表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
琴陵姉妹の異世界日記  作者: もっけさん
ハルモニア王国 王都
131/152

127.運転免許取得してきます

 アンナ率いる第一班が、無事大型運転免許証を取得して帰還した。

「全員、合格しました」

「一発合格おめでとう。次は、容子(まさこ)の班だね」

「今、浄化作業が立て込んでいて忙しいから宥子(ひろこ)の班が先に行って」

 早速第二班を送り出そうとしたが、容子(まさこ)が仕事を理由に拒否ってきた。

 うーん、予定組んじゃってるしなぁ。

 教習所には、会社単位で参加の申し込みをしている。

 受ける人数は変わらないので、日程の変更を受け付けてくれるだろうか。

 拒否されたら、キャンセル料は容子(まさこ)に全部負担して貰おう。

「アンナ、私が戻るまでキヨちゃんの面倒見てくれない?」

「何で、そこは私じゃないのさ??」

 意義有り、と文句を言う容子(まさこ)を一瞥する。

「だって、お前キヨちゃんにウザがられてるじゃん」

 毎回雷を食らっても、紅唐白(べにとうきよ)に頬擦りする馬鹿に預けるわけがなかろうが。

 紅唐白(べにとうきよ)は、嫌だとハッキリ態度で示してるのに、何故分からないんだ。

「そんな事ないもん!」

「いや、今まさに嫌がられてるじゃん。雷落とされてるし」

 紅唐白(べにとうきよ)はキューキュー言いながら、容子(まさこ)から逃れようと必死になっている。

 私は容子(まさこ)から紅唐白(べにとうきよ)引き剥がし、ポンポンと背中を軽く叩いたら落ち着いてくれた。

「キヨちゃん抱えながらは、免許取得するのは無理。アンナ、お世話お願いな」

「分かりました。紅唐白(べにとうきよ)様、どうぞこちらへ」

 アンナに渡そうとすると、キューッと鳴きながら足で服を掴んで離さない。

「キヨちゃん、服が破れるから離して」

 嫌々する紅唐白(べにとうきよ)に、頭を抱える私。

 絶対に離れないぞという意思が伝わる。

 服が伸びるのはお構いなしに引っ張ってくれる。

「生まれたばかりですから、一緒に居た方が良いと思います。紅唐白(べにとうきよ)様も嫌がってますし」

 マリーの言葉に、一同頷いている。

 どうするかなぁ……。

「キヨちゃんには、隠密の取得して貰って一緒に合宿をこなすしかないか」

「私が面倒見て上げるのにぃぃい」

「お前は、キヨちゃん自身が拒否ってるから止めとけ」

 これ以上嫌われたら、特大の雷を落としかねない。

 今のところ人的被害は、容子(まさこ)紅唐白(べにとうきよ)にちょっかいを出した馬鹿に限るが、度を越したら物理的被害が出てしまうのは頂けない。

「キヨちゃん、大人しくしとくんやで?」

 私の言葉に分かってるのか、分かってないのか、キューとひと鳴きし私の両太ももを陣取る。

 抱っこして欲しいんだね。

 大型犬並みの大きさだから、出来れば抱っこは遠慮したい。

 地味に腰にくるのだ。

「第二班は、私と一緒に免許合宿に行きます。アンナ、容子(まさこ)が暴走しないように見張っておいて! 容子(まさこ)、留守中に面倒臭いこと起こすな。起こしたら、給与30%カットだから!!」

「何でやねん!」

「トラブルメーカーは、答えすんなし。面倒事は起こされたら、尻ぬぐいするのが面倒臭い」

 こいつの所為で、何度尻ぬぐいさせられたか分からない。

 釘は刺した。

 これで問題起こしたら、本気(マジ)で給与カットの刑だ。

「緊急連絡は、スマホにしてくれ。キャロルとルーシーは、引き続き実務頑張ってね。アンナは、庶民版の神社で私の代わりに人生相談しておくように。相談料は、銀貨1枚な」

「キャロルとルーシーは分かりますが、何故私が人生相談をするんですか?」

「ステータス鑑定に来た人の中から青田刈りしようと思って始めたら、何か人生相談になったから? 良い人材が居たら唾つけられるし、悪くはないでしょう」

「ああ、そういう事でしたか。了解です。やってみます」

「ありがとう。助かる」

 この時、私はアンナが青田買いしまくりブートキャンプの日程まで組むとは予想もしていなかった。

 後に、私は何であの時アンナに頼んだんだと猛烈に後悔する姿があった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