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絶対のんびり至上主義  作者: sakura
地盤固め編
32/86

32話.人材発掘と今後の展望

雷発生のメカニズムは諸説ありますが雲の中で氷やチリの摩擦で雷が発生するというのが一般的

それなら密室に埃や塵を入れておき、氷の粒や水分を作って気流を起こせば発生するというのだろうか。そうは思わない。

そもそも太陽が熱いというのも昔から眉唾だった。

最近になって太陽の温度は何千度とかいうものではないと言われ始めたが、太陽が高温だから直射日光が熱く雲で遮られれば和らぐというのも意味がわからない。

なぜか、まず、より太陽に近い位置にあるはずの山頂や標高が高い場所が寒いことの理屈が合わないのだ。

同様に氷の粒や塵でできている雲が太陽光を遮るというのも考えにくい。

乱反射したり虫眼鏡のように一点集中で増幅したりなら分からなくもないけどね。

理論的に考えるなら太陽光の中の熱(分子を乱して熱を発生させる物理的影響力のある光)が氷を蒸発させることによって分子の動きを抑制させ、熱を和らげるとかだろうか。

それでも、雲によって太陽光を遮る事の説明がつかない。

雲は塵や水蒸気、氷の粒で構成されると考えられているからだ。

そんな微細なものの集まりでなぜ、明るさを防ぐほどの層ができるというのだろうか。

さらに言えば雲に突入した飛行機が熱を吐き出しているはずなのに氷が溶けて雲が消えるなんて事もない。

私はこれらについて雲は氷の粒や塵で構成されたものではないと考えている。

つまり、雲の存在できる高度に水蒸気が登ると太陽光とその高度特有の物質(オゾン層のようなもの)と反応して雲が発生し、分子は乱され続けている。

つまり、ランダムな分子の動きによって様々な分子が分離、結合を繰り返し分子レベルの摩擦や電気が発生する。

それでも大音量と落雷時の電力量が全く理解できないわけではあるが。


だから、そんな理屈をすっ飛ばした電気を生成し続ける器具を生成する。

電気を生成し続ける機械。

これは磁力がどうのとかさえ無視して実験する。

イメージは永久に回り続ける羽によって生じる風力発電機だ。

一度回りだすと人力で止めない限り回り続ける羽がモーターのようなものに繋がっていてそこから電力を生み出し続けるが、羽や電気の発生する場所は危ないので何重もの鋼の箱で多い、電気を通さない素材などをイメージしてみた。

そこから地中を絶縁素材で覆い、破壊不可能なパイプの中を通した。

各家庭に行き渡るように配線してコンセントを設置、天井に照明用のコンセントも設置していった。

コンセントにはそれぞれ過電流が流れないように変圧器やリミッター回路も設置した。

各家庭にはブレーカーボックスも設置している。

理屈は知らんが事故だけは絶対に許されない。

そして電気は永久機関で作り出され続けるが、余剰分については蓄電システムに蓄積されていくことにした。

蓄電は無限の容量を思い描いたがどこまでできるのかは未知数だった。

私に知識と知能があれば理屈を理解した上で魔法を加えた発展改良型を作ることもできたかもしれないが、現代日本で手広く最新の知識をジャンル問わず追いかけるなんてほぼ不可能だろう。

私のキャパでは興味の及ぶもので且つそれほど難しくない理屈に限定される。

よって私はそれらを魔法に任せて投げ捨てて構造も無視した結果だけ知っていれば経緯は無視できる魔法という技術に託したわけだ。

こうして私は、電気を再現した。

ミニチュアで実験後自分の家で実際に作ってみて成功したからだ。

つまり、現在我が家は外が曇っていても家の中は明るい。

もちろん土間(わんこたちの居場所)も全て照らせるようになっているが、必要最小限しか使う気はない。

わんこたちは自然の環境のままがいいし、人間のような睡眠障害とかに苦しむ状況は作りたくない。

何より、ろうそくや煙を排除したかった気持ちが強い。

イメージだけで誕生したショウで私はできると確信していたことに加え、何故か魔力総量が格段に増えていた。

2日連続の宴会が終わった後私は作業にかかった。

宴会の時に軽く改築をするかもしれないから変わったことがあっても気にしないでと伝えておいた。

深夜に作業を行うが、現地には行く必要もない。

地中を通してどうするとかそういうのは地図を見ながらイメージする。

もしかしたらガスなどのライフラインを通すことも考えてパイプは大きめに作っておいた。


あの魔力枯渇騒動の後から薄々感じ始めて吐いたけどいよいよ自分が化け物じみてきたことを感じて作業後に寝て起きたら過剰にわんこたちとスキンシップを取っていた。

何というか、私は自分が怖くなったら平静を保つためにわんこを求めているような情けない状況になっている。

何でこんな事になってるんだろうな。

私は朝陽と裕太のためだけに生きていくから、仮に皆が私から離れていくことになったとしても。

存分にわんこたちを甘やかして少し落ち着いた後、散歩に行って朝食をとる。

わんこたちは自前でおやつを出しているが、こんなに出してるからもしかしたら味も改良されて美味しくなっているかもしれない。

健康を害さないものであればいいけど。

さて、散歩中に何を改築したんだいと質問を受けたので軽く説明しておいた。

課長だけでなく、散歩に行った皆に呆れられた。

雨が降っていても室内で明るく過ごせるならありがたいけど、魔力は大丈夫だったのかとか、あんな目にあってまだ無茶をするのかいとか色々言われた土、今の魔力量なら消費もそんな大したものじゃなかったというと魔力量どうなってんねんと目が口より物を言っていた。


