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絶対のんびり至上主義  作者: sakura
地盤固め編
26/86

26話.成功してしもた

今日は私の気分と同じで晴れやかな快晴だ。

いつもより早く目が覚めてまだ夜は明けきっていない、

いつも通り手を伸ばした先には起きぬけの水を入れたコップがない。

あれ?と思うも新居で寝たことを思い出して早速わんこを迎えに行く。

昨日寝た格好のままだったので前の家に着替えに行く。

家に戻るとうちのかわいいワンコがお出迎えしてくれた。


「どこ行ってたの!」

「匂いがなかった」


出迎えというよりご立腹だった。


「ごめんね。隣に朝陽と裕太と一緒に住めるように家を作って、そっちで寝ちゃったんだよ。

お散歩終わったらそっち行こうね」


そう言うと二匹はすり寄ってきてやたらと匂いをかぎながらくっついてくる。

ちょっといなかっただけなのにかわいいな~もう。

わしゃわしゃと撫で回した後家に入り着替える。

外に出るとすでに子供たちが待っていた。

ちなみに、今日の二人はローブを着ていない。

私が渡した学生服でもなくTシャツとハーフパンツで色違いだった。

お母さんが作ってくれたというが、早速魔法で作り出すあたりローブの無機質さと個性を殺す感じが気に入らなかったんだろうなと思う。


散歩でトイレを済ますと少し歩いてフリスビータイム

うちのワンコたちの身体能力が上がってる気がする。

2階建ての屋根くらいまで飛んでいた。

いつの間に身体強化をマスターしてたんだろうか。


わんこたちが尻尾をブンブンしてフリスビーに飛びつく様はさながらしっぽの回転で空を飛ぶヘリコプターのようだった。

私が投げると本気で二匹が取り合いして喧嘩になるので投げてはいけないルールになった。

頑張って2つ投げると2つとも奪い合うのは流石に誰にも予想できなかった。


散歩を終えて帰宅すると子供たちも新しい家が見たいというのでわんこのご飯と餌用のお皿などわんこグッズをまとめて台車を作り新居へ運ぶ。

玄関扉を開けて土間までわんこを引き入れる。

少しばかりおっかなびっくりだったが、匂いを嗅いで問題ないとされたらしい。

もうスピードで走り始めた。

土埃が立ってしまう事に対策を考えなければと思ったが、落ち着けば問題ないと諦めた。


子供たちは入っても外みたいだねと不思議そうにしていたが、わんこたちの猛ダッシュに目を丸くした後キラキラの目でわんこたちの姿を目で追いかけていた。

わかるよ子供たちよ。嬉しそうに走ってるわんこたちが輝いて見えるんだろう?

何を隠そう私も目が離せなくなる。嬉しそうに駆け回る姿は癒やされるし最高に可愛いからな。

家の中なのに風の匂いを感じ、明るく光が天井のガラスから降り注いでくる。

そんな中でわんこが走ってみなさいよ。悶えるのが人間ってもんでしょ。


呆然としている子供たちを家に上げ、和室から縁側に出ると足をブラブラさせて楽しげにわんこを眺めだした。

折角の機会なので私は軽くフレンチトーストを準備して子供たちと一緒に食べた。

わんこたちのご飯は縁側の付近に置いてあるが、遊びに夢中で後回しらしい。

絶対匂いで餌があるのはわかってるはずなのによほどこの家を気に入ってくれたのだろう。

大満足だ。


ご飯を食べさせてから走り回って満足したわんこ達の餌やりを見た後はわんこのトイレとお風呂を見せた。

わんこも子供たちも大喜びだった。


いつもより遅くなったのでご家族に説明のために私も多々山家に向かう。

息子さん達の奥様方に謝罪した後、朝ごはんも食べさせたと説明し、新居を作ったことを説明していると課長がおはようと声をかけてきたのでもう一度説明すると見させろというので多々山家が揃って我が家に訪れた。

