表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
絶対のんびり至上主義  作者: sakura
地盤固め編
15/86

15話.新たなトラブルの予感

昨夜歯磨きの習慣を伝え忘れていたので歯ブラシを大量生産しようと思いやめた。

うちにセットになってる歯ブラシがある。

かため、ふつう、やわらかめと3種類がセットになっている。

これをサンプルに渡して自分たちで複製してもらおうと思う。

どうせ夜まで使わなかった魔力が大量に余るはずだから一石二鳥だね。

歯磨きの習慣で関連して思い出したことがある。

みんな洗濯はどうしてるのかな?


子供達と散歩に行ってから朝食の準備をする。

朝食と昼食は私が用意する関係上私も同席する。

ホグ〇―ツかって位大規模な食堂があるのでまだまだ余裕はある。

そこでは和気あいあいと思い思いに朝食をとっている。

そんな中で私は山北さんの隣の席を確保し食事をとる。

本日の朝食は卵かけご飯にほうれん草の煮びたしとお味噌汁

配膳が面倒なので寸胴を複数作ってごはん、みそ汁、もう一品みたいに作ってある。

お代わりまで世話できない事に初日で気づいてからこうなった。

毎回多めに作るのだがTKGの醤油比率が完璧だったので、私もお代わりしてしまった。

そして本題の洗濯事情を聞いてみたところ、水洗いか匂いが落ちなかったら新しく生成するとのことだった。

洗濯機が必要だと思うがない物ねだりしてもしょうがないのでこれについては今まで通りでやってもらうことにしよう。

捨てるのはもったいないけど臭いを落とすのはなかなか難しい事は想像に難くない。

柔軟剤を洗濯機以外で使える方法を模索してみるか。


歯磨きについては朝食の際に全員に伝えておいた。


私は図面を出してきて地下室以外を明確にイメージする。

一軒目ということでイメージが固まっておらず外装と内装を別々にしたが、今なら配管を気にする必要もないので行けると思い一気に作り上げる。

外壁の色まで同じだと味気ないからそこだけ後で変更してみよう。

.屋上の貯水タンクもしっかり作ると4基の貯水タンク全てを満水にしておいた。

外壁塗装が終わったところで昼食の準備にかかる。

肉じゃが、ラーメンときたので少し悩んで子供もいることだしハンバーグにすることにした。

イメージは偉大だ、栄養満点とイメージしてたら健康にも問題ないと思う。

サプライズでチーズインハンバーグにしておいた所、いつも通り多めに作っているのに完食された。

特に子供たちは喜んでラーメンより食いついていた。

意識高い系アピールし始める年齢までは女の子でもハンバーグが大好きだと知った。

女の子はサラダとかいうのは偏見らしいね。

午前中にみんなが何してたのか全く知らない。

怖い鬼教官がいるからサボれないだろうけどね。

私はまだ魔力の残量がわからないので豪邸コピーを1棟建てたら後は夕食に残しておこうと思う。


昼から私は丸々時間が余ってしまった。そのためみんなが何をしているのか確認することにした。

多々山家はどうも肝っ玉ばあさん打倒に燃えてるらしく、息子さん達が家族全員でひたむきにバスケの練習をしていた。

シュートフォームが様になってきている。

小垣さんは多々山家の長男の奥さんに気に入られているのか一緒に練習に励んでいる。

山北さんは次男さんの所で以下同文

おじいちゃんとばあさんは散歩が気に入ったらしくやたらと遠くまで歩きに出ているそうだ。

最近子供たちは常にうちのわんこと一緒にいる。

二匹ともまんざらでもない顔をしている。

他の皆さんは全員自転車に乗れるように頑張っているようだ。


ある家族のお父さんが乗れるようになったことで発奮しているようだった。

ただ、一つ言わせてください。

そこの独身のお姉さん。あなたはこちらの自転車にしてください。

若い女性がスカートでロードバイクに乗るのはいろいろな意味でよろしくないので止めさせてもらいました。


誰も卓球に見向きもしないのは何でなの~。

野球やサッカーは持ち込まない事を誓った。


ほほえましくみんなの成長を見守っていると声が聞こえた。


「小僧、例のバスとかいうので南に迎えに来てくれんか?

爺さんが歩けなくなっちまってね~」


確か、相手に意識を向けて相手に考えていることを伝える魔法だったか。


「わかりました、すぐ行きます。」


あのばあさんは頑固でストイックだから、相当追い込まれてる状況に思える。

今度救急車でも作るしかないか。


念話使うくらいなら回復魔法は?


少し引っかかったが駐車場に走ってエンジンを始動させた。

急ぎたいのに場所がわからない。

もどかしく思いながらばあさんに念話を送る。


「どっちの方角ですか?」


「意識を集中しな! 今から送るよ」


直後に魔力の塊をぶつけられた感覚に陥る。

音声送受信をしてたらいきなり動画ファイルを送られるような感じだろうか?