寝る前に照明の大量生産を終えたので取り付け方を説明するために夕飯時に講堂で説明することを通知してから皆の様子を見て回った。

人数が増えたことでどこも大盛況だった。

卓球、バスケは言うに及ばず、サーキット、教習所、公園とどこも人人人

いや~増えたよね。

こうなってくるとどうしても出てくるよね。馴染めない人達。

鍛えるでもなく、手持ち無沙汰で集まって談笑している男性グループがいた。

ハッキリ言って肥満体型のままの6人のグループは他の人達から距離を取ってしんどいことして楽しいとか意味わからん、あんな魔法もまともに使えなさそうな体型で恥ずかしくないのか、本当それだよな。なんて言い合っている。

ふむ。


「少しいいですか?」


ハッとしてこちらを見る彼らの目は敵愾心「にまみれていた。


「なんですか?」


「いえ、少し私とゲームをしませんか?」


「ゲーム?」


「はい、魔法の競技です」


「ほう、面白い」


明らかに私を見下して口元に笑みを浮かべる彼ら。

どうやら、完膚なきまでに叩き伏せて自分たちの優位を主張しようとする考えだろう。

魔法の競技か。さて、攻撃魔法は危険だとすれば、どちらがより大きなものを作れるか勝負ってところだろうか。いずれ魔法競技を考えてもいいかもしれないな。

と思いつつ競技内容を説明していく。


たまたま近くを歩いていた山北さんにジャッジを頼んでスタートをお願いする。


「はじめ!」


その瞬間に彼らは土の家を縦に長く長く魔力任せで上に伸ばしていた。

塔のような形になっていく。

発想力の問題かな。ここの地に馴染めないということは今までの魔法に依る生活を続けているだろう彼らは今までに身近だった魔法で作られた家を大きくすることがイメージしやすいのだろう。完全に勝負のためだけに考えた実用性皆無のものだった。

対して私はというと、ここに足りない役所を作ろうと思っていて、ちょうどいい機会だからと今のところ使う予定は考えてないのに役所を作り始めた。

5階建てになっていて、案内看板は地図代わりに付けておいて、どこに何があるかわかるようにしたが文字は後回しになる。

エレベーターがついて、これがしっかり動くと高層ビルや大型のマンションも生成可能になるからお試しでつけておいた。

全フロアで照明をつけて各フロアにトイレも完備した。

免許の発行もできるようになればいいなと免許証の印刷機や写真撮影の機材も入れておいた。

簡単に言うと地方の免許発行システムになる。

地方では免許証を警察で更新してもらえて、警察も試験場に書類を持ち込んで発行してもらうのだが、発行するための印刷機は警察の管轄で試験場にしかないから取りに行く形になっている。

電気が使えるだけでできることが飛躍的に増える上、魔法なので紙もトナーもいらない。

結果がわかっていれば魔法は過程をすっ飛ばせる。

魔法を発動させる装置を魔法で作れる上に、ランニングコストを除外できるというのは無敵だ。

印刷機の部屋には電子ロックをかけて、許諾を得たもののみにカードキーを発行するという形にした。

免許証と車のリンクをできるようにして免許証にスマートキーの機能も持たせよう。

夢が広がる話だね。

役所をまず、作って細部を作り込んでいく。

内部作成の前に電線も引いているので安心だ。

対戦相手は6人でそれぞれが1戸を作っていたが、いつの間にか交代で縦に伸ばし始めていた。

高さだけなら張り合えるところまで作れていたが、そろそろ全員の魔力が切れそうだった。

全員が眠そうになった所で


「そこまで」


と山北さんが止めた。


「結果は言うまでもありませんね。そちらの6名は異論ありますか?」


「いや、ない」


意識を手放しそうになっていそうなリーダー格がそう答えた。


「なぜこのような勝負が始めったのかは知りませんが、せっかくなのでそれぞれの内部も見比べてみましょう」


て、徹底していらっしゃいます。


「まず6名の合作ですが、中は空洞でただ高いだけ、入り口も作られていませんね。

続いて中島さんの・・・え?ここまで作り込むんですか?勝負してましたよね?」


「あ~どうせだからちゃんと使える施設にしたかったので」


「・・・・・・・」


6名も中に入り驚愕していた。

簡単に案内していく。


「名前と住所を管理する施設と、免許証発行を自動化しようと思いまして、この建物を立てました。こちらでどこで手続きができるか確認できるようにしてそれぞれの部署の看板も作りました。また、各フロアにトイレも設置して・・・・」