わんこスペースの土間を見せても居住区間を見せろというので家に上げた。

下駄箱が効率的だと言っていたから、みんなの家にも作ったよ?というと、何に使うか分からなかったと言われてそういう細かい所も説明しないといけなかったのかと反省した。


「ところであんた、上の明るいのは何だい?」

「私も気になりました。」

天井のガラスを見上げて言う。


「あれはガラスと言って、光を通す素材なんです。朝も夜もわからない事にならないようにと思いまして」


「朝も夜も?」


「あ~あまりこれを普及させるつもりはなかったんですけど、簡単に言うと、夜には壁が光ります。夜も多少明るくなるので雰囲気ですかね」


「へぇ~」

「なるほど」


「ここは家の中なのに風が感じられるのもおかしな感じだね」


「そういうイメージをしてみたらできました。

うちの子達にはなるべく自然な環境を作ってあげたかったので」


「ふーん、なるほどね。昨日のバカ共みたいなのに不意打ちを食らわないように家の中なのに自然環境ってことかい。考えたね」


課長には完全に見破られてます。

この人何で課長なんて役職なんだろうね。


「まぁ、そんなところです。」


「ところで、その子達は生成魔法で再現できるのかい?」


考えていたけど、答えづらいことを聞いてくる。

命や魂は生成していいものではないと思う程度にはモラル意識を持っているので答えに窮する。


「やってみたことはありませんが、できるのではないかと思ってます。」


「それなら孫達の為に試してくれないかい?」


う・・・悩ましい。

一般的にお世話をすることが絶対条件になるが、この子達は毎日の散歩でクリアしてるように思えるからだ。


「わかりました。やってみます。ただし、条件があります。

1,世話を毎日欠かさずしっかりすること。

2,餌と水も生成すること。

3,散歩と餌は朝夕二回

4,吠えたりして周りの家の迷惑になるかもしれないから戸建てに引っ越すこと。

これを全て守っていただけないと認められません」


「問題ないね。子供たちだけでできるだろうし、最悪嫁たちやあたしたちが手伝えば問題ないね」


「わかりました。ではやってみます。」


静かにイメージする。

私の飼いたいペットランキング不動の一位は柴犬

ついでポメラニアンとシベリアンハスキーが続く。

秋田もいいな~と考えたところで魔力を込める。

瞑想するように目を閉じていたが、成功した手応えがあった。

きちんと考えをまとめてなかった事が失敗だったと認めよう。

ポメ、ハスキー、秋田が全てつがいで二匹ずつ生み出されてしまった。

生後3ヶ月と言ったところだろうか。親元を離せる時期の子犬が生まれていた。

うちの朝陽と裕太には敵わない(かなわない)までも超絶かわいい。

くーんくーん、きゅーんきゅーんと泣いている。

まだ、首輪や胴輪は早いので全て色違いのリボンをプレゼントした。


ポメは美野里ちゃん家の元へ

ハスキーは裕太くん家の元へ

そして、秋田についてはなぜか課長が引き取ることになった。


「おお~、よしよし、かわいらしいね~」

とデレデレだった。


家については、戸建住宅を用意すると言った手前作るしかなくなった。

いちいち私が魔法を使わされるので、簡単なログハウスの建て方を教えて自分たちで大工仕事をしてもらおうと心に決めた。

3軒の全く同じ家を私の新居のような感じで作った。

私の新居と違うのは人数が多いので二階建てというところだ。

子供部屋を作ったりする都合上2階建てのほうが省スペースだった。

課長夫婦は二人住まいだけど、威厳的な意味で同じ規模にしている。

荷物の運搬に関してはご自身でお願いしますと言って、魔力が切れた。

青椒肉絲は作れなかった。

仕方ない。


目覚めたら家の中は真っ暗になっていたので照明をつけてと壁に話しかけると仄かに光り始める。

たまには夜中の散歩もいいかと土間に行くともう行ったから大丈夫と言われた。

なんでも、課長一家が子供たちに散歩を教えてもらいがてら一緒に行ってきたのだという。

餌まで出してくれたらしい。

軽く食事を摂りベッドに向かうものの、流石に眠気が来ない。

悩ましい気持ちでいたが、眠って魔力が回復したので、散歩グッズ等を生成していく。

餌のふやかし方も説明してなかったけど大丈夫だろうか?

細々した注意点を上に書き出していく。

明日になったらそれぞれ説明していこう。

見た目的に餌をふやかす必要がなさそうな気もするが、ある意味生後0日なわけだからどこまで気をつけないといけないのかもわからない。

餌をカリカリで食べられる状態で、うちで見た餌を再現できているなら問題ないと思いたい。

私にとっても完全に初めてのことになるのでじっくり様子を見ながら慎重に育てていくしかないかと思うことにする。


朝陽と裕太の子供でも産まれることになったらこんなものじゃなくパニックになるのだろうから、しっかり考えておかないといけないな。

ただ、命が作れてしまったことについては正直失敗して欲しい気持ちが強かった。

この魔法はあかんヤツや。


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