいか。

アツアツでないと飲みたくないなんてこだわりのない私は気にせずコーヒーを楽しみながらはしゃぎまわるワンコたちに存分に癒やされていた。


見てるだけなのに眠くなった私は外に出て多くのハンモックを設置した。

子犬用ももちろん作っておき、作り終えると早々にハンモックに揺られて眠りについた。


これこそ究極ののんびり体験だ。


目が覚めて周りを見回すと全員しっかりとハンモックでお休みタイムだった。

はしゃぎすぎて疲れたんだね。

全員が起きるのを待ってからみんなで一階に戻ると我慢していたのか朝陽と裕太はトイレタイムだった。

その後朝陽と裕太が送っていくことになったわけだけど、ハンモックを気に入ったみたいだからプレゼントしようと思い、私も同行した。

帰りが遅くなったことを詫びてから子犬用ハンモックを手渡した。

目的があれば問題なくある程度の会話はできるけど、どうしても気まずさがあるからぎこちなかったかもしれない。

急な発熱で病欠した翌日みたいな感じだろうか。


お友達を家に招待イベントを無事にこなしたので、次はいよいよ巨大ロボと戦艦の生成に取り掛かる。

思いの外時間が経過していたので今からやろうとは流石に思えない。

あれ?

そういえばぬいぐるみに関してはみんな全く関心を持ってなかったな。

ちょっと残念な気分になった。


残念ついでだが、エレベーターとスロープは離れており、その部屋にはロボットは設置していないのでみんなに気づかれることはなかった。

秘密基地ということもあり、ボタンに細工がしてある。

ボタンの並ぶ場所に鍵穴があり、隠されたもう一つのボタンを押すことで、エレベーターの後ろの壁が開く仕組みになっている。

宇宙人が悪さをしないように監視する組織の映画で見て面白かったので後ろが開く機構を採用してみた。

スロープ側と逆の部屋があったなんて気づけまい。

私はわんこに言うのもアレだが、隠しきったことに少し喜ぶと同時に、紹介できない事を残念にも思ったのだった。


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