順番に歩きながら説明する。

学校も建てたいのでまぁ、予行演習には良かったかな。


「と、こんなところです。ここの管理運営も誰に任せるか社長と相談しようと思ってます。」


そう伝えて役所の案内を終えた。

魔法が上手いと奢っていた彼らの目からは光が消えていた。


「ところでそちらの方々はこれで、体型と魔法の素質や上手さに関係がないことを理解していただけましたか?」


「はい」


「魔法はイメージを正確にできるかどうかです。あなた方は漠然と大きさだけを考えていたのでしょう。イメージがただ大きくと曖昧な考えでハッキリイメージできていないために魔力が無駄になります。

私ならこの大きさと明確にイメージします。

わかりますか?魔法の上手さはイメージの明確さで変わります。

魔法を使い始めたばかりの私が言うのもなんですが、これが魔法の上手さですよ。

私も実際に見たこともないものは明確にイメージできないのでショウを生成する時は無駄に魔力を使いましたよ」


魔法の上下なんて本当は多分ない。イメージが明確かどうかだけだと思う。

魔力総量は人によって違いそうだけど、私以外は誤差の範囲。


「あなた方はこういうのがあればいいなからイメージを膨らまし、脳裏に固着するほど詳細に考える練習をすればもっと上手に運用できるようになります。

が、今の実力を理解してもらえたので実用性皆無のこれは破壊しますね。」


使い道のない構造物をただの砂に変えた。


「まだ魔力があるのか」


彼らの中ではそれも衝撃だったようだ。


さて、私は彼らのような保守的思想を持った者たちを待っていた。

学校の先生にちょうどいいからだ。

教師に先鋭的な思想は必要ない。

発想はいかにして子供のやる気を煽るかの一点だけで教える内容は教科書通りでいい。

そうして校舎もない学校の職員候補を一気に6名も確保した。

学校運営からしっかりイメージする大事さも教えていければ彼らの魔法の訓練にもなるだろう。

教える側が実力不足で生徒からなめられると上手く行かないからね。

やりたいことが湯水のように溢れてくるが、充実感はある。

ある程度やりたいことができたら、私はのんびり何不自由なく生活したい。

魔法しか使っていない日常で体力はほぼ使わないと入っても働きすぎた。

若い頃の苦労は買ってでもしろと言われるが、もうそろそろいい頃だと思う。

彼らは全員学校の職員になることを了承した。

これからは皆と汗を流すと燃えていた。

実はここに来てからも身体強化を使い、今まで通りの生活を送っていたらしい。

食事だけは宴会から変わったそうだが、毎日ピザとコーラという不健康極まりない生活だった。

まぁ、これから頑張ってくれ。


そこからは特に大きなイベント事もなく一通り見て回った後田畑に寄ると悲しいことに完全に枯れてしまい、水もない田んぼに畑も全滅だった。

人の手で料理をする喜びを感じる人もいるだろうし、天然の素材で料理ができる環境を作りたいと思っている。

家畜についてはまだ考え中ではある。

課長一家で実験中ではあるけど、動物をペットとして可愛がる感情が強いとなかなか加工して肉にするのは難しいだろう。

さて、ここはサクッと改良するとしましょうか。


東に流れる川から支流を作り、石で固めた流れを作り湖を作る。

その湖の高さが一定になるとそれ以上は元の川に水が流れるようにしておく。

簡易の上下水道みたいな感じになる。

あとは品種改良

水と日差しがあれば勝手に育つようにイメージしてみる。

生物を生成できる魔法は遺伝子構造やパターンを解明していくとかいうとてつもない計算が必要なくなるのが楽でいいね。

畑には皆に人気だったカレーの材料をメインにしてじゃがいも、人参、じゃがいも。

スパイスについてはまだ考え中です。

植物から食料を得るという考え方を定着させるための果樹園を作っておく。

果物はいちじく、みかん、りんご、桃

こんなものでいいだろう。

醤油や味噌を考えてみるも、大豆から作るものなので、別枠で大豆と小麦を栽培しておく。

ここだけで食糧難回避ができるようにしておきたい。

結局魔法で完成品ができてしまうが、味付けに変化がないのが私にはとても不満なのです。

私が出した私のイメージ通りの食事をヘビーローテーションはさすがに発展性がなさすぎる。

自分たちで新しい味を作り出してほしい。その為に魔法で調整するのは悪くないと思う。

なぜ、こんな事を突然大規模にやるのかというと、キッチンが絵に描いた餅とでも言おうか、本来に意味で利用されることが無いことが残念でならない。

せっかく各家庭に作ったんだから使ってもらえたほうがいいじゃないか。


思いつくままに品種改良しながら生成して植えていった。

わんこたちの食料も天然の素材で何とかできればいいんだけど、薄味の食品で健康被害がないものがわからないので歯痒い。


後は専門的な教師を育成して学校を稼働させる。

役所を稼働させる。

この2点が当面の目標になる。

これが成れば飛躍的に文化レベルは上がるだろう。

あとはゆっくりのんびりわんこたちと余生を過ごすがごとく暮らすのだ。

何かあってもショウがなんとかしてくれる。

毎日何を食べるか考えるだけの生活が待っている。

もうひと頑張りだ。


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