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絶対のんびり至上主義  作者: sakura
地盤固め編
33/86

33話.食の発展への種まき

わんこの散歩に行く。

朝食を食べる。

見回りをする。

その際にマッスルマン達に建築のノウハウを教えてほしいと懇願されたので話し込む。

マンションのような構造と木造建築では同じように作ることはできない。

壁裏の空間確保と配管についてを説明していき、メンテナンスの為にアクセスできるようにする方法などを説明するとアクセスしやすくても難しいので、アクセスできるようにはするが、メンテナンスは魔法で行うということになった。

橋田さんは少し悔しそうだったが、なかなかそこまで完璧を求めても無駄だと思う。

日本の職人は岩の上に木の柱を建てられるというが、そこまで求めてもここでは家具の調整くらいにしか使えないだろう。


イベントらしいイベントはこのくらいだった。

昼食で料理の楽しさを感じてもらえる催しを考え巨大な鉄板を用意してコンロを設置した。

コンロと言っても面倒だったのでIHヒーターを巨大にして全員集合しても十分足りる規模で作り出した。

長芋、薄力粉、水、顆粒出汁を用意

食材はキャベツや肉、卵、天かす、ネギ、チーズ等を各種用意しておいた。

生地づくりからやってもらおう企画になる。

誰もが同じ味にならない状況を楽しめればいいけどどうだろう。

全員が同じ配分とか面白くない結果だけは勘弁してほしいね。


さて、では行ってみましょう。

基本的な作り方はステージ側に記載してある。

ちなみに、最後までは書いておらず、ここからは各自美味しくなるよう試してみてくださいと書いてみた。

鉄板は熱いので絶対に素手で触らないように注意は大きく書いておく。

鉄板で焼くときはお玉で生地を落とし、勝手に丸く広がったら少し待って焼けて固くなってきたらひっくり返すとシンプルに書いている。

私はキャベツ多めで肉を土台にして鉄板に流していく。

視線を感じて周りを見ると皆が私に注目していた。

見たこともないものを作るのだから参考にしたいのはわかる。

だが残念だったな。私も作るのは初めてだ。

店では店員さんにお任せだからな。

鰹節や青のり、魚粉も別で用意してある。

ソースはおたふくでマヨも完備

不味くなりようのない構成だから、より美味しくできる人が出るのを楽しみにして私は一足先に完成させた。

人だかりはそれぞれ散っていって各自で作り始めた。

恐る恐る作ってる姿が微笑ましい。

好みの差もあるだろうけど、素材の味がわからないのに美味しくしろというのも無茶苦茶だと思う。

そのカオスを楽しもうぜ

鉄板でジュージュー焼けてソースの香りが立ち込めてきた。

お好み焼きはこの香りが最高だよね。

チーズや明太子、その他色々追加しておいたけど、それらはあまり減らなかった。

全員少しずつしか使わないので大きな味の変化は起こりそうにないね。


全員できた所でステージに立つ。

「それでは皆さん、自分の分をお皿にとって両隣の人からも一切れずつもらって交換してください。

味の違いを感じて、どこが美味しかったかを評価してください。

そうすれば何をどうすれば美味しくできるか、より美味しくするためにはどうすればいいか参考にしてみてください。」


全員が目を見開いた。

失敗しても自分しかダメージを追わないと思っていたのがまさかの両隣にダメージを与えることになろうとは思っていなかったと焦り始めたが今回はそれがルールです。


それも一口食べるまでの喧騒だった。

何故かタイミングを合わせて一口目を口に入れると動きが止まった。

そして世界は動き出すとナレーションでも入りそうな静寂の後


「うまーーーーー、自分で作ったのが信じられね~」


と大騒ぎし始めた。

いや、味の決め手はソースとマヨネーズだから不味くは基本的にならないよとは思うが口にしない。

私の両隣は小垣さんと社長だった。

二人に私は自分の分の一切れを差し出して相手の一切れをもらう。


「中島さんが作るものに比べると美味しくないと思うけど食べてみてください」


そう言って差し出した小垣さんは少し儚い美少女感が漂っていた。

社長は


