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琴陵姉妹の異世界日記  作者: もっけさん
容子の暗躍
22/152

20.妹をテイムさせられました ⁑

 ベッドで爆睡している容子(まさこ)の身体を揺すって声を掛ける。

「起きて。おーきーてー!!」

 徐々に声を大きくして揺するが、唸るだけで起きる気配がない。

 仕方がないので、激しく揺さぶってみるも全然起きない。

「……起きてってば! 容子(まさこ)、いい加減に起きろっ!!」

 ムカついたので、肩をガシッと掴み高速で揺さぶり、往復ビンタで起こしにかかる。

「うぅ……はよっ? 痛い…何で叩かれてんの、私??」

 寝ぼけ眼で状況が理解出来ていない容子(まさこ)は、往復ビンタされた事実に、理不尽と言いたげに不機嫌な顔をしている。

「起こせって用件をメモにして、おいたんでしょーがっ! というか、あのダンボール箱の量は何? 無職(ニート)がいるのに、散財とか馬鹿か?」

 メモ書きを突き付け文句を言うと、

「ああ、悪い悪い。すっかり、忘れてたわ。ダンボール箱については、久世(くせ)師匠の援助だから気にしなくて良いよ」

 最後の一言に、私は顔を顰める。

容子(まさこ)、話しちゃったの?」

「口止めされなかったし。師匠も向こうの世界(サイエス)が気になるみたい。最低限の生活費を援助して貰う代わりに、私も宥子(ひろこ)に同行して向こうの世界(サイエス)に行くことにしたから。というわけで、私を契約(テイム)して」

「何が、というわけなの? 日中の仕事はどうする気? 容子(まさこ)を下僕にしても、私にメリットが無いんだけど。嫌だよ。お前を養うなんて無理! 絶対無理ぃ!!」

 必死に無理無理と連呼すると、

「勿論、日中の仕事は辞めたよ。最低限の保証もされたからね。私と宥子(ひろこ)は、久世(くせ)師匠のところで雇われる形になったから。それに、私も向こうの世界に興味あるんだ。進んで宥子(ひろこ)の下僕になりたいわけじゃないけど、契約(テイム)することで世界を渡れると思ったんだよ」

「アンタ、異世界に来るの? 本気(マジ)で? ドMなの?」

と素で返したら、アイアンクローされた。

「物は試しだし、やってダメなら諦めるよ。確認したい事もあるし!!」

 容子(まさこ)は、言い出したら人の話を聞かない性格だ。

 こちらの世界でも魔法は使えるので、物は試しでやってみて契約(テイム)出来なければ諦めて貰おう。

「……分かった。人にする魔法じゃないから、失敗しても文句言わないでね」

「分かってる」

 食事を終えた容子(まさこ)の前に立ち、契約(テイム)をしてみると出来た。

 それも、すんなりと出来てしまった。

「うそ……出来た」

 これで容子(まさこ)は、私の下僕か……。

 要らねぇ、こんな暴力的な下僕。

 契約(テイム)されたのに容子(まさこ)は、ハイテンションで高笑いしている。。

「じゃあ、私のスキルってどうなってるか知りたい。ステータス画面見せて!!」

「そっちが目的だったのか!?」

 思わず突っ込みを入れてしまった。

「ステータスオープンと唱えれば、自分のステータスを確認出来るよ」

「そこは、ゲーム通りなんだね。ステータスオープン」


---------STATUS---------

名前:未設定(琴陵 容子(ことおか まさこ)

種族:人族

職業:社畜

レベル:1

年齢:25歳

体力:8

魔力:11

筋力:5

防御:6

知能:20

速度:1

運 :10

■装備:綿のパジャマ

■スキル:縁切り・料理4

■ギフト:なし

■称 号:ヒロコの従魔

■加護:須佐之男命・櫛稲田姫命

■ボーナスポイント:0pt

-------------------------------


「職業が、社畜って酷い! てか、スキルが縁切りと料理かぁ。ポイントが入ったら、回復系と鍛冶師のスキル取得したい。職業の変更できるかな?」

「ナニコレ……」

 何で料理スキル持っているんだよ。

 私だって料理するのに、スキルはなかったぞ。

 今後の事のスキル取得に関してブツブツと呟く容子(まさこ)に、本気で私に着いてくるつもりなんだと恐れ慄いた。

「ちょっと服着替えてくる! レッツ異世界ライフ♪」

 やっぱりぃ!

 ダメッて言っても聞かないんだろうな。

 セブールまで行く間、確実に戦闘するだろう。

 レベル1の容子(まさこ)が心配だ。

 即死防止のために、身代わり人形は装備させておこう。

 黒のパンク系で纏めた恰好で現れた容子(まさこ)の手には、見慣れない武器らしきものをしっかり装備していた。

 後で聞いたら、ドラゴンフライとM85というエアガンだと分かった。

 私が放心している間に、容子(まさこ)は原付バイクの燃料残量を確認しに外に行ってしまった。

 戻ってきた容子(まさこ)は、行く気満々な状態なので断れない。

容子(まさこ)準備はできた? 時計の針を合わせるよ」

 私の腕時計で異世界の方の時間を確認した容子(まさこ)は、ペンダント型の時計の針を合わせている。

 ちょっ、それ私のコレクション!

 スイス製のアンドレイムッシュじゃないか!

 花柄がモチーフの超可愛い時計で、コツコツ集めていた奴を何故お前が持っている!

 呆然とした私に原付バイクと事前に用意していたであろうキャリーケースをアイテムボックスに収納させり、私達はサイエスへ旅立った。

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