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琴陵姉妹の異世界日記  作者: もっけさん
容子の追憶と暗躍
140/152

135.姉のサポートは妹がするもの

 宥子(ひろこ)が異世界に旅立ってから、私はパソコンを前にキーボードを叩きながら調べ物をしていた。

 原始的な戦い方で、異世界で生き延びるのは難しい。

 バックアップするのも妹である私の務めだろう。

 日本で購入できる火力の高い武器はたかが知れている。

 だが、何もしないよりはマシだろう。

 参考に、ネットサーフしながら宥子(ひろこ)でも扱えそうな武器を探した。

 他にも、独自で何か武器を作成出来ないか動画を探している。

 自慢ではないが、私の特技は物を作ることだ。

 宥子(ひろこ)と違い、手先は器用な方だ。

 服から小物まで色々と作っている。

 趣味のコスプレが、役立つとは人生何が起こるか分からない。

 理工学部の高校に進学しておいて良かった。

 機械は、私の心の友だ。

 異世界で宥子(ひろこ)が死ねば、私が遺品整理をしなくてはならない。

 そんな面倒臭い事は御免だ。

 宥子(ひろこ)には、宥子(ひろこ)の考えがあるのだろう。

 是非とも頑張って生き伸びて欲しい。

「ん~~、このぐらいか。後は、宥子(ひろこ)が帰ってきてからだね」

 グっと伸びをして、パソコンの電源を落とす。

 ママゾンで購入した電動ガンHK416Cカスタムなら、的を外さなければ低レベルモンスターなら一発昇天出来るだろう。

 向こうの世界が、どれほどの文明なのか分からない。

 オーバーテクノロジーでごり押し出来るなら良し、無理なら改良して強化すれば良い。

「古典的に撒菱やクナイも有りだよね。電極銃テイザーも発注しておくか」

 模造品でも、研磨し直せば十分武器として使うことは可能だろう。

 遠距離戦で戦うならHK416Cカスタムと電極銃デイザーで十分だろう。

 接近戦ともなれば、短刀か刀が欲しい。

 日本刀欲しいなぁ。

 美術品として売買されているので、購入自体は可能だ。

 しかし、その後の手続きが面倒臭い。

 銃砲刀剣類登録証があれば、所有者変更届出書を教育委員会へ提出しなければならない。

 もし、ない場合は警察署で銃砲刀剣類登録証を発行して貰う必要がある。

 古物商で購入するのであれば、必然的に銃砲刀剣類登録証がついてくる。

 警察署(後者)は、まずないだろう。

 一番考えられるパターンは、宥子(ひろこ)が向こうで装備を揃える際に真剣を購入する場合だ。

 それをこちらに持ち込むことを考えると、法律に触れないか心配になる。

 武器については、宥子(ひろこ)の帰宅待ちで持ちこそう。

「夕飯の材料を買いに行こうかな……」

 何気なくベランダから外を見ると、宥子(ひろこ)の原付バイクが無くなっている。

 もしかして、異世界に持って行ったのだろうか?

 自分の持ち物は、向こうでも使えるとか言っていたし、何かカラクリがあるのだろう。

宥子(ひろこ)、会社どうするつもりだろう。行き来できたとしても、二束草鞋は無理だろう。多分、退職せざる得ないよなぁ……。二人分の生活費を私が稼ぐのか……。そうだ! |宥子(ひろこ)の荷物《不用品》を異世界に持ち込んで売り捌かせよう。どこかにお金になるネタが、転がっているかもしれないし」

 引っ越して以来、一度も開封されていないダンボールがニ十個ほどある。

 その殆どが、170cmサイズとでかい。

 そして重い。

 中身は、使ってないバックやポーチなどの付録が殆どだ。

「リサイクルショップに売っても二束三文ならないし、フリマやオークションに出品しても落札まで時間がかかる。縫製がしっかりしてる日本の商品は、異世界でも売れる! 異世界トリップならではの利点じゃない!? 向こうで売っている商品も、オークションやフリマサイトに出品すれば売れるかもしれないし、一石二鳥だわさ♪」

 私は夕飯の買い出しをキャンセルして、開かずのダンボールを開封して中身をチェックしていく。

 未使用なものと、使用済みのもので分けて、ダンボールに詰め直す。

 荷造りをしていたら、あっという間に夕飯時になってしまった。

 私は、慌てて夕飯の買い出しに行き特製容子(まさこ)ちゃんカレーを作って宥子(ひろこ)の帰りを待った。

 しかし、幾ら待てど暮らせど帰って来ない。

 結局、宥子(ひろこ)が帰ってきたのは、三日経ってからのことだった。

 同日、ママゾンで購入した武器が届き一階の部屋の大半がダンボールに支配された。

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