「私は最高に旨い料理を完成させた自身があるぞ」


と誇らしげに差し出してきて対象的だった。

二人のお好み焼きをそれぞれ食べて見る。

社長のお好み焼きはソース多めでマヨ控えめ

卵が多めで自慢するだけあって何故か妙なまとまりがあって美味しい。

小垣さんは全て控えめにしてあるようで長芋だけ多めだった。

生地が味わい深い感じ。

どちらもそれぞれ美味しいが、大問題が一つある。

私のお好み焼きが一番平凡だ。

由々しき事態ですよこれは。


「社長のお好み焼きは卵とソースが全体の味を引き締めて美味しいです。

小垣さんのお好み焼きは粘りのある生地にバランスのいい味付けでとてもおいしいです。

お二人共初めてとは思えませんよ。焼き加減も完璧です」


今回は褒める事がルールなので、仮に微妙なものがあっても褒めなければならない。

だが、味について褒めたことは日本の味に対して美味しいと褒めた以外で褒めたことがない人たちが。ボキャブラリーが圧倒的に足りないのだが、それでも何とか褒めあっていた。

困りながら考えて褒めてるのがなかなか頑張ってて微笑ましい。

例えるなら小学生女子が幼稚園児にお姉さんぶってる感じだろうか。


全員一通り褒めあった後、再び壇上に上がり


「少しの作り方の違いでも味に大きく変化があることに気づいた人は多いでしょう。

本来料理は魔力吸収量がどうこうなんて味気ない面白みのないものではありません。

食べる喜びと美味しいと食べてもらえる喜びを感じてもらうためにあるものです。

私はこの事を知っていただきたくてこのような催しを突発的に実施してみました。

子供たちも楽しんでくれたかな?」


「おもしろかったー」


と返事する子供たちが可愛い。


「さて、今回の事で味は工夫次第でどのようにも変えることができるものだと知っていただいたと思います。

これから、私は魔力を一切必要としない食事に着手していきます。

手始めに田畑を開墾し、水を引き植物の世話から始めます。

うまく成長すれば美味しい果物という食べ物等が取れることになりますし、皆さんの気に入ってくださったカレーを作ることも可能になるでしょう。

私の世界ではカレーは家によって味が違いました。

辛いカレーが好きな家、甘いカレーが好きな家、独特な風味のもの、複雑な辛さを併せ持ったもの。

それらは人の手によって工夫されて独自の味になっていきます。

子供たちに、色々学んでもらうための学校を作りますが、その前に料理教室を始めていきます。

今回のように素材を用意して工夫しながら美味しくしていくための料理を作ってみたい方は、今日学校を作りますので、そこの入り口に明日の朝集合してください。

女性の手料理を男性は喜ぶものと私の世界では定説でしたが男性の参加も歓迎しますよ。」


そう言ってお辞儀をして壇上から降りた。


「中島君、また面白そうなことを始める気だね。」


ニヤニヤしながら社長が声をかけてくる。


「社長もそういうのお好きでしょう?」


「ま、そうだね。私は面白そうと思うものは好きだ。

私とは違う思考を面白いと思うし、私にない発想も面白いと思う。

君には興味が尽きないね」


本当は私という個人ではなく、私が元いた世界への興味なんだろうけどそこは黙っておこう。

反対側にいた小垣さんは


「あたしにも何か手伝わせてもらえませんか?

中島さんの為にこちらに来たのに、あたしは助けられてばっかりです。

少しはあたしに頼ってください。それが、・・あたしの仕事でもあるんだから」


仕事熱心なのかな?元々私を助けるために来たとかそんな話も聞いてたし、何かモジモジしながら勇気を振り絞ってって感じで話してるけど手伝ってもらえることが無い気がするんだよな~どうしよう。


「そうさね。みっちゃんになにか手伝える仕事を与えてやんな。

あんたを見てみっちゃんも成長中みたいだからね」


どうも下世話な近所の噂好きおばさんみたいな雰囲気を感じる物言いで課長が会話に入ってきた。

そうは言われても手伝ってもらえることね~。

オーブンとかの使い方を先に覚えてもらうか。

電子レンジ、オーブン、冷蔵庫

ようやく復活を遂げたうちの家電を元に学校に設置予定の調理機器を体験してもらおうと思う。


「では、私の補佐をお願いしたいのでこの後うちに来てもらえますか?