例えが思いつかないが意識を集中してでかい塊を紐解いていくと位置がてんではっきり頭に浮かんだ。

こっちだな。

何故か確信して南東に向かいハンドルを切った。

20分ほど走った先でばあさんが手を振っていたが、何とおじいちゃんは普通に立っていた。


急いでバスから降りると現状確認のために状況を聞くとばあさんが爆笑しだした。


「あっはっはっはっは。悪いね。爺さんは何ともないんだけどね。小僧への魔法の試験を兼ねた練習と言ったところかね~」


「ほ、ばあさんが悪乗りして悪かったの~」


完全にしてやられたが、まぁ、何事もなく良かったと思うことにしよう。


「じゃあ、あんたも頼んだよ」


? 突然誰かに話しかけるばあさん。


「やぁ、異世界の新入社員殿。私は社長をしてる浜辺 誠と言います。

課長の悪ふざけは強烈だろう? 私も大変なんだ。

そんなわけで、もう少し協力をお願いするよ

今から位置を教えるから迎えに来てほしいんだ。

申し訳ないけど頼んだよ」


「はい、わかりま」

話してる最中にまた魔力の塊でぶん殴られた。

不意打ちで頭がクラっと来たが必死で受け止めてほどいていく。


こっちか。と目星を付けると北に向けてバスを進めた。

ばあさんは乗っていくか聞いたらあたしゃ訓練中だからさっさと行きなと追い払われた。

なんてばばあだと思ったのは内緒にしておく。


位置情報のポイントに到着したらぞろぞろと50人ほどが集まってきた。

多くないですか?乗れるけど

一応このバスは最大サイズで補助シートも完備しているので問題はない。

乗車口を開けて挨拶する。


「初めまして、中島英人です。

足元に気を付けて一人ずつ乗ってください。後ろから二階に上がれますので奥から詰めてお乗りください。」


伝えた瞬間に(たぶん)社長の目の色が変わった。


「二階の一番前は私がもらった」


そういうと足元に気を付けることなくダッシュで乗り込んだ。

子供かよ。


「悪いね。社長は自由な人だから悪気はないんだよ」


執事?みたいな物腰の男性が後に続き全席が埋まった後補助シートを出して一人ずつ座ってもらったらもう二階には上がれるスペースがない。

仕方がないので安全運転で帰ることにする。

シートベルトを説明してないからどうしようもない。

ゆっくりと言っても見渡す限りの草原なので50キロほどで走行していく。

走りだした時の歓声には驚かなかった。

二回目だからね。


大豪邸が二棟見え始めたところでざわめきが起こり始める。


「何だあれは」

「そんな馬鹿な!あんなに巨大でなぜ崩れないんだ」


等々大騒ぎだ。

家に到着して全員降ろしたらバスを駐車場に戻した。

念のため時間があるときに給油しないとね。

いざとなればその場で給油口に直接ガソリンを生成できるかもしれないが気分だ。


ちょうど良い時間だったのでほとんど挨拶もしていない人が一気に増えたが

私は夕飯の準備に取り掛かった。

今日は手抜きの代表格カレーライスだ。

餃子が食べたかったんだけどどれほど数が必要かわからなくなったので諦めた。

餃子に焼肉と食べたいものリストが頭の中で作られていく。


言うまでもない事だが、全員似た様な格好で体系も似通っていた。

この中で魔法の扱いが上手い下手を判断するって言っても誤差だろ。

没個性の中でみんなが目立つために太ろうとしてたのかと思うと地獄絵図だね。


寸胴を増やしカレーを満たす。

更に寸胴を増やしごはんで満たす。

そこらの飲食店にはちょっとない規模ではないだろうか?

計8つの寸胴に食事を用意した私は、さすがに疲れを感じたが、食事の用意よりも二度に及ぶ魔力塊でぶん殴られたのがレバーブローのように効いてきた気がする。


腕時計を確認すると18時で夕食としてはちょうどいい頃合いだったので全員を呼びに行った。

案内は後回しにしてもらい、とりあえず最初の大豪邸の大食堂に着席してもらってここでのルールを説明していく。

食事の前に手洗いうがいをすること。

自分でよそって席に着いてから食べる事等

普段私は夕食の準備までしてはいないが、今日はまぁ、しょうがない。

この状況で一人自宅に戻るのもはばかられたのでほとんど席の埋まった食堂の端に座り説明を任せた小垣さんがカレーのよそい方などを説明してるのを聞きながら全員がよそったら私もよそいに行った。

小垣さんの号令でいただきますをして全員がスプーンを手に取り一口目を運ぶと嗚咽、大号泣の定番リアクションを起こしてから狂ったようにカレーをかきこんでいた。


この分なら夕飯が終わった後も大丈夫だろうと思い、食事を済ませたら家に帰った。

寮母さんにでもなった気分だった。

何だかさみしい気分になった私は朝陽と雄太と一緒に寝たくて部屋に呼ぼうと思ったけど拒絶された。

私は泣かなかった。

必死にこらえた私は自分をほめてやりたい。

理由が尊いもので、朝子供たちが来たとき僕たちがいないとかわいそうだというものだった。


優しくてかわいくてやっぱり宇宙一だよ。

子供たちに負けた気がしたけど涙を堪えてなでまくってから自室に戻って一人でさみしく寝た。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