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琴陵姉妹の異世界日記  作者: もっけさん
ハルモニア王国 王都
132/152

128.免許取得できませんでした

 端的に言おう。

 運転免許の試験に落ちました!

 筆記は問題なかったが、実習がダメでした。

 キヨちゃんが居ても、試験の神様は居なかった。

 原付バイクで公道を走るのでさえ30キロ出せない人間が、車で30キロ以上出せるわけがない!

 試験官に逆に危険と判断されて落とされた。

 ちくせう。

 試験に受かれなかったので、合宿費用は自腹になりました。

 というか、自腹にされました。

 落ちて帰って来た私に対する第一声が、

「合宿までして試験落ちるって、どんだけww」

容子(まさこ)は語尾に草生やし、pgr(プゲラ)までしてくれた。

「人には得手・不得手があるの! 私が免許取れなくても、他の人が取れれば問題ないもん」

「負け惜しみワロス。落ちたお前は、合宿代は自腹な」

「ぐぐぐっ……」

 受かるのが前提条件なので、自腹切るのは仕方がない。

 仕方がないのは頭では理解しているのだが、容子(まさこ)の言い方が一々癪に障る。

「それで、留守の間問題行動起こしてないだろうね?」

「小さい諍いはあったが、特に問題になることはないかな」

「不届き者は、自衛団から警邏隊へ引き渡しを徹底させています。今のところ目立って大きな問題はありませんでした」

 容子(まさこ)とアンナの二人から報告を受け、問題がなければ良しと満足していたら、アンナから人の名前が載ったリスト一覧を渡された。

「何、これ?」

宥子(ひろこ)様が不在時に、神社に訪れた人達の中で使えそうな人物をスカウトしておきました。二枚目は、指導(ブートキャンプ)の日程表です」

 ざっと目を通しただけで百人以上はいる。

 二枚目を見ると、みっちりと一日のスケジュールが記載されていた。

「ちょっ、これは無理でしょう。無理無理、私の身体が壊れる」

 就寝以外殆どが実務・戦闘訓練になっている。

 十時間の睡眠が、八時間まで削られている。

 私が決済しなければならない書類整理などが、それとは別に追加されるのだ。

 どこのブラック企業だよ!! と泣き叫びたくなった。

「眠気はリポピタンDで取って、体力回復はHPポーションでドーピングして下さい。宥子(ひろこ)様なら出来ます」

 うふふと笑みを浮かべているが、目が全然笑ってない。

 ガチで本気で言っている。

 周囲を見渡すが、誰一人目を合わしてくれる者がいなかった。

「……アンナに人生相談を任せるからじゃん。自業自得」

「Noooooo!!」

 断じてそんなつもりで任せたわけじゃないのに!

 何で裏目に出ちゃうんだ。

「もう、仮採用の通達出してます。明日から頑張って下さいね」

 決定事項ですと、言わんばかりに言い切られてしまった。

 勝手に仕事を取ってくるって、本当私の秘書は有能だ。

 有能過ぎて涙が出てくるよ!!

「そんじゃ、宥子(ひろこ)合宿(ブートキャンプ)頑張って。私らは、合宿に行ってくる」

 容子(まさこ)は、合宿という名のバカンスに旅立った。

 その後姿が、滅茶苦茶眩しかったと記しておこう。

 容子(まさこ)が戻る間、アンナが組んだ合宿(ブートキャンプ)の予定を粛々とこなす日々を過ごした。

 紅唐白(べにとうきよ)を引っ提げて、肩こりと腰痛に悩まされながらスパルタモードで行った。

 別に、八つ当たりなんてしてないんだからねっ!

 この時、参加した面々は後にCrema(クリマ)の中枢に配属されることとなる。

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