あ、でも、女性が一人で男の家は抵抗ありますよね。社長・・・」


「待て待て、何でそこでこっちに話が来るんだよ。そのまま彼女を誘えばいいだけの雰囲気だったでしょ。ったく・・・」


「え?いや、変な噂になったら小垣さんが困りますよね?」


「あんた、今までずっとこんな感じなのかい。情けないね」


社長と課長に心底呆れられた目を向けられる。

いや、普通に色々困るでしょ?困るよね?


「よくわからないけど社長も課長も来てくれないってことですね。」


「当たり前だろ。何いってんだい。本当にあんたは小僧だね」


「本当に課長の言うとおりだね。もっと精進しなよ中島君」


いや、女性一人を誘うなんて流石にハードル高いって。

とその時視線を感じて感じた方向を見るとじっとこちらを見る山北さんがいた。


「じゃあ、山北さんにお願いしましょう。」


「え?私ですか?その、お邪魔では?」


「いえいえ、私を助けると思ってここはお願いします。」


周囲の空気が凍った気がした。


「そうですか?ではお邪魔させていただきます。私も興味ありますので。色々と」


少し悪巧みしてそうな笑みが気にはなるが、うちに招待することになった。

いや、その前にここの片付けを早速小垣さんにお願いして先に私は片付けることを片付ける。

学校の設立。体育館、調理実習室、音楽室、その他一通りの設備を備えたこじんまりとした学校。

料理教室をすることも考えて学生予定の30名規模というよりマンモス校みたいな大きさになっているが特に気にしない。

このくらいの規模なら講堂が片付くまでに終わりそうだと思いながら、昨日から考えて作ったエクセルの設計図の通りに作っていく。

コンセントが生きている今パソコンも完全復活だ。メモリとSSDは容量を無制限に改造済みだ。しかも、読み書き上限なしという地球のテクノロジーを大幅に超えたスペックになった。

CPUの周波数などはイメージできなかったのでオーバークロックなどはできなかった。

予算の問題で断念した水冷式を導入。自作PC派の夢を詰め込んだPCになったが入っているソフトは最新式にすることはできなかった。

魔法なら地球に接続してアップデートも可能と思ったのにだめでした。

ダウンロードもできない。

閑話休題。


サクッと校舎に校庭時計をつけてチャイムも作った。

どこからどう見ても学校だけど、給食は配達されるわけではないので搬入口みたいなものは作らなかった。母校にもそういう設備はあったのだろうか?見たこと無いな。


最近見回りでは使うことはないが、目的がある移動の際は基本的にバイクに頼りがちで学校の広大な敷地を南に広げた後バイクで自宅に戻った。

まだ小垣さんも山北さんも来ていないだろうと思っていたのに帰宅すると朝陽と裕太と遊んでいた。


「あ、お帰りなさい。勝手にお邪魔してます。」


恐縮した様子で山北さんが言うが視線は朝陽と裕太から外さない。

あまり見たこと無いけど本当は朝陽と裕太にメロメロなのだろうか?

遠慮せずに遊びに来ていいし朝陽も裕太も喜ぶと思うけどな。

まぁ、それは置いておいて。

朝陽と裕太と遊びたい気持ちはあるけど心を鬼にして二人をキッチンに上げる。

問題はないと思うが万が一に備えて学校の調理機器は私が一人で夜中に試験運転してみるつもりだ。

だから今回はうちの調理家電を使ってもらう。

使うのはオーブンレンジとハンドミキサーに冷蔵庫と冷凍庫、IHヒーターと包丁にピーラー、フライパン、鍋

このくらいかな?

包丁の練習のために人参を用意して包丁でヘタを落としてピーラーで皮を剥く。

表皮だけでいいので先にそこは伝えておかないと一生剥き続ける罠にハマる。

そこから包丁で輪切りにしていく。

猫さんの手がこの世界で通用するはずもなく普通に爪で固定するような感じで少しずつ手を図足していくと説明した。

輪切りから4等分に切っていったらせっかくだからカレーを作ってみようと作戦変更して素材を全て切り終えたら玉ねぎを飴色まで炒めて野菜を炒めていく。別のフライパンで肉を炒めて合わせたら水を入れてカレールウを投入して煮込む。

カレールウとシチュールウを完全再現して大量配布することも考えておかないといけなさそう。

煮込み時間を多めに取るためにここから炊飯器でご飯を炊く。

ご飯はおよそ50分で炊けるので米だけ研いでスイッチを押すだけにしておいたのでスイッチを押すのさえ小垣さんにしてもらった。

一時間も煮込めばいい感じになるだろう。というか私のこだわりは飴色玉ねぎと煮込み時間なのでそこは譲れない。

お好み焼きを食べてからそんなに時間は経っていないので、煮込んだら火から降ろして常温保存しつつ他の機器の説明に入る。

私のスーパーズボラデザートレシピであるマシュマロババロアを作る。

マシュマロとココアに牛乳を火にかけながらミキサーで混ぜるだけ。

小垣さんと山北さんが交代でハンドミキサーを使いしっかり混ぜ合わせたら型に流す。

そのまま冷蔵庫に入れて冷やして固めたらマシュマロババロアの完成です。

最後はチャーシューを作ります。

つけ汁をしみさせてからオーブンを予熱する。

私は操作方法だけ説明して全て小垣さんと山北さんにやってもらっている。

オーブンで十分焼き上げる。

駆け足で一気に全ての調理を終えた二人はやりきった表情をしていた。


「少し休憩しましょうか。お茶を入れますので」


お気に入りの縁側に朝陽と裕太を呼んで二人止まっていてもらう間にお茶を入れて持っていく。

朝陽は顎を小垣さんの太ももに乗せて頭を撫でてもらっていて、裕太は山北さんの横に寝転がり背中を撫でられていた。

縁側に上がるなとは言ってないので別に構わないんだけど、リラックスしきってるな。

緑茶を入れたお盆を横に置くと足を投げ出す。

どうぞとお茶を勧める。

お茶請けはない。どうせここから作った料理を味見しないといけないから口をリセットしておく必要がある。


「自分たちで作った料理がどんなふうになるのか楽しみですけどちょっと怖いですね」


「え、まなちゃんは彼氏に魔法で作ってあげてたんでしょう?」


「いえ、それはそうですが、何ていうか、その。

今になってみると魔法で作ってたものを料理と呼べるのかわからないですね。

それに、美味しくない物を食べてたって思うとあの生活には戻りたくないですね」


「ふふっ確かにそうね。あたしも今の生活が楽しいし、美味しい食事で食べる楽しみも感じるようになったから。それにほら、体型も服もあれだったからさ」


「ですね。私ももうローブは着られないですよ」


「今なら元の彼氏も惚れ直すかもね」


「止めてくださいよ。体型が変わったとか服装が変わったとかで見る目が変わるなんて無理ですよ」


「でもそれって重要じゃん?」


「元カレは太ってないと魔法が下手って考える人ですし、私の方が魔法が上手いことが証明されたら結婚相手候補にも上がりません。自分の方が上でないと許せない人だったので。それに、私の方から願い下げです。大前提」


「変わったね」


「先輩こそ」


何か聞いてはいけない会話なのではないだろうか?

聞かせようとしてる感じはあるけどどっちかわからん。

そろそろご飯は炊けたかな?

と、私はキッチンに向かう。


「ふふっ逃げられちゃいましたね」


「まなちゃんてさ、中島さんのこと好きだよね」


「先輩こそ」


そんな会話が背後でされてるともつゆ知らずカレー皿を用意していた私はご飯が炊きあがった音を聞いてご飯とカレーをよそう。

チャーシューはまだ時間がかかるし、ババロアも冷えきってない。

だけど、せっかくだからチャーシューをカレーに乗せて食べてみたい。

ラーメンに煮卵とチャーシューは出したことがあるからそれではあの時食べた味だとなりかねないし面白くない。

せっかくだから組み合わせたい。

オーブンは残り8分の表示だから今からあの雰囲気に突撃する勇気もないので何か作ってみますか。

本格的なカレーにはラッシーだと思うけど、ここはヨーグルトにしておこうかな?

ヨーグルトを出してアイスを入れるような器に入れてみる。

こういうのは雰囲気だ。

すぐできてしまったので器で思い出してバニラアイスを出して器に盛り冷凍庫に入れておいた。

オーブンの時間を待って完成したらミトンでお皿に出して切り出していき、別のお皿に盛り付けた。

好みもあるので別々がいいかもしれないからね。

そこでふと思いついて冷え切っていないババロアの器を氷水を入れたボウルに浮かべる。

これですぐ冷えるだろうから食卓に一緒に持っていった。


「二人が作った料理が完成しましたので食べてみましょうか」


そう言い二人を呼んだ。

二人がテーブルに付いたら頂きますをしてカレーから口に運んだ。

おっ、今まで食べたレトルトカレーより美味しい。

この味をイメージできるようになればカレーの生成に幅が出そうだ。

続いてチャーシューをそのまま口に運ぶとこれまた単体でも十分味がしみていて美味しい。

ここは悪魔の所業、チャーシューオンザカレーライスだ。

だが、思ってたのと違った。チャーシューの味が濃くて、カレーの強烈なインパクトと喧嘩している。

やっぱチャーシューはラーメンだな。別々に食べよう。

味見なので本気盛りにはしておらず少しだけなのが残念なほど美味しかった。

カレーを食べきるとババロアに手を伸ばした。

これまた味がマシュマロとココアと牛乳だけのシンプルなものなのにしっかり甘くてチョコレートババロアって感じだった。食感も含めて美味しいが、この寒い時期に冷やしすぎたかもと思わなくもない。その点だけは残念だ。

一通り試食してみた感想を聞いてみると


「美味しかったね~。あたしはババロアが一番好きかな。

チャーシューはちょっと濃すぎたかも。味付けは味付けのダシ汁で変わるんですよね?そこの工夫でもっと美味しくできそうです。」


「私も先輩と同意見です。ただ、カレーは本当に美味しいですね。お好み焼きを食べてからそんなに時間も経ってないのにまだまだ食べられそうです。」


そんな感想だった。


「自分たちで作ったって部分についてはどう?」


「あまり実感はないですけど奥が深いと思います」


「そうね。もっと美味しくできそうって思えるところが面白いわ。いろいろ試したくなっちゃう。」


うんうん。なかなかいい傾向に思える。


「調理機器の使い方も大体わかってもらえたと思うので、学校で同様の機材を用意したから安全面が確認できれば一般公開するので楽しんでくれるといいなと思うよ。

食材や調味料関係も大量に用意しておくから、今までに教えた物でなくてもこうしたら美味しいかもって思ったら自由に作って新しい料理を作ってくれてもいいからね」


「「はい」」


二人は嬉しそうに返事をしてくれた。


私の持論だが、興味があったり楽しいと思えることは教える側に経った時に教わる側に伝わるものだ。この輪がどんどん広がればいいね。


残ったチャーシューやカレー、ババロアは二人に等分して分けた。

私ももっと食べたかったから少し惜しい気もしたけど、私は口出ししかしてないので資格がない。

二人は教えてくれた礼だと渡そうとしてくれたけど固辞した。

二人はちょっと残念そうな顔をしたけど、初めての料理を美味しくできたんだし、記念にしっかり食べてもらいたいものだ。


いつの間にか私の中で暴走する嫌な奴の印象は小垣さんから消えていた。

少し気まずさがあったんだよね。


量は少なかったと言ってもお好み焼きも考えると結構な量になるので体が重い気はしたがわんこたちとの散歩は欠かせないので一緒に歩きだした。

トイレ目的ではなくなったが運動不足になると大変なのでしっかり歩く。

いつも通り歩き方が弾んだ感じになっている二人を眺めるだけで嬉しくなる。

いつも通りかわいい。

朝陽のトイレはもはや外ではしなくなっているけど裕太はマーキングのためか

たいして出ないおしっこを絞り出している。

他の生き物がいないのにマーキングの意味はあるのかとも思うが、今はわんこたちも総勢8匹だから多少はあるのかも?

全て身内だけど。


夕飯を食べる気にならなかったけどお茶漬けだけ食べてベッドに入った。

そこで思い出して着替えるとバイクに跨り学校に行く。

ローストビーフを作ってちゃんと動作するし問題も怒らないことを確認したら今度こそ家路についてベッドに上がった。

明日はお料理教室だ。

この中から教師役が出れば更に楽ができるな。楽しみだ。

そのうちあの時の6人に教師になるための教育を受けてもらわないといけないからよていくまない・・と・・・・・・・。

おやすみなさい。


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